総合問題4
次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。
[事例]
Fさん(20歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり,自宅で母親(50歳),姉(25歳)と3人で暮らしている。
Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが,自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また,自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。
仕事をしている母親に代わり,小さい頃から食事や排泄の介護をしている姉は,これまでFさんの行動を止めることができていたが,最近ではからだが大きくなり力も強くなって,母親と協力しても止めることが難しくなっていた。
家族で今後のことを考えた結果,Fさんは障害者支援施設に入所することになった。
問題125
Fさんが施設に入所して1年が経った。介護福祉職は,Fさん,母親,姉と共にこれまでの生活と支援を振り返り,当面,施設で安定した生活が送れるように検討した。
次のうち,Fさんの支援を修正するときに利用するサービスとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域定着支援
2 計画相談支援
3 地域移行支援
4 基幹相談支援
5 基本相談支援
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題125
Fさんの利用サービスを選ぶ問題です。
答えは、「2」です。
1 地域定着支援
【×】誤りです。地域定着支援は、単身等で生活する障害者が地域で安心して暮らせるように、常に連絡がとれる体制をつくり、緊急時に相談や緊急対応を行うものです。支援を修正するサービスではないため、適切ではありません。
2 計画相談支援
【○】正しい選択肢です。計画相談支援は、障害者が必要な福祉サービスを受けられるよう、サービス等利用計画書の作成や定期的に計画の見直しを行うものです。Fさんが受ける支援の修正は計画相談支援です。
3 地域移行支援
【×】誤りです。地域移行支援は、障害者が施設や病院から地域での自立した生活に移行できるよう支援するものです。住居探しや生活準備、社会参加のための支援を行い、施設から地域へのスムーズな移行を支援します。支援を修正するサービスではないため、適切ではありません。
4 基幹相談支援
【×】誤りです。障害者やその家族が地域で適切な支援を受けられるよう、専門職員が総合的な相談対応や支援調整を行う窓口を基幹相談支援センターといいます。基幹相談支援という支援はありません。
5 基本相談支援
【×】誤りです。基本相談支援は、障害福祉に関するさまざまな相談に応じるものです。障害者やその家族からの相談支援に対して、必要な情報提供や助言を行います。すでにFさんは障害福祉サービスを利用しているため適切ではありません。
#障害者総合支援法 #相談支援