過去問(年度別)

【第37回試験】介護の基本①(問題64~68)

介護かいご基本きほん

問題もんだい64

介護福祉かいごふくし関連かんれんする法律ほうりつかんするつぎ記述きじゅつのうち,適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう」は,福祉六法ふくしろっぽうの1つである。
2 「障害者総合支援法しょうがいしゃそうごうしえんほう」は,障害者基本計画しょうがいしゃきほんけいかく策定さくてい義務ぎむづけている。
3 社会福祉法しゃかいふくしほうによって,社会福祉士しゃかいふくしし定義ていぎ規定きていされている。
4 介護保険法かいごほけんほうは,国民こくみん共同連帯きょうどうれんたい理念りねんもとづいて介護保険制度かいごほけんせいどもうけている。
5 医師法いしほうによって,介護福祉かいごふくし業務ぎょうむ一部いちぶとして医行為いこういみとめられている。

(注)1 「高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう」とは,「高齢者虐待こうれいしゃぎゃくたい防止ぼうし高齢者こうれいしゃ養護者ようごしゃたいす 
    る支援等しえんとうかんする法律ほうりつ」のことである。
   2 「障害者総合支援法しょうがいしゃそうごうしえんほう」とは,「障害者しょうがいしゃ日常生活にちじょうせいかつおよび社会生活しゃかいせいかつ
    総合的そうごうてき支援しえんするための法律ほうりつ」のことである。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい64(解答かいとう解説かいせつ

介護福祉かいごふくし関連かんれんする法律ほうりつかんする問題もんだいです。

こたえは、「4」です。

1 「高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう」は,福祉六法ふくしろっぽうの1つである。

【×】あやまりです。福祉六法ふくしろっぽうとは、「生活保護法せいかつほごほう」「児童福祉法じどうふくしほう」「母子及ぼしおよ寡婦福祉法かふふくしほう」「身体障害者福祉法しんたいしょうがいしゃふくしほう」「知的障害者福祉法ちてきしょうがいしゃふくしほう」「老人福祉法ろうじんふくしほう」のことです。

2 「障害者総合支援法しょうがいしゃそうごうしえんほう」は,障害者基本計画しょうがいしゃきほんけいかく策定さくてい義務ぎむづけている。

【×】あやまりです。障害者基本計画しょうがいしゃきほんけいかく策定さくてい義務ぎむづけているのは、「障害者基本法しょうがいしゃきほんほう」です。

3 社会福祉法しゃかいふくしほうによって,社会福祉士しゃかいふくしし定義ていぎ規定きていされている。

【×】あやまりです。社会福祉士しゃかいふくしし定義ていぎ規定きていされているのは、「社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほう」です。

4 介護保険法かいごほけんほうは,国民こくみん共同連帯きょうどうれんたい理念りねんもとづいて介護保険制度かいごほけんせいどもうけている。

○】ただしい選択肢せんたくしです。介護保険法かいごほけんほうだい4じょう2こう記載きさいがあります。介護保険法かいごほけんほう国民こくみんみんなでささえあう制度せいどです。

5 医師法いしほうによって,介護福祉かいごふくし業務ぎょうむ一部いちぶとして医行為いこういみとめられている。

【×】あやまりです。医行為いこうい医師いしのみがおこなえる行為こういです。一定いってい条件じょうけんたした介護福祉士かいごふくししおこなえる業務ぎょうむは、医療行為いりょうこういにはあたらないものの、日常生活にちじょうせいかつおくるうえで必要ひつような「医療的いりょうてきケア」です。

#福祉六法ふくしろっぽう #介護保険法かいごほけんほう #医師法いしほう

問題もんだい65

社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほうかんするつぎ記述きじゅつのうち,適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 資質向上ししつこうじょうのために, 5ねんに1かい資格更新研修しかくこうしんけんしゅうけなければならない。
2 社会福祉士しゃかいふくしし業務ぎょうむ介護福祉士かいごふくししおこなうことはきんじられている。
3 介護福祉士かいごふくしし信用しんようきずつける行為こういをしてはならない。
4 介護福祉士かいごふくししは,そのぎょうしたあと秘密保持義務ひみつほじぎむ解除かいじょされる。
5 介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけん合格ごうかくしたから,介護福祉士かいごふくしし名乗なのることができる。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい65(解答かいとう解説かいせつ

