個別問題

【第34回試験】問題32(コミュニケーション技術)

コミュニケーション技術ぎじゅつ

つぎ事例じれいんで,問題もんだい31問題もんだい32 についてこたえなさい。

事例じれい

Kさん(83さい女性じょせい要介護ようかいご3)は,10年前ねんまえ脳出血のうしゅっけつ(cerebral hemorrhage)による後遺症こういしょう高次脳こうじのう機能きのう障害しょうがい(higher brain dysfunction)がある。感情かんじょうのコントロールがむずかしく,興奮こうふんすると大声おおごえをあげておこりだす。現在げんざいは,訪問介護ほうもんかいご(ホームヘルプサービス)を利用りようしながら,自宅じたく長男ちょうなん(60さい)と二人ふたりらしをしている。
長男ちょうなんは,会社かいしゃを3年前ねんまえ早期そうき退職たいしょくし,Kさんの介護かいご専念せんねんしてきた。顔色かおいろわるく,介護かいごによる疲労ひろううったえているが,「介護かいごつづけて,はは自宅じたく看取みとりたい」とつよ希望きぼうしている。別居べっきょしている長女ちょうじょは,長男ちょうなん様子ようす心配しんぱいして,「母親ははおや施設しせつ入所にゅうしょ手続てつづきをすすめたい」という意向いこうしめしている。

問題もんだい32

長男ちょうなんたいする訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)の対応として,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 長男自身ちょうなんじしん意向いこうえる必要ひつようはないとはげます。
2 Kさん本人ほんにん意向いこう不明ふめいなため,長男ちょうなん希望きぼうとおらないとつたえる。
3 これまでの介護かいごをねぎらい,自宅じたくでの看取みとりを希望きぼうする理由りゆうたずねる。
4 自宅じたくでの生活せいかつ継続けいぞくするのは限界げんかいだと説明せつめいする。
5 長女ちょうじょうように,施設入所しせつにゅうしょ手続てつづきをすすめることがただしいとつたえる。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

解答かいとう解説かいせつ

問題もんだい32

在宅ざいたく介護かいごをする家族かぞくへのかかわりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

1 長男自身ちょうなんじしん意向いこうえる必要ひつようはないとはげます。

【×】あやまりです。「介護かいごによる疲労ひろううったえている」という記述きじゅつからもはげます行為こうい適切てきせつではありません。

2 Kさん本人ほんにん意向いこう不明ふめいなため,長男ちょうなん希望きぼうとおらないとつたえる。

【×】あやまりです。本人ほんにん意向いこうはもちろん最優先さいゆうせんしなければいけない事項じこうですが、しゅたる介護者かいごしゃである長男ちょうなんたいし、「とおらない」とはな行為こうい適切てきせつではありません。

3 これまでの介護かいごをねぎらい,自宅じたくでの看取みとりを希望きぼうする理由りゆうたずねる。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。「介護かいごによる疲労ひろう」がみられるのは事実じじつですので、まずは長男ちょうなん気持きもちにこころせ、その気持きもちを理解りかいしようとすることが大切たいせつです。

4 自宅じたくでの生活せいかつ継続けいぞくするのは限界げんかいだと説明せつめいする。

【×】あやまりです。いままでの行為こうい否定ひていすることになります。介護かいご専門職せんもんしょくとして、本人ほんにん意向いこう家族かぞく意向いこう調整ちょうせいしていくことも訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)の大切たいせつ役割やくわりです。

5 長女ちょうじょうように,施設入所しせつにゅうしょ手続てつづきをすすめることがただしいとつたえる。

【×】あやまりです。しゅたる介護者かいごしゃ長男ちょうなんですので、長男ちょうなん意向いこう無視むしすることは適切てきせつではありません。家族かぞく意向いこうわないことも現場げんばではよくられます。介護かいご専門職せんもんしょくとして、本人ほんにん意向いこう家族かぞく意向いこう調整ちょうせいしていくことも訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)の大切たいせつ役割やくわりです。

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