国家試験の問題を解くために必要な文法をしっかりおさえましょう。
1.「~として」の
意味
「~として」は、
「~という
立場・
役割で」
という意味を
表すときに
使います。
意味
「~という
立場・
役割で」
💡 やさしい
日本語で
考えると…
「~の立場で」
「~の役割で」
「~として」が
難しいときは、
まず
「~という
立場で」
と言いかえて
読んでみましょう。
例
私は
介護福祉士
として
働いています。
↓
私は
介護福祉士
という
立場で
働いています。
「~として」には、
こんな使い
方があります
①
立場・
役割を
表す
例:
介護福祉士
として
働く
→ 介護福祉士
という
立場で
働く
②
分類・
位置づけを
表す
例:
趣味として
ギターを弾く
→ 趣味の
一つとして
ギターを弾く
ポイント
「~として」は、
人の
仕事や
立場だけに
使う
文法ではありません。
文によっては、
「~の
一つとして」
「~という
位置づけで」
という意味でも
使われます。
まずは、
「~という
立場・
役割で」
と覚えておきましょう。
3.どんなときに
使う?
「~として」は、
人の
立場や
役割を
表すときによく
使います。
でも、
人の
立場だけに
使うわけではありません。
仕事や
資格、
物の
使い
方、
分類などを
表すときにも
使います。
①
立場・
役割
「~という
立場・
役割で」
という意味です。
例
私は
先輩
として
後輩を
助けます。
→
先輩という
立場で
後輩を
助けます。
②
職業・
資格
「~という
仕事・
資格の
立場で」
という意味です。
例
介護福祉士
として
利用者を
支援します。
→
介護福祉士という
立場で
利用者を
支援します。
③
用途・
目的
「~のために
使う」
「~の
役割で
使う」
という意味です。
例
この
部屋は
会議室
として
使われています。
→
この
部屋は
会議をする
部屋として
使われています。
④
分類・
位置づけ
「~の
一つとして」
「~というものとして」
という意味です。
例
運動
として
散歩をしています。
→
運動の
一つとして
散歩をしています。
意味に
合わせて
言いかえてみよう
立場・
役割
→ 「~という
立場で」
職業・
資格
→ 「~という
仕事・
資格の
立場で」
用途・
目的
→ 「~のために
使う」
分類・
位置づけ
→ 「~の
一つとして」
💡 ポイント
「~として」を
見たら、
すべて
「~という
立場で」
と
言いかえる
必要はありません。
文の
意味に
合わせて、
「~という
立場で」
や
「~の
一つとして」
と
言いかえると
分かりやすくなります。
4.例文で
確認しよう
「~として」を
使った
文を
見て、
意味を
確認しましょう。
「~として」を
見つけたら、
「どんな
立場・
役割なのか」
を考えてみましょう。
文によっては、
「~の
一つとして」
と考えると
分かりやすくなります。
職業・
資格
私は
介護福祉士
として
働いています。
やさしい
日本語
→
介護福祉士という
立場で
働いています。
文の
形:
介護福祉士
+ として
立場・
役割
先輩
として
新しい
職員を
助けます。
やさしい
日本語
→
先輩という
立場で、
新しい
職員を
助けます。
文の
形:
先輩
+ として
立場・
役割
私は
留学生
として
日本に
来ました。
やさしい
日本語
→
留学生という
立場で
日本に
来ました。
文の
形:
留学生
+ として
用途・
目的
この
部屋は
会議室
として
使われています。
やさしい
日本語
→
この
部屋は、
会議をする
部屋として
使われています。
文の
形:
会議室
+ として
分類・
位置づけ
健康のための
運動
として
毎日
散歩をしています。
やさしい
日本語
→
健康のための
運動の
一つとして、
毎日
散歩をしています。
文の
形:
運動
+ として
「~としての」+
名詞
介護福祉士
としての
責任を
考えます。
やさしい
日本語
→
介護福祉士という
立場での
責任を
考えます。
文の
形:
介護福祉士
+ としての +
責任
例文を
読むときの
確認ポイント
1
「として」の
前にある
名詞を
確認する
2
人の
立場なら、
「~という
立場で」
と言いかえる
3
方法や
分類なら、
「~の
一つとして」
と言いかえてみる
4
「としての」があれば、
後ろの
名詞
まで一緒に
読む
💡 ポイント
「~として」は、
前の
名詞が
どんな
立場・
役割なのか
を
表します。
人だけでなく、
物の
使い
方や
方法、
分類を
表す
文でも
使われることを
覚えておきましょう。
5.「~として」と「~としての」は
何が
違う?
