【過去問に挑戦】利用者への声かけ・コミュニケーション
利用者への声かけでは、同じことを伝えるときも、言葉や話し方で受けとめ方が変わります。本人の気持ちや、聞こえ方・理解のしやすさに合わせることが大切です。
第34〜38回の過去問を使って、相手の思いを受けとめる言葉と、わかりやすく伝える方法を学びましょう。
声かけ・コミュニケーションの基本を覚えよう
受容では、本人の気持ちや考えを否定したり、良い・悪いと決めつけたりせずに受けとめます。共感的理解では、本人の立場に立って気持ちを考え、言葉で伝えます。
あいづちは、話の途中でうなずくなどして、聴いていることを伝えます。繰り返しは、本人が話した言葉の一部をそのまま返します。要約は、話の内容をまとめて返し、本人が気持ちを整理できるようにします。
開かれた質問は、自由に答えられます。閉じられた質問は、「はい」「いいえ」など限られた答えで返せます。話す力や目的に合わせて使います。
言語は、話し言葉や書き言葉です。非言語には、表情や身振りなどがあります。準言語は、声の大きさ・速さ・調子などです。
自己開示は、自分のことを相手に伝えることです。自己覚知は、自分の価値観や感情、考え方のくせに気づくことです。
相手の思いを尊重しながら、自分の意見も率直に伝えます。我慢し続けることや、自分の都合を押しつけることとは違います。
相手に合わせて伝えよう
短く具体的に伝えます。間違いや失敗を責めず、言葉の背景にある気持ちを考えます。表情やしぐさにも注目します。
聞こえ方や、本人がふだん使っている伝え方を確認します。顔や口元が見える位置で、会話・筆談・手話などから、本人が理解しやすい方法を選びます。声で伝えるときは、静かな場所で、聞きやすい声の大きさや速さに合わせます。
発音が難しいのか、言葉を理解することが難しいのかを確認します。短い言葉や答えやすい質問など、本人に合う方法を選びます。
自分の名前を伝え、だれに話しかけているかを明確にします。「あちら」だけでなく、具体的に説明します。触れる前には声をかけ、本人の希望を確認します。
過去問に挑戦しよう
中心となる30問を、新しい回から並べています。同じ技法を問う問題も、事例や選択肢を比べて復習しましょう。
第38回
本人がこれまで大切にしてきた暮らしと、これからの希望を確認します。その希望を受けとめながら、今の生活を続けるための支援につながる声かけかを考えましょう。
第38回 問題8に挑戦 →口頭の説明では部屋の場所が伝わっていない場面です。説明を増やすことと、動作で場所を示すことでは、伝え方がどう違うかを考えましょう。
第38回 問題26に挑戦 →介護職が自分のことを利用者に話すことで、二人の関係にどのような変化を期待しているかを考えます。誰のために、何を目的として話すのかを確認しましょう。
第38回 問題29に挑戦 →本人の話には、子どものころの思い出と、今の体のことが含まれています。介護職の応答が、話の内容をどのように整理して返しているかを確認しましょう。
第38回 問題30に挑戦 →周りの人の視線や表情が見えないため、誰に向けた話なのかがわかりにくい場面です。本人が会話の相手を確かめ、安心して参加できる伝え方を考えましょう。
第38回 問題32に挑戦 →お願いを伝えようとしていた途中で、話題が変わっています。新しい話題だけに反応せず、本人が最初に伝えようとしたことを話せるようにする応答を考えましょう。
第38回 問題33に挑戦 →第37回
本人が自分から話しにくい場面で、介護職がうなずいています。その関わりが、本人の話す機会や、二人のやり取りにどうつながるかを考えましょう。
第37回 問題4に挑戦 →大切な人形が見つからず、本人が不安になっています。場所を教える前に、どのような気持ちを受けとめる必要があるかを考えましょう。
第37回 問題40に挑戦 →介護職が話の内容をまとめて本人に返すことで、本人にどのような助けになるかを考えます。質問を加える対応や、介護職自身のことを話す対応と比べましょう。
第37回 問題74に挑戦 →本人が食事の場面をどう受けとめ、何をしようとしているかを考えます。手に持っている物だけで判断せず、その行動の目的を理解しようとする対応かを確認しましょう。
第37回 問題76に挑戦 →発音が聞き取りにくくても、本人は話を続けたいと思っています。話す難しさと理解する力を分けて読み、本人が伝え続けられるやり取りを考えましょう。
第37回 問題77に挑戦 →説明やカレンダーがあっても、ごみの分別がうまくできていません。努力が足りないと決めつけず、本人が困っていることを確かめ、一緒に方法を考える声かけかを確認しましょう。
第37回 問題78に挑戦 →第36回
入浴の予定を伝えても、本人に伝わっていない場面です。伝える内容だけでなく、声の大きさや話す速さをどう調整しているかを比べましょう。
第36回 問題4に挑戦 →マスクを着けた介護職が、本人のうれしい気持ちを受けとめている場面です。話したり書いたりする方法と、目元の表情や動作で気持ちを伝える方法を比べましょう。
第36回 問題74に挑戦 →聞こえに問題はなくても、長い文の理解が難しい状態です。声を大きくすることではなく、予定を理解しやすい長さや伝え方になっているかを考えましょう。
第36回 問題76に挑戦 →本人が生きることのつらさを伝えています。励ましたり話題を変えたりする前に、そのつらさを受けとめる応答かを考えましょう。実際の支援では、安全の確認と専門職との連携も必要です。
