介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけんでは、 「機能きのうを 改善かいぜんする」、 「生活せいかつの 質しつを 向上こうじょうさせる」、 「体調たいちょうが 回復かいふくする」 などの表現ひょうげんが 使つかわれます。

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」は、 どれも よい方向ほうこうへの 変化へんか を表あらわす 言葉ことばです。

ただし、 「改善かいぜん」は よくないところを、よくする 、 「向上こうじょう」は 今いまより もっと高たかくする 、 「回復かいふく」は 悪わるくなった 状態じょうたいから よくなっていく というイメージがあります。

3つとも「よくなる」という 意味いみに 見みえますが、 「何なにが 変かわるのか」 「もともと、どんな 状態じょうたいだったのか」 を考かんがえると、 違ちがいが わかりやすくなります。

試験しけんでは、 言葉ことばだけで 正解せいかいを 決きめるのではなく、 文全体ぶんぜんたいを 読よむこと が大切たいせつです。

✓ この記事きじで 確認かくにんすること

この記事きじでは、 「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」の 意味いみと 使つかい方かた を確認かくにんします。

  • 実際じっさいの 過去問かこもんで、 どのように 使つかわれているか を見みます。
  • 「何なにが?」 「もともと、どんな 状態じょうたい?」 「どこへ 変かわる?」 に注目ちゅうもくした 読よみ方かたを 確認かくにんします。
  • 関連かんれんする 「維持いじ」との 違ちがい も確認かくにんします。

1.「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」とは?

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」は、 どれも 今いまより よい状態じょうたいになる ことに関係かんけいする 言葉ことばです。

しかし、 「どんな状態じょうたいから、 どのように変かわるのか」 に少すこし 違ちがいがあります。

3つの意味いみを 確認かくにん
改善かいぜん ↓ よくない状態じょうたいや 問題もんだいがあるところを、 今いまより よくする
向上こうじょう ↓ 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつ・ 質しつなどを、 今いまより もっと高たかくする
回復かいふく ↓ 悪わるくなった 状態じょうたいや 低下ていかした 機能きのうが、 前まえの 状態じょうたいに 戻もどったり 近ちかづいたりする
💡 「どこから、どこへ?」で 考かんがえると
改善かいぜん よくない状態じょうたい → よりよい状態じょうたい → 「よくないところを、よくする」
向上こうじょう 今いまの 状態じょうたい → もっと高たかい 状態じょうたい → 「今いまよりもっと上うえへ」
回復かいふく 悪わるくなった・ 低下ていかした → 前まえの 状態じょうたいへ → 「前まえの 状態じょうたいに 戻もどる・近ちかづく」
例れいで 見みてみよう
歩行機能ほこうきのうを 改善かいぜんする。 ↓ 歩あるく 機能きのうの よくないところを、 今いまよりよくする
介護技術かいごぎじゅつを 向上こうじょうさせる。 ↓ 介護かいごの 技術ぎじゅつを 今いまより もっと高たかくする
体調たいちょうが 回復かいふくする。 ↓ 悪わるかった 体調たいちょうが よくなり、 前まえの 状態じょうたいに 戻もどっていく
「何なにが?」 と一緒いっしょに 覚おぼえよう
改善かいぜん
機能きのうの 改善かいぜん
症状しょうじょうの 改善かいぜん
住環境じゅうかんきょうの 改善かいぜん
関係かんけいの 改善かいぜん
向上こうじょう
生活せいかつの 質しつの 向上こうじょう
技術ぎじゅつの 向上こうじょう
能力のうりょくの 向上こうじょう
資質ししつの 向上こうじょう
回復かいふく
体調たいちょうの 回復かいふく
機能きのうの 回復かいふく
回復期かいふくき
回復力かいふくりょく
★ ここが大切たいせつ! 「何なにが、どう変かわる?」
改善かいぜん 問題もんだいや よくない状態じょうたいを よくする → 「よくないところはどこ?」
向上こうじょう 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつ・ 質しつなどを 今いまより 高たかくする → 「何なにをもっと 高たかくする?」
回復かいふく 悪わるくなった 状態じょうたいから、 前まえの 状態じょうたいに 戻もどったり 近ちかづいたりする → 「前まえは どんな状態じょうたいだった?」
💡 「改善かいぜん」と 「回復かいふく」は 意味いみが 近ちかくなることがあります