「~として」と「~としての」は、
意味は
近いですが、
後ろにくる
言葉
が違います。
「としての」の「の」は、
後ろの
名詞につなげる
働きをします。
そのため、
文を
読むときは、
「として」だけでなく、
後ろの
言葉まで
確認しましょう。
① ~として
名詞
+
として
+
動詞・
文
例
介護福祉士
として
働きます。
「として」の
後ろは
動詞
「働きます」
です。
② ~としての
名詞
+
としての
+
名詞
例
介護福祉士
としての
責任があります。
「としての」の
後ろは
名詞
「責任」
です。
「としての」は、
後ろの
名詞まで
一緒に
読もう
【介護福祉士
としての
責任】
を考えます。
→
介護福祉士という
立場での
責任
【職員
としての
役割】
を確認します。
→
職員という
立場での
役割
【家族
としての
気持ち】
を伝えます。
→
家族という
立場での
気持ち
後ろの
言葉を
見てみよう
看護師として
病院で
働きます。
→ 「として」の
後ろに
動詞
看護師としての
経験があります。
→ 「としての」の
後ろに
名詞
親として
子どもを
支えます。
→ 「として」の
後ろに
動詞
親としての
責任があります。
→ 「としての」の
後ろに
名詞
💡 試験ではここに
注目
長い
文章では、
「~としての+
名詞」
を
一つのまとまりとして
読むことが
大切です。
たとえば、
「介護福祉士
としての
実務経験」
なら、
「介護福祉士
という
立場での
実務経験」
と
考えると
分かりやすくなります。
覚え
方
~として +
動詞・
文
→ ~という
立場で~する
~としての +
名詞
→ ~という
立場での
名詞
「の」があれば、
後ろの
名詞まで
一緒に
読む
と覚えましょう。
6.「~としては・~としても」も
覚えよう
「~として」に
「は」や「も」がついて、
「~としては」
「~としても」
という形で
使われることもあります。
どちらも、
「~という
立場」
という基本の
意味は
同じです。
「は」と「も」がつくことで、
伝えたい
意味が
少し
変わります。
① ~としては
意味
→ ~という
立場から
考えると
例
介護福祉士
としては
、
その対応には
賛成できません。
→
介護福祉士
という
立場から
考えると、
その対応には
賛成できません。
② ~としても
意味
→ ~という
立場でも
例
家族
としても
心配です。
→
家族
という
立場でも
心配です。
「は」と「も」の
違いを
考えよう
~としては
→ その
立場から
考えた
意見や
考えを
言うときに
使います。
~としても
→ 「ほかの
立場だけでなく、
この
立場でも」
という気持ちを
表すことがあります。
文を
比べてみよう
職員として
利用者を
支援します。
→ 職員という
立場で
支援します。
職員としては、
この方法が
よいと思います。
→ 職員という
立場から
考えると、
この方法が
よいと思います。
職員としても
心配しています。
→ 職員という
立場でも
心配しています。
💡 まずは
基本の
「~として」を
理解しよう
「~としては」や
「~としても」を
見つけても、
難しく
考える
必要はありません。
まず
「~として」=
「~という
立場で」
と
考えます。
そのあとに、
「は」なら
「その
立場から
考えると」
、
「も」なら
「その
立場でも」
と
考えると
分かりやすいです。
覚え
方
~として
→ ~という
立場で
~としては
→ ~という
立場から
考えると
~としても
→ ~という
立場でも
7.「~として」と「~にとって」は
何が
違う?
