介護過程
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次の事例を読んで、問題112、問題113について答えなさい。
[事例]
Bさん(42歳,女性,障害支援区分3)は,知的障害があり,母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を,「見守りのもと,トイレで排泄ができる」としている。
しかし,最近,排泄のときに下着やズボンを汚してしまい,それをほかの利用者にからかわれ,しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。
ある日,事業所長が話しかけると,Bさんは,「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で,「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど,使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。
問題113
Bさんについて,個別支援会議が開催され,短期目標を,「排泄の自立(下着を汚さずに排泄する)(3か月)」とした。次の記述のうち,Bさんの短期目標を実現するために生活支援員がとる対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 定期的に,手順を理解できているか一緒に確認する。
2 自宅で排泄を済ませ,事業所で排泄しないように助言する。
3 母親の要望であると伝え,紙おむつを使うように助言する。
4 ポータブルトイレを設置し,そこで排泄をするように誘導する。
5 排泄に関する行為を,全介助にする。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題113
短期目標を実現するための生活支援員の対応を確認する問題です。
答えは、「1」です。
Bさんの短期目標は「排泄の自立(下着を汚さずに排泄する)(3か月)」です。
この短期目標を達成するために、生活支援員がどのような支援をするのが適切かを問う問題です。
Bさんは紙おむつを使いたくないという意向があるので、本人の意向を尊重し、自立を促す支援が重要です。
1 定期的に,手順を理解できているか一緒に確認する。
【○】正しい選択肢です。Bさんがトイレで排泄できるようになるためには、排泄の手順を一緒に確認し、理解度を定期的に確認することが大切です。本人の自立をサポートする適切な対応です。
2 自宅で排泄を済ませ,事業所で排泄しないように助言する。
【×】誤りです。短期目標に合っていないことはもちろん、排泄行為を我慢させるような発言はしてはいけません。
3 母親の要望であると伝え,紙おむつを使うように助言する。
【×】誤りです。Bさんは紙おむつを使いたくないという意向があります。本人の気持ちを尊重することが大切です。
4 ポータブルトイレを設置し,そこで排泄をするように誘導する。
【×】誤りです。ポータブルトイレを設置する方法は、排泄場所を限定することになり、トイレでの排泄自立を促す支援にはなりません。
5 排泄に関する行為を,全介助にする。
【×】誤りです。短期目標に合っていないため、適切ではありません。