社会の理解
問題13
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 法の対象者は,身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
2 合理的配慮は,実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
3 個人による差別行為への罰則規定がある。
4 雇用分野での,障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
5 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。
(注) 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題13(解答と解説)
障害者差別解消法に関する問題です。
答えは、「5」です。
1 法の対象者は,身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
【×】誤りです。法の対象者は、障害がある人で、その障害や社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限を受けている人です。手帳交付者に限定していません。
2 合理的配慮は,実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
【×】誤りです。合理的配慮は、配慮が必要な人に合わせて行われるべきものであるため、適切ではありません。
3 個人による差別行為への罰則規定がある。
【×】誤りです。行政機関等や事業者に義務付けられているものであり、個人に対する罰則規定はありません。
4 雇用分野での,障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
【×】誤りです。障害者虐待防止法(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律)に関する記述です。
5 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。
#障害者差別解消法 #合理的配慮 #障害者基本法
問題14
「障害者総合支援法」に規定された移動に関する支援の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 移動支援については,介護給付費が支給される。
2 行動援護は,周囲の状況把握ができない視覚障害者が利用する。
3 同行援護は,危険を回避できない知的障害者が利用する。
4 重度訪問介護は,重度障害者の外出支援も行う。
5 共同生活援助(グループホーム)は,地域で生活する障害者の外出支援を行う。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題14(解答と解説)
障害者総合支援法の移動支援に関する問題です。
答えは、「4」です。
1 移動支援については,介護給付費が支給される。
【×】誤りです。介護給付費ではなく、地域生活支援事業費です。
2 行動援護は,周囲の状況把握ができない視覚障害者が利用する。
【×】誤りです。行動援護は、障害支援区分3以上の知的障害または精神障害の人が利用します。
3 同行援護は,危険を回避できない知的障害者が利用する。
【×】誤りです。同行援護は、視覚障害により移動が難しい人が利用します。
4 重度訪問介護は,重度障害者の外出支援も行う。
【○】正しい選択肢です。重度訪問介護は、訪問だけでなく外出支援も行います。
5 共同生活援助(グループホーム)は,地域で生活する障害者の外出支援を行う。
【×】誤りです。共同生活援助は、夜間に住居において日常生活上の援助を行います。
#障害者総合支援法 #移動支援
問題15
Dさん(80歳,男性,要介護2)は,認知症(dementia)がある。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がDさんの自宅を訪問すると,近所に住むDさんの長女から,「父が,高額な投資信託の電話勧誘を受けて,契約しようかどうか悩んでいるようで心配だ」と相談された。
訪問介護員(ホームヘルパー)が長女に助言する相談先として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 公正取引委員会
2 都道府県障害者権利擁護センター
3 運営適正化委員会
4 消費生活センター
5 市町村保健センター
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問題15(解答と解説)
電話勧誘を受けた際の相談先に関する問題です。
答えは、「4」です。
1 公正取引委員会
【×】誤りです。公正取引委員会とは、日本の企業が不公平な取引をしないように監視する機関です。
2 都道府県障害者権利擁護センター
【×】誤りです。都道府県障害者権利擁護センターとは、障害者の権利を守る機関で、使用者による障害者虐待の通報または届出受理などの業務を行っています。
3 運営適正化委員会
【×】誤りです。運営適正化委員会とは、社会福祉法に基づき、福祉サービスが正しく提供されているかを調査し、助言・勧告する機関です。都道府県社会福祉協議会に設置されています。
4 消費生活センター
【○】正しい選択肢です。消費生活センターは、消費者が商品やサービスで困ったときに相談できる機関です。返品や契約トラブルなど、消費者の問題を解決するためのサポートを行っています。
今回の問題の相談先として、最も適切な機関です。
5 市町村保健センター
【×】誤りです。市町村保健センターは、地域の人々の健康を守るための機関です。健康相談、保健指導、健康診査などの住民に身近な保健サービスを行っています。
#消費生活センター #消費者基本法
問題16
災害時の福祉避難所に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 介護老人福祉施設の入所者は,原則として福祉避難所の対象外である。
2 介護保険法に基づいて指定される避難所である。
3 医療的ケアを必要とする者は対象にならない。
4 訪問介護員(ホームヘルパー)が,災害対策基本法に基づいて派遣される。
5 同行援護のヘルパーが,災害救助法に基づいて派遣される。
