過去問(年度別)

【第37回試験】コミュニケーション技術(問題74~79)

コミュニケーション技術ぎじゅつ

問題もんだい74

つぎ記述きじゅつのうち,利用者りようしゃとのコミュニケーションの場面ばめんもちいる要約ようやく技法ぎほうとして,適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 ひらかれた質問しつもんをして,利用者りようしゃ気持きもちをあきらかにした。
2 共感きょうかんしながらはなしを聞き,利用者りようしゃ気持きもちをめた。
3 はなし途中とちゅうでうなずき,利用者りようしゃ気持きもちに同意どういした。
4 はなし内容ないよう総合的そうごうてきにまとめてかえし,利用者りようしゃ気持きもちを整理せいりした。
5 自己覚知じこかくちはかり,利用者りようしゃとの人間関係にんげんかんけい形成けいせいつとめた。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい74(解答かいとう解説かいせつ

要約ようやく技法ぎほうかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

要約ようやくとは、利用者りようしゃかたった経験けいけん行動こうどう感情かんじょう経過けいかみじかくまとめることで気持きもちや内容ないよう整理せいりし、共感きょうかん理解りかいしめ重要じゅうようなコミュニケーション技法ぎほうです。

1 ひらかれた質問しつもんをして,利用者りようしゃ気持きもちをあきらかにした。

【×】あやまりです。ひらかれた質問しつもんは、利用者りようしゃ自由じゆうはなしをさせることで利用者りようしゃかんがえをふかめる質問しつもん技法ぎほうです。

2 共感きょうかんしながらはなしを聞き,利用者りようしゃ気持きもちをめた。

【×】あやまりです。「共感的理解きょうかんてきりかい」の技法ぎほうかんする記述きじゅつです。

3 はなし途中とちゅうでうなずき,利用者りようしゃ気持きもちに同意どういした。

【×】あやまりです。うなづきは、利用者りようしゃ安心感あんしんかんあたえる技法ぎほうです。

4 はなし内容ないよう総合的そうごうてきにまとめてかえし,利用者りようしゃ気持きもちを整理せいりした。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。

5 自己覚知じこかくちはかり,利用者りようしゃとの人間関係にんげんかんけい形成けいせいつとめた。

【×】あやまりです。自己覚知じこかくちとは、自分自身じぶんじしん感情かんじょう行動こうどうかんがかた特徴とくちょう理解りかいすることです。利用者りようしゃとの人間関係にんげんかんけい形成けいせいには大切たいせつなことですが、要約ようやく技法ぎほうのことではありません。

#要約ようやく #自己覚知じこかくち #共感的理解きょうかんてきりかい

問題もんだい75

つぎ記述きじゅつのうち,利用者りようしゃ家族かぞく意向いこうことなるとき,家族かぞくとのコミュニケーションにおいて介護福祉職かいごふくしょく留意りゅういすべきてんとして,適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 家族かぞく支援方針しえんほうしんめてもらう。
2 家族かぞくとおして利用者りようしゃ意向いこうる。
3 家族かぞくはな機会きかいべつもうける。
4 家族かぞくにカウンセリングをおこなうことを意識いしきする。
5 家族かぞく説得せっとくする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい75(解答かいとう解説かいせつ

家族かぞくとのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

介護福祉職かいごふくししょくは、利用者りようしゃ意思いし尊重そんちょうしながら、家族かぞくとも良好りょうこう関係かんけいたも必要ひつようがあります。

今回こんかい問題もんだいでは、家族かぞく利用者りようしゃ意向いこうことなるときに、どのような姿勢しせいかかわるかがわれています。

1 家族かぞく支援方針しえんほうしんめてもらう。

【×】あやまりです。介護かいごはあくまで利用者本人りようしゃほんにん意思いし尊重そんちょうすることが原則げんそくです。家族かぞく意見いけんくことは大切たいせつですが、支援方針しえんほうしん家族かぞくだけでめるのは適切てきせつではありません。

2 家族かぞくとおして利用者りようしゃ意向いこうる。

【×】あやまりです。利用者本人りようしゃほんにん意向いこうは、本人ほんにんから直接確認ちょくせつかくにんすることが基本きほんです。家族かぞくとおしてると、本人ほんにん意思いしただしく反映はんえいされないおそれがあります。

3 家族かぞくはな機会きかいべつもうける。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。利用者りようしゃ家族かぞく意見いけんことなるときは、家族かぞくとの個別こべつはないの機会きかいもうけけることが有効ゆうこうです。