社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほうかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

1 資質向上ししつこうじょうのために, 5ねんに1かい資格更新研修しかくこうしんけんしゅうけなければならない。

【×】あやまりです。社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほうに、資格更新研修しかくこうしんけんしゅうかんする記述きじゅつはありません。5ねんに1かい資格更新研修しかくこうしんけんしゅうけなければならないのは、介護支援専門員かいごしえんせんもんいんです。

2 社会福祉士しゃかいふくしし業務ぎょうむ介護福祉士かいごふくししおこなうことはきんじられている。

【×】あやまりです。それぞれが名称独占めいしょうどくせん資格しかくであるため、業務ぎょうむおこなうことがきんじられているわけではありません。

3 介護福祉士かいごふくしし信用しんようきずつける行為こういをしてはならない。

○】ただしい選択肢せんたくしです。社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほうだい45じょうにあります。

4 介護福祉士かいごふくししは,そのぎょうしたあと秘密保持義務ひみつほじぎむ解除かいじょされる。

【×】あやまりです。介護福祉士かいごふくししでなくなった場合ばあいも、業務ぎょうむった情報じょうほうらしてはいけません。(だい46じょう

5 介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけん合格ごうかくしたから,介護福祉士かいごふくしし名乗なのることができる。

【×】あやまりです。試験しけん合格ごうかくしたではなく、介護福祉士登録簿かいごふくししとうろくぼ登録とうろくをされたあとから、名乗なのることができます。

#社会福祉士及しゃかいふくししおよ介護福祉士法かいごふくししほう #介護福祉士かいごふくしし #名称独占めいしょうどくせん

「社会福祉士及び介護福祉士法」を確認しよう 「介護福祉士かいごふくしし」という資格しかくは、介護かいごに関かんする一定いっていの知識ちしきや技能ぎのうがあることを国くにが証明しょ...

問題もんだい66

Aさん(75さい女性じょせい)は, 3か月前げつまえに,血管性認知症けっかんせいにんちしょう(vascular dementia)を発症はっしょうし,軽度けいど左片麻痺ひだりかたまひ杖歩行つえほこうとなり,要介護ようかいご3と認定にんていされた。Aさんは,料理りょうり大好だいすきで,むすめ一緒いっしょ食事しょくじつくることをたのしみに生活せいかつしていた。1か月前げつまえから認知症にんちしょう(dementia)が進行しんこうし,ユニット型介護老人福祉施設がたかいごろうじんふくししせつ入所にゅうしょした。Aさんは夕方ゆうがたになると,「ごはん支度したくをしないといけないからかえります」といながら,興奮こうふんしてあるまわ様子ようすがみられるようになった。
Aさんへの介護福祉職かいごふくししよく対応たいおうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 居室きょしつかぎをかけて,自室じしつごしてもらう。
2 介護福祉職かいごふくししょく一緒いっしょに,夕食ゆうしょく準備じゅんびをしてもらう。
3 つえあずかり,ひくめの丸椅子まるいすすわってもらう。
4 介護福祉職かいごふくししょく判断はんだんで,向精神薬こうせいしんやく服用ふくようしてもらう。
5 ここがAさんの自宅じたくであることを,理解りかいしてもらう。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい66(解答かいとう解説かいせつ

血管性認知症けっかんせいにんちしょうひとたいする介護福祉職かいごふくししょく対応たいおう確認かくにんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

血管性認知症けっかんせいにんちしょうとは、脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつなどが原因げんいんこる認知症にんちしょうです。

