個別問題

【第36回試験】問題120(総合問題3)

総合問題そうごうもんだい

つぎ事例じれいんで、問題もんだい120から問題もんだい122までについてこたえなさい。

事例じれい

Eさん(34さい女性じょせい障害支援区分しょうがいしえんくぶん3)は,特別支援学校とくべつしえんがっこう高等部こうとうぶ卒業後そつぎょうごしゅう2かい生活介護せいかつかいご利用りようしながら自宅じたく生活せいかつしている。Eさんはアテトーゼがた(athetosis)の脳性麻痺のうせいまひ(cerebral palsy)で不随意運動ふずいいうんどうがあり,くび動作どうさられる。
食事しょくじくびうごきにわせて,自助具じじょぐ使つかってべている。食事中しょくじ不随意運動ふずいいうんどうつよく,食事しょくじわると,「くびいたい,しびれる」とってベッドによこになるときがある。
また,おちゃむときはつきのコップでんでいるが,コップを口元くちもとはこぶまでにおちゃがこぼれるようになってきた。日頃ひごろから自分じぶんのことは自分じぶんでやりたいとかんがえていて,おちゃ上手じょうずめなくなってきたことをにしている。
Eさんは,生活介護事業所せいかつかいごじぎょうしょ油絵あぶらえくことをたのしみにしている。以前いぜんから隣町となりまち油絵あぶらえ教室きょうしつかよ技術ぎじゅつたかめたいとはなしていた。そこでEさんは,「自宅じたくから油絵教室あぶらえきょうしつかようときの介助かいじょをおねがいするにはどうしたらよいか」と介護福祉職かいごふくししょく相談そうだんした。

問題もんだい120

Eさんの食事しょくじ様子ようすから,今後こんごこされる可能性かのうせいたかいとかんがえられる二次障害にじしょうがいとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 変形性股関節症へんけいせいこかんせつしょう(coxarthrosis)
2 廃用症候群はいようしょうこうぐん(disuse syndrome)
3 起立性低血圧きりつせいていけつあつ(orthostatic hypotension)
4 脊柱側弯症せきちゅうそくわんしょう(scoliosis)
5 頚椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょう(cervical spondylotic myelopathy)

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

解答かいとう解説かいせつ

問題もんだい120

現在げんざい病気びょうきとその症状しょうじょうからかんがえられる二次障害にじしょうがいかんがえる問題もんだいです。

こたえは、「」です。

まず、Eさんの脳性麻痺のうせいまひについて、確認かくにんしましょう。

脳性麻痺のうせいまひとは、受精じゅせいから出生直後しゅっしょうちょくご生後せいご4しゅうまで)ののう損傷そんしょうにより、運動機能うんどうきのう障害しょうがいしょうじる病気びょうきです。

手足てあしがこわばってかたくなる「痙直型けいちょくがた」と、不随意運動ふずいいうんどうが生じる「アテトーゼがた」、バランスがとりにくい「失調型しっちょうがた」、「混合型こんごうがた」に分類ぶんるいされます。

Eさんの場合ばあい不随意運動ふずいいうんどうがあるとの記述きじゅつから、アテトーゼがたかんがえられます。

不随意運動ふずいいうんどうとは、自分じぶん意思いしとは関係かんけいなく、からだ勝手かってうごいてしまうことです。

Eさんの食事中しょくじちゅう様子ようす注目ちゅうもくするのは、るふぃ部分ぶぶんです。

くび動作どうさられる。食事中しょくじ不随意運動ふずいいうんどうつよい。

1 変形性股関節症へんけいせいこかんせつしょう(coxarthrosis)

【×】あやまりです。変形性股関節症へんけいせいしつかんせつしょうは、股関節こかんせつ軟骨なんこつがすりり、いたみや関節かんせつうごきがわるくなる病気びょうきです。おも老化ろうか原因げんいんです。くび動作どうさとは関係かんけいがありません。

2 廃用症候群はいようしょうこうぐん(disuse syndrome)

【×】あやまりです。廃用症候群はいようしょうこうぐんは、身体しんたい活動性かつどうせいちた状態じょうたいつづくことで、身体的しんたいてき精神的せいしんてきこる、さまざまな悪影響あくえいきょう総称そうしょうです。Eさんは油絵あぶらえくことをたのしみにしているなど、活動状態かつどうじょうたいちていませんので適切てきせつではありません。

3 起立性低血圧きりつせいていけつあつ(orthostatic hypotension)

【×】あやまりです。起立性低血圧きりつせいていけつあつは、がるときゅう血圧けつあつがり、めまいやふらつきをかんじる症状しょうじょうです。めまいなどの記述きじゅつ事例文じれいぶんにはないため、適切てきせつではありません。

4 脊柱側弯症せきちゅうそくわんしょう(scoliosis)

【×】あやまりです。脊柱側弯症せきちゅうそくわんしょうは、背骨せぼね左右さゆうがってしまう疾患しっかんです。おも成長期せいちょうき発症はっしょうし、姿勢しせい変化へんか背中せなかいたみをともなうことがあります。Eさんのくび動作どうさいたみの二次障害にじしょうがいとしては適切てきせつではありません。

5 頚椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょう(cervical spondylotic myelopathy)

【○】ただしい選択肢せんたくしです。頚椎症性脊髄症けいついしょうせいせきずいしょうは、くびほね頚椎けいつい)が加齢かれいなどで変形へんけいし、脊髄せきずい圧迫あっぱくしてこる病気びょうきです。手足てあしのしびれや筋力低下きんりょくていか歩行困難ほこうこんなんなどがあらわれ、進行しんこうすると日常生活にちじょうせいかつ支障ししょうをきたすことがあります。Eさんは、くびおおきな負担ふたんがかかっているとかんがえられるため、年齢ねんれいからも二次障害にじしょうがいこされる可能性かのうせいたかいとかんがえます。

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