4 家族かぞくにカウンセリングをおこなうことを意識いしきする。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。介護福祉職かいごふくししょくには専門的せんもんてきなカウンセリングの役割やくわりもとめられていません。必要ひつようであれば、専門職せんもんしょくにつなぐようにします。

5 家族かぞく説得せっとくする。

【×】あやまりです。一方的いっぽうてき家族かぞく説得せっとくすることは、対立たいりつ原因げんいんになり、信頼関係しんらいかんけい継続けいぞくむずかしくなります。利用者りようしゃ家族かぞく気持きもちにい、はないをつうじて調整ちょうせいしていくことが大切たいせつです。

#家族かぞく

問題もんだい76

Aさん(80さい男性だんせい要介護ようかいご3)は,介護老人福祉施設かいごろうじんふくししせつ入所にゅうしょしている。アルツハイマー型認知症がたにんちしょう(dementia of the Alzheimer’s type)が進行しんこうしている。ある昼食時ちゅうしょくじ介護福祉職かいごふくししょくがAさんに配膳はいぜんすると,「おかねはこれしかありません。りますか」とちいさくたたまれたティッシュペーパーをわたしてきた。
このときのAさんにだいする介護福祉職かいごふくしょく対応たいおうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 ティッシュペーパーは,くちまわりがよごれたらくものだとつたえる。
2 ティッシュペーパーが不足ふそくしているサインとしてめる。
3 飲食店いんしょくてんでの会計かいけい場面ばめんであると認識にんしきして対応たいおうする。
4 食事しょくじ集中しゅうちゅうするようにうながす。
5 小遣こづかいの増額ぞうがく家族かぞく相談そうだんする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい76(解答かいとう解説かいせつ

アルツハイマー型認知症がたにんちしょうひとへのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

Aさんの言動げんどうから、認知症にんちしょう中核症状ちゅうかくしょうじょうである見当識障害けんとうしきしょうがい見受みうけられます。

のう障害しょうがいによるものなので、Aさんを否定ひていすることなく尊重そんちょうし、対応たいおうすることが大切たいせつです。

1 ティッシュペーパーは,くちまわりがよごれたらくものだとつたえる。

【×】あやまりです。現実的げんじつてき説明せつめい本人ほんにん誤認識ごにんしき否定ひていする対応たいおうは、混乱こんらん不安ふあんまね原因げんいんになります。

2 ティッシュペーパーが不足ふそくしているサインとしてめる。

【×】あやまりです。本人ほんにんはティッシュを「おかね」と認識にんしきしてわたしており、ティッシュの不足ふそくではなく、飲食店いんしょくてんでの支払しはらいという記憶きおく場面ばめん混同こんどうめます。

3 飲食店いんしょくてんでの会計かいけい場面ばめんであると認識にんしきして対応たいおうする。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。Aさんは飲食店いんしょくてんでの支払しはらいという記憶きおく場面ばめん混同こんどうをしています。介護福祉職かいごふくししょくはその世界観せかいかん否定ひていせず、やさしくめて対応たいおうします。

4 食事しょくじ集中しゅうちゅうするようにうながす。

【×】あやまりです。現実げんじつもどすような対応たいおうではなく、Aさんの気持きもちに姿勢しせい大切たいせつです。

5 小遣こづかいの増額ぞうがく家族かぞく相談そうだんする。

【×】あやまりです。Aさんは本当ほんとうにおかねもとめているわけではないので、適切てきせつではありません。

#アルツハイマー型認知症がたにんちしょう #見当識障害けんとうしきしょうがい

問題もんだい77

構音障害こうおんしょうがいのあるBさんは,現在発語訓練げんざいはつごくんれん実施中じっしちゅうである。ある日,介護福祉職かいごふくしょくに対して,「おあんで,あつがおごれた」とうったえた。介護福祉職かいごふくしょくは,Bさんの発語はつごをうまくれず,「もう一度いちどってください」とつたえた。Bさんは,自身じしん発語はつご会話かいわつづけようとしているが,介護福祉職かいごふくしょくには,その内容ないよう十分じゅうぶん理解りかいすることができなかった。
このときの,Bさんに対する介護福祉職かいごふくししよく判断はんだんとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 Bさんは言葉ことば意味いみ理解りかい支障ししょうがあるため,会話かいわ継続けいぞく困難こんなんである。
2 発音はつおん苦手にがてなため,みじか言葉ことばでゆっくりはなしてもらう必要ひつようがある。
3 はな意欲いよくがあるため,ひらかれた質問しつもん有効ゆうこうである。
4 発語訓練はつごくんれん効果こうかがみられないため,訓練くんれん中止ちゅうしする必要ひつようがある。
5 Bさんの言葉ことばれないため,会話かいわ中断ちゅうだんする必要ひつようがある。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい77(解答かいとう解説かいせつ

構音障害こうおんしょうがいひとへのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

構音障害こうおんしょうがいとは、くちしたのどなどの音声器官おんせいきかん運動機能障害うんどうきのうしょうがいによって、発音はつおん不明瞭ふめいりょうな(はっきりしない)障害しょうがいです。

言葉ことば意味いみ理解りかい問題もんだいがないことがおおいので、介護福祉職かいごふくししょく利用者りようしゃはな意欲いよくかんじとり、適切てきせつ対応たいおうをすることが大切たいせつです。

1 Bさんは言葉ことば意味いみ理解りかい支障ししょうがあるため,会話かいわ継続けいぞく困難こんなんである。

【×】あやまりです。構音障害こうおんしょうがいは「はなすこと(発音はつおん)」の障害しょうがいで、意味いみ理解りかいつたえたい気持きもちに問題もんだいがあるわけではありません。会話かいわ継続けいぞくをあきらめることは適切てきせつではありません。

2 発音はつおん苦手にがてなため,みじか言葉ことばでゆっくりはなしてもらう必要ひつようがある。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。

3 はな意欲いよくがあるため,ひらかれた質問しつもん有効ゆうこうである。

【×】あやまりです。ひらかれた質問しつもんは、利用者りようしゃ自由じゆうはなせますが、ながくなりやすく、構音障害こうおんしょうがいひとにとっては負担ふたんになります。選択肢せんたくししめ質問しつもんみじかこたえられる質問しつもんじられた質問しつもん)が有効ゆうこうです。

4 発語訓練はつごくんれん効果こうかがみられないため,訓練くんれん中止ちゅうしする必要ひつようがある。

【×】あやまりです。発語訓練はつごくんれんはすぐに効果こうかるとはかぎりません。また、訓練くんれん中止ちゅうし介護福祉職かいごふくししょく判断はんだんですべきではありません。

5 Bさんの言葉ことばれないため,会話かいわ中断ちゅうだんする必要ひつようがある。

【×】あやまりです。りにくくても、本人ほんにん一生懸命伝いっしょうけんめいつたえようとしています。会話かいわ中断ちゅうだんすることは、本人ほんにんはな意欲いよくうしなわせる可能性かのうせいもあるため、適切てきせつではありません。

#構音障害こうおんしょうがい 

問題もんだい78

Cさん(55さい男性だんせい)は,知的障害ちてきしょうがいがある。3か月前げつまえに,施設しせつから居宅きょたくでの一人暮ひとりぐらしに移行いこうし,現在げんざいは,居宅介護きょたくかいご(ホームヘルプサービス)を利用りようしながら生活せいかつしている。ある,Cさんが,「ゴミ,けててるの,むずかしいよ」とうので,室内しつない分別収集ぶんべつしゅうしゅう説明書せつめいしょって,カレンダーに収集日しゅうしゅうびくことにした。そして,介護福祉職かいごふくしょくは,「この説明書せつめいしょとカレンダーをて,てるといいですよ」とCさんにつたえた。その,Cさんは努力どりょくしていたが,分別ぶんべつできなかったゴミがすこしずつえていった。
つぎのうち,Cさんにかける介護福祉職かいごふくしょく最初さいしょ言葉じちばとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「ゴミでいっぱいになるまえに,適切てきせつてられるようになりましょう」
2 「説明書せつめいしょとカレンダーをよくてください」
3 「ゴミがえてきて,気持きもわるいですね」
4 「がんばっていれば,上手じょうずにできるようになりますよ」
5 「ゴミてはむずかしいですよね。できることをいっしょにかんがえましょう」

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい78(解答かいとう解説かいせつ

知的障害ちてきしょうがいひとへのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

知的障害ちてきしょうがいのある利用者りようしゃ在宅ざいたく自立じりつした生活せいかつおくるためには、できていないてんめるのではなく、本人ほんにん気持きもちにいながら、どうやったらできようになるのか、方法ほうほう一緒いっしょかんがえていく姿勢しせい大切たいせつです。