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問題16(解答と解説)
福祉避難所に関する問題です。
答えは、「1」です。
最近は、日本各地で様々な災害が起きています。災害時に介護福祉職が果たす役割というものが大きくなってきているため、災害対策に関する知識も身につけておきましょう。
福祉避難所
福祉避難所とは、要配慮者(主に、高齢者、障害のある人、乳幼児その他の特に配慮を必要とする人)のための避難所で、災害対策基本法施行令の基準を満たす施設です。
要配慮者だけでなく、その家族も避難できます。
通常の避難所よりもバリアフリー設備が整えられており、介護や医療サービスの提供や相談支援を受ける体制が整備されています。
国のガイドラインによって、各市町村で確保するよう求められています。
1 介護老人福祉施設の入所者は,原則として福祉避難所の対象外である。
【○】正しい選択肢です。介護老人福祉施設など施設入所者は、それぞれの施設で対応されるため、福祉避難所の対象者にはなりません。
2 介護保険法に基づいて指定される避難所である。
【×】誤りです。災害対策基本法に基づいて指定される避難所です。
3 医療的ケアを必要とする者は対象にならない。
【×】誤りです。医療的ケアを必要とする人も対象です。
4 訪問介護員(ホームヘルパー)が,災害対策基本法に基づいて派遣される。
【×】誤りです。訪問介護員(ホームヘルパー)が,介護保険法に基づいて派遣されます。
5 同行援護のヘルパーが,災害救助法に基づいて派遣される。
【×】誤りです。同行援護のヘルパーは、障害者総合支援法に基づいて派遣されます。
問題17
「感染症法」に基づいて,結核(tuberculosis)を発症した在宅の高齢者に,医療費の公費負担の申請業務や家庭訪問指導などを行う機関として,適切なものを1つ選びなさい。
1 基幹相談支援センター
2 地域活動支援センター
3 保健所
4 老人福祉センター
5 医療保護施設
(注)「感染症法」とは,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」のことである。
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問題17(解答と解説)
感染症法に関する問題です。
答えは、「3」です。
感染症は、感染力や病気にかかったときの症状の重さや危険度によって、法定の分類に基づいて5つのカテゴリーに分けられます。
診断した医師は都道府県知事に届け出る義務があります。
1 基幹相談支援センター
【×】誤りです。基幹相談支援センターは、障害者総合支援法に基づいた、地域における障害者の相談支援の中核的な役割を担う機関です。障害者が日常で必要な支援が受けられるように、専門の相談員がサポートします。
2 地域活動支援センター
【×】誤りです。地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づき、障害のある人が地域で安心して生活できるよう支援する施設です。障害者を通わせて、創作的活動や生産活動の機会を提供したり、社会との交流を促進する活動が行われます。
3 保健所
【○】正しい選択肢です。保健所は、地域保健法に定められた機関で、食品衛生、環境衛生、難病、精神保健、感染症予防、健康相談など住民に身近な保健サービスを行います。
結核は、2つめに危険性が高い「2類感染症」に分類され、保健所が聞き取りや健診などの業務や指導を行います。
4 老人福祉センター
【×】誤りです。老人福祉センターとは、老人福祉法に基づく老人福祉施設で、無料または低額な料金で、健康相談、趣味活動、運動教室などさまざまなサポートを提供します。
5 医療保護施設
【×】誤りです。医療保護施設とは、生活保護法に基づき、経済的な理由で適切な医療を受けられない人々に医療サービスを提供する施設です。無料または低額な料金で、治療や看護を受けることができます。
#感染症法 #保健所 #結核
問題18
Eさん(55歳,女性,障害の有無は不明)は,ひきこもりの状態にあり,就労していない。父親の年金で父親とアパートで暮らしていたが,父親が亡くなり,一人暮らしになった。遠方に住む弟は,姉が家賃を滞納していて,生活に困っているようだと,家主から連絡を受けた。
心配した弟が相談する機関として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域包括支援センター
2 福祉事務所
3 精神保健福祉センター
4 公共職業安定所(ハローワーク)
5 年金事務所
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題18(解答と解説)
各機関の役割を確認する問題です。
答えは、「2」です。
1 地域包括支援センター
【×】誤りです。地域包括支援センターは、介護保険法に基づき、高齢者が地域で安心して生活できるよう健康相談や介護サービスの調整など包括的に支援をする施設です。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が配置されています。
2 福祉事務所
【○】正しい選択肢です。福祉事務所は、社会福祉法に規定されている、社会福祉行政機関です。生活保護の申請受付や高齢者、障害者への支援、母子・父子といったひとり親の支援事務などを行います。地域の社会福祉の窓口です。
今回の問題では、Eさんが『就労をしていない、お金がなくて家賃を滞納している、生活に困っている』との記載があるため、生活保護の申請窓口である福祉事務所へ相談することが最も適切です。
3 精神保健福祉センター
【×】誤りです。精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づき、精神的な問題や障害を持つ人を支援する施設です。精神科医やカウンセラーが相談に応じ、適切な治療や社会復帰、自立支援を行います。また、家族へのサポートや、地域社会との連携も行っています。
4 公共職業安定所(ハローワーク)
【×】誤りです。公共職業安定所は、職業安定法に規定された仕事を探す人と従業員を探す企業を支援する公的な機関です。求人情報の相談、職業相談、失業手当の申請受付などを行っています。
5 年金事務所
【×】誤りです。年金事務所は、年金に関する手続きを行う公的な施設です。年金の加入、支給申請、受給資格の確認などの業務を行っています。