国家試験の問題を解くために必要な文法をしっかりおさえましょう。
1.「~ことがある」の
意味
「~ことがある」は、
いつもではないけれど、ときどき~する・~になる
ことを表します。
意味
毎回ではないが、
ときどき~する・~になる
💡 やさしい
日本語で
考えると…
「ときどき~する」
「たまに~する」
「~ことがある」が
難しいときは、
まず
「ときどき~」
と言いかえて
読んでみましょう。
例
電車で
寝る
ことがあります。
↓
ときどき
電車で
寝ます。
意味の
違いを
比べてみよう
いつも
いつも
電車で
寝ます。
→ 毎回のように、
電車で
寝ます。
ときどき
ときどき
電車で
寝ます。
→ 寝る
時もありますが、
寝ない
時もあります。
「電車で
寝ることがあります」は、
「ときどき
電車で
寝ます」
という意味です。
「いつも
寝る」
という意味ではありません。
ポイント
「~ことがある」を
見たら、
「ときどき~する」
と考えましょう。
大切なのは、
毎回ではない
ということです。
3.どんなときに
使う?
「~ことがある」は、
いつもではないけれど、ときどき
起こること
を表すときに
使います。
ポイント:
行動だけでなく、
体の
状態や
気持ち、
自然に
起こることにも
使うことができます。
① 行動・
習慣
ときどきする
行動や
習慣について
話すときに
使います。
例
仕事のあと、
友達と
食事を
することがあります。
→
ときどき、
仕事のあとに
友達と
食事をします。
② 体の
状態
ときどき
起こる
体の
変化や
状態を
表すときにも
使います。
例
寒い
日は、
手が
痛く
なることがあります。
→
寒い
日は、
ときどき
手が
痛くなります。
③ 気持ち
ときどき
感じる
気持ちについて
話すときにも
使います。
例
家族のことを
考えると、
寂しく
なることがあります。
→
家族のことを
考えると、
ときどき
寂しくなります。
④ 起こること
天気など、
ときどき
自然に
起こることを
表すときにも
使います。
例
冬は、
東京でも
雪が
降ることがあります。
→
冬は、
東京でも
ときどき
雪が
降ります。
4つに共通していること
「~ことがある」は、
毎回ではなく、
「ときどき
起こること」を
表します。
覚えておこう
「~ことがある」は、
人がする
行動だけに
使う
表現ではありません。
体の
状態、
気持ち、
天気などにも
使うことができます。
文を
読むときは、
「いつもではなく、ときどき
起こる」
と考えてみましょう。
4.例文で
確認しよう
「~ことがある」が
文の
中でどのように
使われるのか、
例文で
確認しましょう。
読むときのポイント:
「~ことがある」を
「ときどき~」
に言いかえて、
意味を
考えてみましょう。
例文 ①
休みの
日は、
近くの
公園を
散歩する
ことがあります。
↓
やさしい日本語
休みの
日は、
ときどき
近くの
公園を
散歩します。
文の
形:
散歩する
+ ことがある
例文 ②
忙しい
朝は、
朝ごはんを
食べない
ことがあります。
↓
やさしい日本語
忙しい
朝は、
ときどき
朝ごはんを
食べません。
文の
形:
食べない
+ ことがある
例文 ③
長い
時間
歩くと、
足が
痛くなる
ことがあります。
↓
やさしい日本語
長い
時間
歩くと、
ときどき
足が
痛くなります。
文の
形:
痛くなる
+ ことがある
例文 ④
家族の
写真を
見ると、
寂しくなる
ことがあります。
↓
やさしい日本語
家族の
写真を
見ると、
ときどき
寂しい
気持ちになります。
文の
形:
寂しくなる
+ ことがある
例文 ⑤
冬は、
東京でも
雪が
降る
ことがあります。
↓
やさしい日本語
冬は、
東京でも
ときどき
雪が
降ります。
文の
形:
降る
+ ことがある
例文 ⑥
疲れていると、
夜中に
目が
覚める
ことがあります。
↓
やさしい日本語
疲れていると、
ときどき
夜中に
目が
覚めます。
文の
形:
目が
覚める
+ ことがある
例文を
読むときは、
ここを確認しよう
① 「~ことがある」を
「ときどき~」に
言いかえられますか?
② 「ことがある」の
前の
動詞は、
辞書形ですか?