片麻痺かたまひ言語障害げんごしょうがい嚥下障害えんげしょうがいといったからだ一部いちぶだけに症状しょうじょうともなうことがおおいです。

介護福祉職かいごふくししょく対応たいおう確認かくにんする問題もんだいでは、利用者りようしゃおもいを大切たいせつった選択肢せんたくしえらべるようにしましょう。

今回こんかい事例じれいでポイントになるのは、つぎ部分ぶぶんです。

料理りょうり大好だいすきで,むすめ一緒いっしょ食事しょくじつくることをたのしみに生活せいかつしていた。

夕方ゆうがたになると,「ごはん支度したくをしないといけないからかえります」といながら,興奮こうふんしてあるまわ様子ようすがみられる

1 居室きょしつかぎをかけて,自室じしつごしてもらう。

【×】あやまりです。あるまわ利用者りようしゃへの対応たいおうとして、居室きょしつかぎをかける行為こういは、ぎゃく不安ふあんおおきくすることにつながり、適切てきせつではりません。

2 介護福祉職かいごふくししょく一緒いっしょに,夕食ゆうしょく準備じゅんびをしてもらう。

○】ただしい選択肢せんたくしです。食事しょくじつくることをたのしみにしていたAさんにった対応たいおうです。

3 つえあずかり,ひくめの丸椅子まるいすすわってもらう。

【×】あやまりです。杖歩行つえほこうひとつえあずかる行為こういは、行動こうどう制限せいげんすることになり適切てきせつではありません。

4 介護福祉職かいごふくししょく判断はんだんで,向精神薬こうせいしんやく服用ふくようしてもらう。

【×】あやまりです。くすり服用ふくよう医師いし指示しじによりおこなうものです。介護福祉職かいごふくししょく判断はんだんしてはいけません。

5 ここがAさんの自宅じたくであることを,理解りかいしてもらう。

【×】あやまりです。Aさんに理解りかいけることは、Aさんにった行動こうどうではありません。

#血管性認知症けっかんせいにんちしょう

問題もんだい67

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類こくさいせいかつきのうぶんるい)における「参加さんか」と「活動かつどう」の2つが関連かんれんした,認知症にんちしょうひと支援しえんかんする記述きじゅつとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 若年性じゃくねんせいアルツハイマー型認知症がたにんちしょう(dementia of the Alzheimer’s type with early onset)があり,治療ちりょうしている。
2 認知症にんちしょうカフェにかよい,体操たいそうをしている。
3 近所きんじょ長男ちょうなんが,買物かいもの代行だいこうしている。
4 自宅じたくにあるひろにわを,バリアフリーしている。
5 見当識障害けんとうしきしょうがいがあり,GPS装置そうちけている。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい67(解答かいとう解説かいせつ

ICFにかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

ICFは、世界保健機関せかいほけんきかん(WHO)で採択さいたくされた分類ぶんるいで、病気びょうき障害しょうがいだけでなく、「生活せいかつのしかた」や「まわりの環境かんきょう」もふくめて、そのひと状態じょうたいをとらえるものです。

今回こんかいは、「参加さんか」と「活動かつどう」の2つが関連かんれんした,認知症にんちしょうひと支援しえんかんする問題もんだいです。

参加さんか」とは、社会しゃかいへのかかわりのことで、仕事しごとったり、地域ちいき活動かつどう参加さんかしたりすることです。

活動かつどう」とは、個人こじん日常生活にちじょうせいかつおこな動作どうさ行動こうどうのことです。たとえば、食事しょくじをする、あるく、はなす、きががえをするなどのことをします。

1 若年性じゃくねんせいアルツハイマー型認知症がたにんちしょう(dementia of the Alzheimer’s type with early onset)があり,治療ちりょうしている。

【×】あやまりです。「健康状態けんこうじょうたい」に関連かんれんした選択肢せんたくしです。

2 認知症にんちしょうカフェにかよい,体操たいそうをしている。

○】ただしい選択肢せんたくしです。「認知症にんちしょうカフェにかよう」という「参加さんか」と、「体操たいおうをしている」という「活動かつどう」が関連かんれんした選択肢せんたくしです。