共感的きょうかんてき前向まえむきなこえかけがもとめられます。

1 「ゴミでいっぱいになるまえに,適切てきせつてられるようになりましょう」

【×】あやまりです。できていないてん指摘してきする内容ないようであり、プレッシャーやめられている印象いんしょうあたえる可能性かのうせいがあるため、適切てきせつではありません。

2 「説明書せつめいしょとカレンダーをよくてください」

【×】あやまりです。Cさんはゴミをてる努力どりょくはしているので、よくたからといって解決かいけつできるものではないとかんがえられ、ほかの解決策かいけつさくかんがえる必要ひつようがあります。

3 「ゴミがえてきて,気持きもわるいですね」

【×】あやまりです。環境状況かんきょうじょうきょうについてめるようなこえかけをしても、解決かいけつにはつながりません。

4 「がんばっていれば,上手じょうずにできるようになりますよ」

【×】あやまりです。一見励いっけんはげましているようにえますが、努力どりょくだけをもとめており、具体的ぐたいてき支援策しえんさくしめされていないため、解決かいけつにはつながりません。

5 「ゴミてはむずかしいですよね。できることをいっしょにかんがえましょう」

【○】ただしい選択肢せんたくしです。Cさんの「分別ぶんべつむずかしい」という気持きもちにい、一緒いっしょ方法ほうほうかんがえようという前向まえむきな姿勢しせいしめしています。もっと適切てきせつこえかけです。

#知的障害ちてきしょうがい

問題もんだい79

介護保険かいごほけんサービスにおける記録きろくかんするつぎ記述きじゅつのうち,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 記録きろくふくまれないものとして食事しょくじチェックひょうがある。
2 介護記録かいごきろく介護福祉職かいごふくししょく意見いけん中心ちゅうしん記録きろくする。
3 調査ちょうさ研究目的けんきゅうもくてき記録きろく利用りようすることはける。
4 主観的情報しゅかんてきじょうほう客観的事実きゃっかんてきじじつ区別くべつしないで記録きろくする。
5 利用者りようしゃ記録きろく閲覧えつらん請求せいきゅうすることができる。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい79(解答かいとう解説かいせつ

介護記録かいごきろくかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

介護記録かいごきろくは、サービスのしつを高め、チームでの情報共有じょうほうきょうゆう円滑えんかつにする大切たいせつなものです。

今回こんかい問題もんだいでは、記録内容きろくないよう管理かんり基本的きほんてきななルール、個人情報こじんじょうほうあつかいについてただしく理解りかいしているかがわれています。

1 記録きろくふくまれないものとして食事しょくじチェックひょうがある。

【×】あやまりです。食事しょくじチェックひょうは、利用者りようしゃ摂取状況せっしゅじょうきょう健康状態けんこうじょうたい確認かくにんする大切たいせつ記録きろくです。介護記録かいごきろく一部いちぶとしてふくまれます。

2 介護記録かいごきろく介護福祉職かいごふくししょく意見いけん中心ちゅうしん記録きろくする。

【×】あやまりです。介護記録かいごきろく客観的きゃっかんてき事実じじつ中心ちゅうしん記録きろくすることが原則げんそくです。介護福祉職かいごふくししょく意見いけん中心ちゅうしんになると正確せいかく情報共有じょうほうきょうゆうができなくなってしまいます。

3 調査ちょうさ研究目的けんきゅうもくてき記録きろく利用りようすることはける。

【×】あやまりです。個人こじん特定とくていされないように配慮はいりょし、本人ほんにん同意どういなど必要ひつよう手続てつづきをとれば、記録きろく調査ちょうさ研究けんきゅう利用りようすることは可能かのうです。

4 主観的情報しゅかんてきじょうほう客観的事実きゃっかんてきじじつ区別くべつしないで記録きろくする。

【×】あやまりです。主観しゅかん客観きゃっかんははっきりとけて記録きろくすることが大切たいせつです。

5 利用者りようしゃ記録きろく閲覧えつらん請求せいきゅうすることができる。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。介護記録かいごきろく個人情報こじんじょうほうであり、本人ほんにんやその家族かぞくには閲覧えつらんする権利けんりがあります。

#介護記録かいごきろく #個人情報こじんじょうほう

科目別過去問|10.コミュニケーション技術 どんな問題もんだいが出でる? ここでは、「人間関係にんげんかんけいとコミュニケーション」の科目かもくと異ことなり、実際じっさいに...