医療的ケア
問題59
次の記述のうち,成人に対する救急蘇生法での胸骨圧迫の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 呼吸が確認できない場合は,すぐに圧迫を始める。
2 圧迫する部位は,胸骨の左側である。
3 実施者の両手を重ねて,指先で圧迫する。
4 圧迫の深さは,胸が10cm沈むようにする。
5 1分間に60回を目安に圧迫する。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題59(解答と解説)
救急蘇生法の胸骨圧迫の方法に関する問題です。
答えは、「1」です。
救急蘇生法とは、心臓や呼吸が止まった人に対して行う応急手当で、胸骨圧迫や人工呼吸などを行い、命を助けるための方法です。
今回は、心臓が止まった人の胸を強く押して、血液を全身に送る応急手当である、胸骨圧迫に関する問題です。
1 呼吸が確認できない場合は,すぐに圧迫を始める。
【○】正しい選択肢です。意識・呼吸を確認し、呼吸が確認できない場合は、すぐに胸骨圧迫を開始します。
2 圧迫する部位は,胸骨の左側である。
【×】誤りです。圧迫する部位は、胸骨下半分です。
3 実施者の両手を重ねて,指先で圧迫する。
【×】誤りです。両手を重ねて,手の根元で圧迫します。
4 圧迫の深さは,胸が10cm沈むようにする。
【×】誤りです。圧迫の深さは,胸が5cm沈む程度です。
5 1分間に60回を目安に圧迫する。
【×】誤りです。適切な回数は、1分間に100回~120回です。
#救急蘇生法 #胸骨圧迫 #心臓マッサージ
問題60
次の記述のうち,痰を喀出する仕組みに関するものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 呼吸器官の内部は乾燥した状態になっている。
2 気管の内部の表面には絨毛があり,分泌物の侵入を防いでいる。
3 分泌物は,咽頭で吸収される。
4 痰は,咳や咳払いによって排出される。
5 咳は,下垂体にある咳中枢によっておこる反射運動である。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題60(解答と解説)
痰を出す仕組みに関する問題です。
答えは、「4」です。
痰は、気道にたまった異物や細菌を外に出すための分泌物です。咳をすることで、胸やお腹の筋肉が動き、気道の圧力が高まり、痰が口から出されます。
1 呼吸器官の内部は乾燥した状態になっている。
【×】誤りです。気道の内部は、粘液がついているため、適度な湿度がある状態です。
2 気管の内部の表面には絨毛があり,分泌物の侵入を防いでいる。
【×】誤りです。気管内部には、繊毛があり、気管に入ってきた異物を粘液とともに体外へ運び出す役割を担っています。
3 分泌物は,咽頭で吸収される。
【×】誤りです。分泌物は、咳をすることで排出されます。
4 痰は,咳や咳払いによって排出される。
5 咳は,下垂体にある咳中枢によっておこる反射運動である。
【×】誤りです。咳中枢は、脳幹の延髄にあります。
問題61
次の記述のうち,介護福祉士が行う口腔内の喀痰吸引の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 吸引圧は,利用者の体調によって介護福祉士が決める。
2 吸引圧をかけた状態で,吸引チューブを挿入する。
3 口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
4 吸引チューブを回転させながら痰を吸引する。
5 吸引後は洗浄水を吸引し,清浄綿でチューブを拭く。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題61(解答と解説)
口腔内の喀痰吸引の方法に関する問題です。
答えは、「4」です。
1 吸引圧は,利用者の体調によって介護福祉士が決める。
【×】誤りです。喀痰吸引は医師の指示に基づいて行われる医療行為です。吸引圧は医師の指示に従います。
2 吸引圧をかけた状態で,吸引チューブを挿入する。
【×】誤りです。吸引圧は、吸引チューブを挿入後にかけます。
3 口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
【×】誤りです。口蓋垂は、のどの奥の部分です。吸引チューブの挿入は、咽頭より手前までです。
4 吸引チューブを回転させながら痰を吸引する。
【○】正しい選択肢です。吸引チューブを回転させることで、痰がからみやすくなります。
5 吸引後は洗浄水を吸引し,清浄綿でチューブを拭く。
【×】誤りです。吸引後は、内部を洗浄水で洗い流し、外側はアルコール綿で拭きます。
問題62
次の記述のうち,消化器症状の説明として,正しいものを1つ選びなさい。
1 腹部膨満感は,腹部が張る感覚のことである。
2 しゃっくり(吃逆)は,胸膜の刺激で起こる現象である。
3 胸やけは,飲食物による食道の熱傷のことである。
4 げっぷ(噯気)は,咽頭にたまった空気が排出されることである。
5 嘔気は,胃や腸の内容物が,食道を逆流して口外に吐き出されることである。
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問題62(解答と解説)
消化器症状に関する問題です。
答えは、「1」です。
1 腹部膨満感は,腹部が張る感覚のことである。
【○】正しい選択肢です。ガスや便がたまるなどが原因です。
2 しゃっくり(吃逆)は,胸膜の刺激で起こる現象である。
【×】誤りです。しゃっくりは、胸膜ではなく横隔膜やその周辺の神経の刺激によって起こる現象です。
3 胸やけは,飲食物による食道の熱傷のことである。
【×】誤りです。胸やけは胃酸などの胃の内容物が食道に逆流することによる刺激のことです。
4 げっぷ(噯気)は,咽頭にたまった空気が排出されることである。
【×】誤りです。げっぷは胃にたまった空気が食道を通って口から排出されることです。
5 嘔気は,胃や腸の内容物が,食道を逆流して口外に吐き出されることである。
【×】誤りです。嘔気は実際に吐くことではなく、吐きそうな感じがする状態のことです。
問題63
Aさん(80歳,女性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害もあるため,経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが,経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると,チューブを触りながら,「自分の口から食べたいから,このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し,チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
2 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
3 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
4 Aさんに胃ろうの造設を提案する。
5 Aさんに経口摂取を提案する。
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問題63(解答と解説)
訴えがある利用者への介護福祉職の対応に関する問題です。
答えは、「3」です。
1 チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
【×】誤りです。身体を固定すると、Aさんはさらにイライラすることにつながる可能性があるため、適切な対応とはいえません。
2 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
【×】誤りです。経管栄養は医師の指示に基づいて行われる医療行為です。滴下速度は医師の指示に従います。
3 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
【○】正しい選択肢です。Aさんは口から食べたいことなどを強く訴えているため、Aさんの気持ちをまずは代弁して、医師や看護師に伝えることが最も適切な対応といえます。
4 Aさんに胃ろうの造設を提案する。
【×】誤りです。胃ろうの造設は、Aさんと医師の間で検討されるもので、介護福祉職が提案するものではありません。
5 Aさんに経口摂取を提案する。
【×】誤りです。経管栄養は医師の指示に基づいて行われる医療行為です。医師が嚥下状態等を確認し提案するものです。
科目別過去問|8.医療的ケア
どんな問題もんだいが出でる?
利用者りようしゃの重度化じゅうどかに伴ともない、介護職かいごしょくも一部医療的いちぶいりょうてきケ...