生活支援技術
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問題53
Aさん(83歳,男性,要介護1)は,一人暮らしで,少額の年金で生活している。Aさんは軽度の認知症(dementia)と診断を受けている。近所には親しくしている人が複数人いる。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,近所のスーパーで購入した未開封の健康食品が山積みになっていた。Aさんが財布を持ってきて,「買いたいものがたくさんあるが,お金が足りない。どうしたらよいか」と訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
このときの訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「お金は足りているから安心して大丈夫ですよ」と伝える。
2 近所の親しい人に,財布を預かってもらえるか,聞いてみる。
3 鍵付きの引き出しに財布を入れ,訪問介護員(ホームヘルパー)が鍵を管理する。
4 「お金の使い方について,一緒に考えてみませんか」と提案する。
5 健康食品のクーリング・オフを勧める。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題53
認知症のある利用者の金銭管理への対応に関する問題です。
答えは、「4」です。
Aさんは「お金が足りなくて困っている」と自らヘルパーに相談しています。まずは本人の不安な気持ちを受け止め、自己決定を尊重しながら一緒に考えていく姿勢が大切です。
1 「お金は足りているから安心して大丈夫ですよ」と伝える。
【×】誤りです。「お金が足りなくて困っている」というAさんに一方的に「大丈夫」といっても不安は解消されません。まずはAさんの不安を受け止めることが大切です。
2 近所の親しい人に,財布を預かってもらえるか,聞いてみる。
【×】誤りです。親しい近所の人でも、本人のお金を預けることはトラブルにつながる可能性があります。必要な場合は、家族、ケアマネジャー、成年後見制度など、正式な支援につなげることが大切です。
3 鍵付きの引き出しに財布を入れ,訪問介護員(ホームヘルパー)が鍵を管理する。
【×】誤りです。介護福祉職が利用者のお金を管理すると、紛失や金銭トラブルの原因になります。また、本人の財産を本人の意思で使えない状態になり、権利を奪うことになります。
4 「お金の使い方について,一緒に考えてみませんか」と提案する。
【○】正しい選択肢です。Aさんは、「買いたいものがあるが,お金が足りない。どうしたらよいか」と相談しています。まずは、介護福祉職が勝手に判断をするのではなく、本人と一緒に考え、本人の自己決定を尊重する姿勢が大切です。
5 健康食品のクーリング・オフを勧める。
【×】誤りです。クーリング・オフとは、商品を買った後に、一定期間内であれば理由なしで契約を取り消せる制度です。しかし、Aさんは近所のスーパーで健康食品を購入しており、これは一般的にクーリング・オフの対象になりません。