個別問題

【第34回試験】問題31(コミュニケーション技術)

コミュニケーション技術ぎじゅつ

つぎ事例じれいんで,問題もんだい31問題もんだい32 についてこたえなさい。

事例じれい

Kさん(83さい女性じょせい要介護ようかいご3)は,10年前ねんまえ脳出血のうしゅっけつ(cerebral hemorrhage)による後遺症こういしょう高次脳こうじのう機能きのう障害しょうがい(higher brain dysfunction)がある。感情かんじょうのコントロールがむずかしく,興奮こうふんすると大声おおごえをあげておこりだす。現在げんざいは,訪問介護ほうもんかいご(ホームヘルプサービス)を利用りようしながら,自宅じたく長男ちょうなん(60さい)と二人ふたりらしをしている。
長男ちょうなんは,会社かいしゃを3年前ねんまえ早期そうき退職たいしょくし,Kさんの介護かいご専念せんねんしてきた。顔色かおいろわるく,介護かいごによる疲労ひろううったえているが,「介護かいごつづけて,はは自宅じたく看取みとりたい」とつよ希望きぼうしている。別居べっきょしている長女ちょうじょは,長男ちょうなん様子ようす心配しんぱいして,「母親ははおや施設しせつ入所にゅうしょ手続てつづきをすすめたい」という意向いこうしめしている。

問題もんだい31

訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)が,興奮こうふんしているときのKさんとコミュニケーションをとるための方法ほうほうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 興奮こうふんしている理由りゆうくわしくく。
2 興奮こうふんすることはよくないと説明せつめいする。
3 冷静れいせいになるように説得せっとくする。
4 事前じぜん作成さくせいしておいた日課表にっかひょう沿って活動かつどうしてもらう。
5 場所ばしょ移動いどうして話題わだいえる。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

解答かいとう解説かいせつ

問題もんだい31

高次脳機能障害こうじのうきのうしょうがいのがあるひとへのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

障害しょうがいがあるひととのコミュニケーションでをつけることは、障害しょうがい影響えいきょうでできないこと、むずかしいことを理解りかいしてかかわるということです。

Kさんの場合ばあいは、高次機能障害こうじきのうしょうがい特徴とくちょうをしっかり理解りかいして対応しましょう。

高次機能障害こうじきのうしょうがいにみられる特徴とくちょう

記憶障害きおくしょうがい

予定よていなどをわすれたり、あたらしい出来事できごとおぼえていられなくなる。

注意障害ちゅういしょうがい

注意ちゅういつづかなかったり、同時どうじに2つ以上いじょうのことをすると混乱こんらんしてしまう。

遂行すいこう実行じっこう機能障害きのうしょうがい

まった方法ほうほうにこだわり、状況じょうきょうおうじた判断はんだんができないこと。また、にちじょう生活せいかつにおいて、計画けいかくして実行じっこうすることができない。

社会的しゃかいてき行動障害こうどうしょうがい

感情かんじょうをコントロールするのがむずかしく、感情かんじょう爆発ばくはつさせたり、依存いぞん退行たいこうよくうつなどの行動こうどうがみられる。

1 興奮こうふんしている理由りゆうくわしくく。

【×】あやまりです。感情かんじょうのコントロールがむずかしいのが特徴とくちょうです。興奮こうふんした状態じょうたい理由りゆうくのは適切てきせつではありません。

2 興奮こうふんすることはよくないと説明せつめいする。

【×】あやまりです。感情かんじょうのコントロールがむずかしいのが特徴とくちょうです。説明せつめいしたからといって、感情かんじょうがコントロールできるものではありません。

3 冷静れいせいになるように説得せっとくする。

【×】あやまりです。感情かんじょうのコントロールがむずかしいのが特徴とくちょうです。説得せっとく相手あいてめることにもまるので、適切てきせつではありません。

4 事前じぜん作成さくせいしておいた日課表にっかひょう沿って活動かつどうしてもらう。

【×】あやまりです。感情かんじょうのコントロールがむずかしいため、予定よていしていた活動かつどうをするのは困難こんなんです。

5 場所ばしょ移動いどうして話題わだいえる。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。環境かんきょうえることは、感情かんじょうちつかせることに効果こうかてきです。

#高次機能障害こうじきのうしょうがい