ない形ですか?
③ 毎回ではなく、
ときどき
起こることだと
考えられますか?
例文を
読むときのポイント
「~ことがある」は、
人の
行動
だけではなく、
体の
状態、
気持ち、
自然に
起こることにも
使われます。
文の
中で
見つけたら、
「ときどき~」
と言いかえてみましょう。
5.一緒に
使う
言葉に
注意しよう
「~ことがある」は、
いつもではなく、ときどき~する
という意味です。
基本の
考え
方
「~ことがある」と
一緒に
使う
言葉は、
「いつもではない」
という意味に
合うものを
選びます。
一緒に
使える
言葉
ときどき
「ときどき」は、
「~ことがある」の
意味と
よく合います。
ときどき
夜中に
目が
覚めることがあります。
たまに
「たまに」は、
回数が
少ないことを
表します。
たまに
外で
食事を
することがあります。
基本的に
一緒に
使わない
言葉
よく
「よく」は、
回数が
多いことを
表します。
「~ことがある」は、
ときどき起こること
を表すため、
N3の文法では
「よく」とは
基本的に
一緒に
使わない
と覚えましょう。
いつも
「いつも」は、
毎回
という意味です。
「~ことがある」の
「いつもではない」
という意味とは
合わないため、
基本的に
一緒に
使いません。
注意
「よく」や「いつも」という
言葉
自体が
間違いという
意味ではありません。
「~ことがある」の
「ときどき~する」
という意味と
合いにくいため、
この文法では
基本的に
使わない、
と覚えましょう。
整理して
覚えよう
ときどき
→ 「~ことがある」と
一緒に
使える
たまに
→ 「~ことがある」と
一緒に
使える
よく
→ 頻度が
高いため、
基本的に
一緒に
使わない
いつも
→ 「毎回」という
意味なので、
基本的に
一緒に
使わない
試験では、
この基本を
覚えておこう
「~ことがある」は、
「いつもではなく、ときどき~する」
という意味です。
そのため、
「ときどき」「たまに」
とは一緒に
使えます。
「よく」「いつも」
など、
頻度が
高い
言葉とは、
基本的に
一緒に
使わないと
覚えましょう。
6.「~こともある」も
覚えよう
「~ことがある」の「が」が「も」になって、
「~こともある」
という形になることがあります。
「~こともある」は、
「そういう
場合もある」
という意味を
表します。
「~ことがある」と
意味は
よく似ています。
~ことがある
→ ときどき~する
例
忙しい
日は、
昼ごはんを
食べない
ことがあります。
→
ときどき
昼ごはんを
食べません。
~こともある
→ そういう場合もある
例
忙しい
日は、
昼ごはんを
食べない
こともあります。
→
昼ごはんを
食べない
場合もあります。
「も」には、どんな
意味がある?
「いつもそうではないけれど、
そういう場合もある」
という気持ちを
表すときに、
「~こともある」を
使います。
例文で
確認しよう
仕事が
忙しいと、
帰る
時間が
遅くなる
こともあります。
→ 帰る
時間が
遅くなる
場合もあります。
疲れていると、
夜中に
目が
覚める
こともあります。
→ 夜中に
目が
覚める
場合もあります。
体調によっては、
食事を
全部
食べられない
こともあります。
→ 食事を
全部
食べられない
場合もあります。
覚え
方
~ことがある
→ 「ときどき~する」
~こともある
→ 「そういう
場合もある」
文章の
中で
「~こともある」を
見つけたら、
「そういう
場合もある」
と言いかえて
読んでみましょう。
7.「~たことがある」と
何が
違う?
「~ことがある」と
「~たことがある」は、
形が
似ていますが、
意味は
違います。
大切なのは、
「ことがある」の
前にある
動詞の
形です。
辞書形なら
「ときどき~する」、
た形なら
「~した
経験がある」
と考えましょう。
~ことがある
辞書形
+
ことがある
意味:
ときどき~する
例
仕事で
大阪へ
行くことがあります。
→
ときどき
仕事で
大阪へ
行きます。
~たことがある
た形
+
ことがある
意味:
~した経験がある
例
大阪へ
行ったことがあります。
→
今までに
大阪へ
行った
経験があります。
3つの形を
比べてみよう
行ったことがある
→
行った
経験がある
「ことがある」の
前を
見よう
食べる
ことがある
→ ときどき
食べる
食べない
ことがある
→ ときどき
食べない
食べた
ことがある
→ 食べた
経験がある
💡 試験では
見間違えないように
注意
問題文が
長いと、
「ことがある」だけを
見て
意味を
決めてしまうことがあります。
「ことがある」の
前の
動詞まで
確認する
ことが
大切です。
覚え
方
辞書形
+ ことがある
→ ときどき~する
ない形
+ ことがある
→ ときどき~しない
た形
+ ことがある
→ ~した
経験がある
形が
少し
変わるだけで
意味が
変わるので、
動詞の
形
に注目しましょう。
8.試験ではどう
使われる?