「~として」と「~にとって」は、
どちらも
人の
立場に
関係する
表現ですが、
意味は
違います。
「~として」
は、
「~という
立場・
役割で」
という意味です。
「~にとって」
は、
「~から
考えると」
という意味で、
その人から
見た
考えや
評価を
表します。
① ~として
意味
→ ~という
立場・
役割で
例
私は
介護福祉士
として
働いています。
→
介護福祉士
という
立場で
働いています。
② ~にとって
意味
→ ~から
考えると
例
私
にとって
家族は
大切です。
→
私から
考えると、
家族は
大切です。
どうやって
見分ける?
~として
「その
人は
何の
立場・
役割で
行動している?」
と考えます。
~にとって
「だれから
見て、
大切・
必要・
難しいなどと
考えている?」
と考えます。
例文を
比べてみよう
家族
として
Aさんを
支えます。
→ 家族という
立場・
役割で
Aさんを
支えます。
Aさん
にとって
家族の
支えは
大切です。
→ Aさんから
考えると、
家族の
支えは
大切です。
介護職員
として
利用者の
話を
聞きます。
→ 介護職員という
立場で
話を
聞きます。
利用者
にとって
安心できる
環境が
大切です。
→ 利用者から
考えると、
安心できる
環境が
大切です。
💡 後ろの
言葉にも
注目
「~にとって」の
後ろには、
大切、
必要、
重要、
難しい、
良い
など、
考えや
評価を
表す
言葉が
よくきます。
一方、
「~として」は、
仕事や
役割、
立場を
表すときに
使います。
覚え
方
~として
→ ~という
立場・
役割で
~にとって
→ ~から
考えると
「立場・
役割」なのか、
「だれから
見た
考え・
評価」なのかを
考えると、
違いが
分かりやすくなります。
8.試験ではどう
使われる?
「~として」は、
介護福祉士国家試験の
問題文でも
よく使われています。
試験では、
「~として」が
人の
立場だけに
使われるとは
限りません。
「~の
一員として」
「~というものとして」
「~としての+
名詞」
など、いろいろな
形で
出てきます。
実際の
試験では、
こんな形で
使われています
第38回
(問題34)
実際の
問題文
次の
記述のうち、
客観的事実に
該当する
ものとして
、
最も
適切なものを
1つ選びなさい。
やさしい
日本語にすると…
→
客観的事実に
当てはまるものは
どれですか。
この
文の
「ものとして」は、
「~に
当てはまるものとして」
という意味です。
試験問題では、
このような
形がよく
使われます。
形:
客観的事実に
該当するもの
+ として
第38回
(問題35)
実際の
問題文
次の
記述のうち、
介護福祉職が
行う
利用者の
生活支援として
、
最も
適切なものを
1つ選びなさい。
やさしい
日本語にすると…
→
介護福祉職が
行う
生活支援として
正しいものはどれですか。
ここでは、
人の
立場ではなく、
「生活支援
という
分類で」
という意味で
使われています。
形:
生活支援
+ として
第37回
(問題6)
実際の
問題文
D介護福祉職は
チームの
一員として
何ができるのかを
考えた。
やさしい
日本語にすると…
→
D介護福祉職は、
チームの
一員という
立場・
役割で、
何ができるか
考えました。
これは、
このページで
最初に
学んだ
「~という
立場・
役割で」
という使い
方です。
形:
チームの
一員
+ として
第37回
(総合問題1・
事例文)
実際の
問題文
センターで
対応してくれた
B主任介護支援専門員は、
介護福祉士としての
実務経験
が豊富だった。
やさしい
日本語にすると…
→
B主任介護支援専門員は、
介護福祉士として
仕事をした
経験が
たくさんありました。
ここでは、
「~としての+
名詞」
の形になっています。
「としての」の
後ろにある
「実務経験」
までを
一つのまとまりとして
読みましょう。
形:
介護福祉士
+ としての +
実務経験
試験で
「~として」を
見つけたら
1
「として」の
前にある
言葉を
確認する
2
人の
立場・
役割なら、
「~という