たとえば、 身体機能しんたいきのうについては、 「改善かいぜん」と 「回復かいふく」の どちらも 使つかわれることがあります。

身体機能しんたいきのうを 改善かいぜんする
↓
今いまより よくすることに注目ちゅうもく

身体機能しんたいきのうが 回復かいふくする
↓
低下ていかした 機能きのうが 前まえの 状態じょうたいに 近ちかづくことに注目ちゅうもく

3つの言葉ことばを 完全かんぜんに 分わけるのではなく、 文ぶんの 中なかで 何なにが どう変かわるのか を見みましょう。

試験しけんで 見みることがある 形かたち
改善かいぜん
○○を 改善かいぜんする
○○の 改善かいぜん
改善かいぜんを 図はかる
向上こうじょう
○○が 向上こうじょうする
○○を 向上こうじょうさせる
○○の 向上こうじょうに 努つとめる
回復かいふく
○○が 回復かいふくする
○○の 回復かいふく
回復かいふくが 期待きたいできる
回復期かいふくき

2.過去問かこもんではどう 使つかわれる?

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」は、 介護かいごや 生活せいかつ、 健康けんこうに 関かんする 文章ぶんしょうで 使つかわれています。

言葉ことばを 見みつけたら、 「何なにが 改善かいぜん・ 向上こうじょう・ 回復かいふくするのか」 に注目ちゅうもくしましょう。

第だい38回かい 問題もんだい38・ 選択肢せんたくし2
実際じっさいの 文章ぶんしょう
移動いどうの 目的もくてきを 伝つたえるよりも、 歩行機能ほこうきのうの 改善かいぜん を優先ゆうせんする。
「歩行機能ほこうきのうの 改善かいぜん」とは?
歩行機能ほこうきのうの 改善かいぜん ↓ 歩あるく 機能きのうの よくないところを、 今いまより よくすること
この文章ぶんしょうでは ここを確認かくにん
何なにを? → 歩行機能ほこうきのう
どうする? → 今いまより よくする
💡 「改善かいぜん」 = 正ただしい 選択肢せんたくし、ではない

「改善かいぜん」は よい意味いみに 見みえますが、 試験しけんでは 「何なにを 改善かいぜんするか」 だけでなく、 「それを優先ゆうせんすることが 適切てきせつか」 まで読よみます。

第だい38回かい 問題もんだい3・ 選択肢せんたくし3
実際じっさいの 文章ぶんしょう
導入どうにゅうすることによって、 利用者りようしゃの 自立支援じりつしえんや 生活せいかつの 質しつの 向上こうじょう が期待きたいされる。
「生活せいかつの 質しつの 向上こうじょう」とは?
生活せいかつの 質しつの 向上こうじょう ↓ 生活せいかつの 質しつが 今いまより もっとよくなること
💡 「向上こうじょう」は 質しつや 能力のうりょくなどと 使つかわれる

「向上こうじょう」は、 今いまある 質しつ・ 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつなどを、 さらによくしたり、 高たかくしたりする ときに使つかわれます。

第だい38回かい 問題もんだい27・ 選択肢せんたくし4
実際じっさいの 文章ぶんしょう
介護技術かいごぎじゅつの 向上こうじょう に努つとめること
「介護技術かいごぎじゅつの 向上こうじょう」とは?
介護技術かいごぎじゅつの 向上こうじょう ↓ 介護かいごの 技術ぎじゅつを 今いまより もっと高たかくすること
💡 同おなじ 「向上こうじょう」でも 何なにが 向上こうじょうするかを 見みる