「~ことがある」は、
資格試験の
問題文や
事例文でも
よく使われます。
試験では、
「いつもそうなのか」
「ときどきそうなのか」を
正しく
読むことが
大切です。
「~ことがある」を
見つけたら、
まず
「ときどき~」
に言いかえて
考えてみましょう。
実際の
試験では、
こんな形で
使われています
第33回
(問題121)
試験で
使われている
表現
注意されると
イライラし、
パニックになることがある
。
やさしい
日本語にすると…
→
注意されると、
ときどき
パニックになります。
「パニックになることがある」は、
毎回
パニックになる
という意味ではありません。
「パニックになる
時もある」
という意味です。
文の
形:
パニックになる
+ ことがある
第32回
(総合問題3・
事例文)
試験で
使われている
表現
Bさんは、
服薬を
忘れることがある
。
やさしい
日本語にすると…
→
Bさんは、
ときどき
薬を
飲むことを
忘れます。
「服薬を
忘れることがある」は、
いつも
薬を
忘れる
という意味ではありません。
ときどき
薬を
飲むことを
忘れるため、
飲み
忘れがないか
確認しています。
文の
形:
忘れる
+ ことがある
第31回
(問題51)
試験で
使われている
表現
遠慮して、
下着の
交換を
申し
出ないことがある
。
やさしい
日本語にすると…
→
遠慮して、
ときどき
下着を
交換してほしいと
言わないことがあります。
この文では、
「ことがある」の
前が
「申し
出ない」
になっています。
これは
ない形
+ ことがある
なので、
「ときどき
申し
出ない」
という意味になります。
文の
形:
申し
出ない
+ ことがある
試験問題で
「~ことがある」を
見つけたら
1
「ことがある」の
前の
動詞を
確認する
2
辞書形なら、
「ときどき~する」
と考える
3
ない形なら、
「ときどき~しない」
と考える
4
「いつも・毎回」
という意味ではない
ことを確認する
⚠ 「~たことがある」と
間違えないように
注意
忘れることがある
→ ときどき
忘れる
忘れたことがある
→
忘れた
経験がある
「ことがある」だけを
見ないで、
前の
動詞の
形
まで
確認しましょう。
💡 文法がわかると、
事例文の
意味も
読み
取りやすくなる
試験では、
「いつもそうしている」のか、
「ときどきそうする」のかによって、
利用者の
状態の
理解が
変わることがあります。
「~ことがある」を
見つけたら、
「いつもではない。ときどき~する」
と
考えて
読みましょう。
9.まとめ
「~ことがある」の
意味と
使い
方を
最後に
確認しましょう。
いちばん大切な
意味
「~ことがある」
=
「いつもではなく、ときどき~する」
一緒に
使う
言葉にも
注意しよう
ときどき・たまに
→ 「~ことがある」と
一緒に
使える
よく・いつも
→ 頻度が
高いため、
基本的に
一緒に
使わない
「~たことがある」と
間違えないようにしよう
行くことがある
→ ときどき
行く
行かないことがある
→ ときどき
行かない
行ったことがある
→
行った
経験がある
💡 試験問題で
見つけたら
① 「ことがある」の
前の
動詞を
確認する
② 辞書形なら
「ときどき~する」
と考える
③ ない形なら
「ときどき~しない」
と考える
④ た形なら
「~した
経験がある」
と考える
⑤
「いつも・毎回」
という意味ではない
ことを確認する
「~ことがある」は、
日常会話だけでなく、
説明文や
事例文、
資格試験などでも
よく使われます。
文章で
「~ことがある」を
見つけたら、
「いつもではなく、ときどき~」
と言いかえて
読んでみましょう。