解答と解説
問題123
Fさんの状態に該当する障害を選ぶ問題です。
答えは、「4」です。
自閉症スペクトラム障害は、先天的な脳の機能障害で、対人関係やコミュニケーションに困難があり、特定の行動や興味に強いこだわりを持つ発達障害です。
症状は早期の段階で出現しますが、症状の現れ方は人によって異なり、軽度から重度まで幅があります。
Fさんの自宅に帰ってきた状態に該当するのは、次の部分です。
これらの状態と選択肢の障害を確認していきます。
1 学習障害
【×】誤りです。学習障害は、全般的に知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」など特定の課題の修得・使用だけが他と比べて著しくうまくいかない状態をいいます。Fさんは重度の知的障害なので適切ではありません。
2 注意欠陥多動性障害
【×】誤りです。注意欠陥多動性障害(ADHD)は、注意力の欠如、多動性、衝動性が特徴の発達障害です。落ち着きがない、じっとしているのが難しいなど日常生活に支障をきたす行動が見られます。Fさんの状態とは異なるため、適切ではありません。
3 高次脳機能障害
【×】誤りです。高次機能障害とは、脳の損傷により、記憶や注意、判断力などの低下が主な原因となり、日常生活や社会生活への適応が難しくなる障害です。感情のコントロール、コミュニケーション能力、意欲などが低下し、感情が不安定になるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。Fさんは自閉症スペクトラム障害によるものなので、適切ではありません。
4 強度行動障害
【○】正しい選択肢です。強度行動障害は、自傷行為や他害行為、物を壊すなどの激しい行動が頻繁に起こる障害です。知的障害や発達障害を持つ人に多く見られ、自分のこだわりをコントロールできず日常生活に大きな支障をきたします。Fさんの状態です。
5 気分障害
【×】誤りです。気分障害は、気分や感情の調整が困難になる精神疾患で、主に「うつ病」や「双極性障害」が含まれます。うつ病は気分が極端に落ち込む状態が続き、双極性障害は、気分の高揚と抑うつの周期的な変動が特徴です。事例からはこの状態は読み取れないため、適切ではありません。
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