介護過程
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次の事例を読んで、問題110、問題111について答えなさい。
[事例]
Aさん(78歳,男性,要介護1)は,一人暮らしで,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。その後,リハビリテーションを経て,自宅に戻った。利き手の右手に麻痺が残ったため,左手を使った調理の自立を目的に,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。サービス利用時は,訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら,孫からプレゼントされた包丁を使って,調理に取り組んでいた。 ある日,好物の牛肉をうまく押さえることができず,切ることができなかった。すると,Aさんは包丁を置き,部屋で横になってしまった。心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ,バイタルサインを確認したところ変化はなかった。Aさんは,「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも,もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。 次の日,Aさんは,「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。
問題111
訪問介護計画の修正を目的としたカンファレンスで,訪問介護員(ホームヘルパー)が提案する内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の代行
2 担当する訪問介護員(ホームヘルパー)の交代
3 配食サービスの利用
4 調理に関する福祉用具の活用
5 訪問回数の削減
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題111
訪問介護計画の修正に関する問題です。
答えは、「4」です。
この問題では、訪問介護計画を見直すためのカンファレンスで、訪問介護員(ホームヘルパー)がどのような提案をすればよいかを考えます。
Aさんは「調理の自立」を目指していますので、本人の希望を大切にしながら支援する視点が大切です。
1 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の代行
【×】誤りです。訪問介護員の調理の代行は、Aさんの調理の自立につならないため、適切ではありません。
2 担当する訪問介護員(ホームヘルパー)の交代
【×】誤りです。Aさんの課題は、訪問介護員との関係性によるものではありませんので、適切ではありません。
3 配食サービスの利用
【×】誤りです。配食サービスの利用は、Aさんの調理の自立につならないため、適切ではありません。
4 調理に関する福祉用具の活用
【○】正しい選択肢です。Aさんが左手だけでも安全に調理できるようになるように福祉用具を活用することが、自立につながります。
5 訪問回数の削減
【×】誤りです。訪問回数の削減は、Aさんの調理の機会を減らしてしまうことになるため、適切ではありません。