3 近所きんじょ長男ちょうなんが,買物かいもの代行だいこうしている。

【×】あやまりです。「長男ちょうなんもの代行だいこうしている」は、本人ほんにんのことではないため、「環境因子かんきょういんし」になります。

4 自宅じたくにあるひろにわを,バリアフリーしている。

【×】あやまりです。「環境因子かんきょういんし」に関連かんれんした選択肢せんたくしです。

5 見当識障害けんとうしきしょうがいがあり,GPS装置そうちけている。

【×】あやまりです。「見当識障害けんことうしきしょうがいがある」という「健康状態けんこうじょうたい」と「GPS装置そうちけている」という「環境因子かんきょういんし」のわせです。

#icf #国際生活機能分類こくさいせいかつきのうぶんるい

問題もんだい68

つぎ記述きじゅつのうち,介護保険制度かいごほけんせいどにおける訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)がおこなうサービス内容ないようとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 利用者りしょうしゃ大切たいせつにしているにわ植木うえきに,みずやりをする。
2 利用者りしょうしゃ長年飼ながねんかっているねこのペットフードを,購入こうにゅうしてくる。
3 掃除そうじをする習慣しゅうかんのある利用者りしょうしゃ一緒いっしょに,寝室しんしつをほうきで掃除そうじする。
4 利用者りしょうしゃ一緒いっしょに,近所きんじょのラーメンく。
5 利用者りしょうしゃのクレジットカードをあずかって,買物かいもの代行だいこうする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい68(解答かいとう解説かいせつ

訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)がおこなうサービス内容ないようかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

ポイントは、介護保険制度かいぎほけんせいどにおいておこなうことができるサービスという部分ぶぶんです。

介護保険制度かいごほけんせいどでは、訪問介護員ほうもんかいごいんおこなうサービス内容ないようおおきく3つにけています。

  1. 身体介護しんたいかいご利用者りようしゃ直接触ちょくせつふれておこな介助かいじょサービス)
  2. 生活援助せいかつえんじょ掃除そうじ洗濯せんたく調理ちょうり処方薬しょほうやくりなどの日常生活援助にちじょうせいかつえんじょ
  3. 通院等つういんとう乗降介助じょうこうかいじょ通院つういんのためにおこな移動介助等いどうかいじょとう

②の生活援助せいかつえんじょは、直接本人ちょくせつほんにん日常生活にちじょうせいかつ援助えんじょ関係かんけいしない行為こういはサービスの対象外たいしょうがいですので、注意ちゅうい必要ひつようです。

1 利用者りしょうしゃ大切たいせつにしているにわ植木うえきに,みずやりをする。

【×】あやまりです。みずやりはサービスの対象外たいしょうがいです。

2 利用者りしょうしゃ長年飼ながねんかっているねこのペットフードを,購入こうにゅうしてくる。

【×】あやまりです。本人以外ほんにんいがいための行為こういですので、サービスの対象外たいしょうがいです。

3 掃除そうじをする習慣しゅうかんのある利用者りしょうしゃ一緒いっしょに,寝室しんしつをほうきで掃除そうじする。

○】ただしい選択肢せんたくしです。生活援助せいかつえんじょ該当がいとうします。訪問介護員ほうもんかいごいん一人ひとりおこなうのではなく、利用者りようしゃ一緒いっしょにすることは自立支援じりつしえん観点かんてんからも適切てきせつです。

4 利用者りしょうしゃ一緒いっしょに,近所きんじょのラーメンく。

【×】あやまりです。訪問介護ほうもんかいごでは、通院時以外つういんじいがい外出時がいしゅつじ介助かいじょはサービスの対象外たいしょうがいです。

5 利用者りしょうしゃのクレジットカードをあずかって,買物かいもの代行だいこうする。

【×】あやまりです。クレジットカードは、本人以外ほんにんいがい利用りよう禁止きんししているため、訪問介護員ほうもんかいごいん利用りようすることはできません。また、トラブル防止ぼうし観点かんてんから、訪問介護員ほうもんかいごいん金銭管理きんせんかんりおこなうことはできません。

#訪問介護員ほうもんかいごいん #生活援助せいかつえんじょ

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