立場で」
と考える
3
分類や
種類なら、
「~というものとして」
「~の
一つとして」
と考える
4
「としての」があれば、
後ろの
名詞まで
一緒に
読む
💡 試験でのポイント
「~として」は、
介護福祉士国家試験では、
事例文だけでなく、
「~として、
最も
適切なものを
選びなさい」
という
問題文にも
使われます。
「として」だけを
見るのではなく、
前後の
言葉を
一緒に
読む
ことが
大切です。
9.試験問題を
読むときのポイント
試験では、
「~として」が
長い
問題文や
事例文の
中に
出てきます。
「として」だけを
見て
意味を
決めるのではなく、
前後の
言葉を
一緒に
読む
ことが大切です。
次の4つの
順番で
考えてみましょう。
1
「として」の
前を
確認する
まず、
「として」の
前に
何があるか
を
確認します。
チームの
一員
として
→
「チームの
一員」が
立場・
役割です。
2
立場なのか、
分類なのかを
考える
人の
仕事や
役割なら、
「~という
立場で」
と
考えます。
方法や
種類、
分類なら、
「~の
一つとして」
と
考えます。
生活支援
として
→
生活支援
という
分類で
3
「としての」があれば、
後ろの
名詞まで
読む
「としての」は、
後ろの
名詞につながっています。
「としての」で
文を
切らない
ようにしましょう。
【介護福祉士
としての
実務経験】
→
介護福祉士という
立場での
実務経験
4
文全体を
やさしい
日本語に
言いかえる
最後に、
「として」を
含む
部分を
やさしい
日本語に
言いかえてみます。
客観的事実に
該当する
ものとして
→
客観的事実に
当てはまるもの
「として」の
形を
見分けよう
介護福祉士として
→ 介護福祉士
という
立場・
役割で
生活支援として
→ 生活支援
という
分類・
位置づけで
介護福祉士としての
実務経験
→
介護福祉士
という
立場での
実務経験
試験の
表現を
言いかえてみよう
チームの
一員として
→ チームの
一員という
立場・
役割で
生活支援として
→ 生活支援
という
分類で
介護福祉士としての
実務経験
→ 介護福祉士として
仕事をした
経験
💡 全部を
「~という
立場で」
と訳さなくてもOK
「~として」の
基本は
「~という
立場・
役割で」
ですが、
試験では
分類や
位置づけにも
使われます。
文全体の
意味が
分かる
言葉に
言いかえる
ことが
大切です。
試験で
「~として」を
見つけたら
① 前の
言葉を
確認する
② 立場・
役割か、
分類かを
考える
③ 「としての」なら
後ろの
名詞まで
読む
④ やさしい
日本語に
言いかえる
この
順番で
読むと、
長い
問題文でも
意味を
整理しやすくなります。
10.まとめ
「~として」の
意味と
使い
方を、
最後に
確認しましょう。
いちばん大切な
意味
「~として」
=
「~という
立場・
役割で」
「~として」の
主な
使い
方
① 立場・
役割
例:
先輩として
後輩を
助ける
② 職業・
資格
例:
介護福祉士として
働く
③ 用途・
目的
例:
会議室として
使う
④ 分類・
位置づけ
例:
運動として
散歩をする
似ている
表現との
違い
~として
→ ~という
立場・
役割で
~としての+
名詞
→ ~という
立場での
名詞
「としての」の
後ろまで
一緒に
読みます。
~にとって
→ ~から
考えると
その
人から
見た
考えや
評価を
表します。
💡 試験問題で
「~として」を
見つけたら
① 「として」の
前の
言葉を
確認する
② 立場・
役割なのか、
分類なのかを
考える
③ 「としての」なら、
後ろの
名詞まで
一緒に
読む
④
「~という
立場で」
「~の
一つとして」
など、やさしい
日本語に
言いかえる
「~として」は、
日常会話だけでなく、
仕事の
場面や
説明文、
資格試験でも
よく使われます。
「として」を
見つけたら、
まず
「~という
立場・
役割で」
と考えましょう。
そして、
文の
内容に
合わせて、
「~の
一つとして」
「~という
位置づけで」
と考えると、
意味を
理解しやすくなります。