第36回 問題77に挑戦 →暗い場所で見えにくい本人が、突然の声かけに驚いています。その体験と気持ちを受けとめ、本人の希望を確かめながら支援する対応かを考えましょう。
第36回 問題78に挑戦 →第35回
初めて会う介護職に、本人が安心して関われるかを考えます。相手との距離や接し方に配慮しながら、関係を作り始める対応かを比べましょう。
第35回 問題4に挑戦 →夕方に帰ろうとする理由を、これまで家庭で担ってきた役割と合わせて考えます。今いる場所の説明だけでなく、本人が何を気にかけているかを受けとめる声かけかを確認しましょう。
第35回 問題69に挑戦 →質問された人が、どのように答える必要があるかを比べます。限られた答えで返せる質問か、自分で内容を考えて自由に話す質問かを確認しましょう。
第35回 問題74に挑戦 →左右の耳の聞こえ方と、補聴器を使う場所の状況を確認します。声の大きさだけで判断せず、本人が話す人の顔を見ながら聞き取りやすい関わりかを考えましょう。
第35回 問題76に挑戦 →自分から話すことが少なく、視線も合いにくい場面です。気持ちがないと決めつけず、表情やしぐさから本人の思いを理解しようとする対応かを考えましょう。
第35回 問題77に挑戦 →相手の話は理解できても、自分の思いを話すことが難しい状態です。共通の事例も確認し、本人が少ない負担で答えられる質問の仕方を考えましょう。
第35回 問題118に挑戦 →第34回
介護職が自分のことを話すとき、その目的が利用者との関係にどうつながるかを考えます。自分自身を理解するための行動と、相手に自分を伝える行動を比べましょう。
第34回 問題4に挑戦 →話を聴くときの姿勢や視線が、相手にどう伝わるかを考えます。威圧感や緊張を与えず、相手の話に関心を向けていることが伝わる態度かを比べましょう。
第34回 問題27に挑戦 →相手の思いと自分の意見の両方を大切にできているかを考えます。一方だけが我慢したり、自分の都合を押しつけたりする対応との違いを確認しましょう。
第34回 問題28に挑戦 →新しい生活への不安を、本人の立場からどう理解するかを考えます。話の事実をまとめるだけでなく、本人が感じていることを理解して伝える応答かを比べましょう。
第34回 問題29に挑戦 →本人が興奮し、怒りを抑えにくくなっている場面です。その場で理由を詳しく尋ね続けることが適切か、落ち着ける状況を作る必要があるかを考えましょう。
第34回 問題31に挑戦 →手が便で汚れている本人に、次の行動を伝える場面です。失敗を責めたり不快感を示したりせず、本人が何をすればよいかわかる声かけかを考えましょう。
第34回 問題83に挑戦 →本人の発言と介護職の応答を比べ、話のどの部分を返しているかを確認します。話全体を整理しているのか、本人が述べた内容の一部を返しているのかを考えましょう。
第34回 問題119に挑戦 →補足:技法・道具・家族への助言
直接の声かけと分けて、専門的な技法や道具、家族への助言を3問で確認します。
本人の動きや感情に合わせるという、対応の具体的な内容を確認します。それぞれの技法が何をするものかを比べ、設問の対応に合うものを考えましょう。
第36回 問題46に挑戦 →夫が否定すると、本人の不安が強くなっている場面です。相談している夫への助言として、本人との対立を強めず、不安に寄り添う関わりにつながるかを考えましょう。
第34回 問題84に挑戦 →話すことや筆記は難しくても、目を動かすことはできます。本人が使える力と道具の使い方を合わせて考え、家族に思いを伝えられる方法を選びましょう。
第34回 問題121に挑戦 →問題を解くときのポイント
利用者への対応か、家族への助言かを確認します。本人が何に困っているのか、その場面で何を求めているのかを読み取ります。
「最初の対応」を問われたら、詳しい説明や提案の前に、気持ちや状況を確かめる必要があるかを考えましょう。
生まれたときからの障害か、病気や事故などによって途中から生じた障害かを、事例から確認します。それまでにできていたことや、ふだん使っている伝え方も手がかりです。
時期だけで方法を決めつけず、本人が経験してきたことや、慣れている方法が選択肢に合うかを考えましょう。
見えるか、聞こえるか、理解できるか、話せるかを分けて確認します。できないことだけでなく、使える力に目を向け、本人が大切にしていることや希望も読み取ります。
話しにくいことだけで、理解も難しいとは判断できません。本人が答えたり、思いを伝えたりしやすい方法を考えましょう。
選択肢の対応が、本人の状況や設問の目的に合うかを比べます。技法を問う問題では、名前だけでなく、その応答が実際に何をしているかを確認します。
話の内容を整理しているのか、気持ちを理解して伝えているのか、答えやすくしているのかなど、対応の働きを考えましょう。
わからなかったら、もう一度確認しよう
声かけ・コミュニケーションの基本を確認する →気持ちを受けとめる対応や、話を返す方法、質問の仕方で迷ったら、基本の説明に戻りましょう。それぞれの対応が何をするものかを確認します。
相手に合わせた伝え方を確認する →聞こえ方や、見え方、言葉の理解・表現に合う対応で迷ったら、相手に合わせた伝え方に戻りましょう。障害が生じた時期や経験、今できることも確認します。