第だい38回かいでは、 「生活せいかつの 質しつの 向上こうじょう」と 「介護技術かいごぎじゅつの 向上こうじょう」の 両方りょうほうが 使つかわれています。

第だい37回かい 問題もんだい9
実際じっさいの 文章ぶんしょう
その後ご、 体調たいちょうは 回復かいふくした が、 再就職先さいしゅうしょくさきが なかなか見みつからなかった。
「体調たいちょうが 回復かいふくする」とは?
体調たいちょうが 回復かいふくする ↓ 悪わるかった 体調たいちょうが よくなり、 前まえの 状態じょうたいに 戻もどったり 近ちかづいたりする
「回復かいふく」では 前まえの 状態じょうたいを 考かんがえる
前まえは? → 体調不良たいちょうふりょうが 続つづいていた
その後ごは? → 体調たいちょうが よくなった
過去問かこもんの 使つかわれ方かたを 整理せいりすると
改善かいぜん → 歩行機能ほこうきのうや 住環境じゅうかんきょうなどの よくないところを、よりよくする
向上こうじょう → 生活せいかつの 質しつや 介護技術かいごぎじゅつなどを 今いまよりもっと よくする・高たかくする
回復かいふく → 体調たいちょうや 機能きのうなどが 悪わるくなった 状態じょうたいから よくなっていく
過去問かこもんからわかるポイント

3つとも「よくなる」ことに 関係かんけいしますが、 「何なにが?」 「もともと、どんな状態じょうたい?」 「どのように変かわる?」 を確認かくにんすると、 意味いみを 理解りかいしやすくなります。

3.問題もんだいを 解とくときのポイント

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」が 出でたら、 まず 「何なにが 変かわるのか」 を確認かくにんしましょう。

そのあと、 「もともと、どんな 状態じょうたいだった?」 「どこへ変かわる?」 と考かんがえると、 3つの言葉ことばを 理解りかいしやすくなります。

💡 まずはこの3つを 確認かくにん
① 何なにが? ↓ 機能きのう? 体調たいちょう? 技術ぎじゅつ? 生活せいかつの 質しつ?
② もともと、どんな 状態じょうたい? ↓ よくない? 低下ていかしている? それとも今いまより もっと高たかくしたい?
③ どこへ変かわる? ↓ よりよくする? もっと高たかくする? 前まえの 状態じょうたいに 戻もどる?
4つの順番じゅんばんで 読よもう
1
「何なにが?」を 探さがす 歩行機能ほこうきのう・ 生活せいかつの 質しつ・ 介護技術かいごぎじゅつ・ 体調たいちょうなど
2
今いまはどんな 状態じょうたい? 問題もんだいがある? 低下ていかした? それとも今いまより もっとよくしたい?
3
どこへ変かわる? よくする? 高たかくする? 前まえの 状態じょうたいへ 戻もどる?
4
文全体ぶんぜんたいを 読よんで 判断はんだんする 「よい意味いみの 言葉ことばだから 正解せいかい」 と決きめない
「変化へんかの 方向ほうこう」で 読よみ分わけよう
改善かいぜん 問題もんだいや よくない状態じょうたいを よくする → よくない 状態じょうたい → よりよい 状態じょうたい
向上こうじょう 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつ・ 質しつなどを 今いまより 高たかくする → 今いまの 状態じょうたい → もっと高たかい 状態じょうたい
回復かいふく 悪わるくなった 状態じょうたいや 低下ていかした 機能きのうが よくなっていく → 低下ていかした 状態じょうたい → 前まえの 状態じょうたいに 戻もどる・ 近ちかづく
やさしい言葉ことばに 読よみ換かえよう
住環境じゅうかんきょうを 改善かいぜんする ↓ 生活せいかつしにくいところなどを、 より生活せいかつしやすくする
介護技術かいごぎじゅつを 向上こうじょうさせる ↓ 介護かいごの 技術ぎじゅつを 今いまより もっと高たかくする
体調たいちょうが 回復かいふくする ↓ 悪わるかった 体調たいちょうが よくなっていく
「何なにが?」にも 注目ちゅうもくしよう
改善かいぜん 機能きのう・ 症状しょうじょう・ 環境かんきょうなど
向上こうじょう 質しつ・ 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつ・ 資質ししつなど
回復かいふく 体調たいちょう・ 機能きのう・ 状態じょうたいなど
「改善かいぜん」と 「回復かいふく」は 近ちかい意味いみになることもあります

身体機能しんたいきのうなどについては、 「改善かいぜん」と 「回復かいふく」の どちらも使つかわれることがあります。

身体機能しんたいきのうを 改善かいぜんする
↓
今いまより よくすることに注目ちゅうもく

身体機能しんたいきのうが 回復かいふくする
↓
低下ていかした 機能きのうが 前まえの 状態じょうたいに 近ちかづくことに注目ちゅうもく

「改善かいぜんか 回復かいふくか」 だけを考かんがえるのではなく、 文全体ぶんぜんたいで 意味いみを 確認かくにんしましょう。

⚠ 「よくする」言葉ことば = 正解せいかい、ではありません

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」は、 どれもよい変化へんかを 表あらわすことが 多おおい 言葉ことばです。

しかし、 介護かいごの 問題もんだいでは、 よくすることだけを 優先ゆうせんすればよいとは 限かぎりません。

歩行機能ほこうきのうを 改善かいぜんする
↓
改善かいぜんすることは よいこと
↓
でも、 本人ほんにんの 目的もくてきや 希望きぼうより 優先ゆうせんしてよい?

「何なにを よくするのか」 + 「その考かんがえや 方法ほうほうは 適切てきせつか」 まで確認かくにんしましょう。

問題もんだいではこの順番じゅんばん

① 何なにが?
↓
② もともと、どんな 状態じょうたい?
↓
③ どこへ 変かわる?
↓
④ その変化へんかや 方法ほうほうは 問題もんだいの 場面ばめんで 適切てきせつ?

4.まとめ

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」は、 どれも よい方向ほうこうへの 変化へんか を表あらわす 言葉ことばです。

3つの言葉ことばを 確認かくにん
改善かいぜん ↓ よくない状態じょうたいや 問題もんだいがあるところを、 今いまよりよくする
向上こうじょう ↓ 能力のうりょく・ 技術ぎじゅつ・ 質しつなどを、 今いまより もっと高たかくする
回復かいふく ↓ 悪わるくなった 状態じょうたいや 低下ていかした 機能きのうが、 前まえの 状態じょうたいに 戻もどったり 近ちかづいたりする
変化へんかの 方向ほうこうで 覚おぼえよう
改善かいぜん よくない → よりよい → 「よくないところを、よくする」
向上こうじょう 今いま → もっと高たかい → 「今いまよりもっと上うえへ」
回復かいふく 低下ていかした → 前まえの 状態じょうたいへ → 「前まえの 状態じょうたいに 戻もどる・ 近ちかづく」
💡 「改善かいぜん」と 「回復かいふく」は 近ちかい意味いみになることもあります

たとえば、 身体機能しんたいきのうでは、 「改善かいぜん」と 「回復かいふく」の どちらも使つかわれることがあります。

改善かいぜん = 今いまよりよくすることに 注目ちゅうもく
回復かいふく = 低下ていかした 状態じょうたいから 戻もどることに 注目ちゅうもく

と考かんがえると 理解りかいしやすくなります。

試験しけんではここを 確認かくにん

「改善かいぜん」 「向上こうじょう」 「回復かいふく」が 出でたら、 「何なにが、 どのように変かわる?」 を確認かくにんして 読よみましょう。