解答と解説
利用者家族とコミュニケーションをとる際の介護福祉職の「姿勢」「向き合い方」に関する問題です。
答えは、「5」です。
利用者や家族とのコミュニケーションでまず大切な姿勢は次の3つです。
- 傾聴
- 受容
- 共感的理解
この3つを基本姿勢がしっかりと身についていれば、解ける問題です。
実際に介護福祉職が不適切だったと反省したのも、この姿勢がなかったからですね。
1 「お母さんに施設へ入所してもらうことを検討してはどうですか」
【×】家庭での介護が「疲れてきた」という相談に対して、入所の検討を進めることは、今までの家族の介護を否定することになり、家族が抱える苦労を受容、共感したことになりません。
2 「私も疲れているので,よくわかります」
【×】ご家族の疲れと介護福祉職の疲れは比べられるものではありません。
家族の立場で気持ちを受け止め、その悩みを共感し理解する姿勢が欠けています。
3 「認知症(dementia)の方を介護しているご家族は,皆さん疲れていますよ」
【×】2と同じように、ご家族の悩みや苦労はその人の状況によって違います。他の家族と比べるものではありません。
4 「近所の人に助けてもらえるように,私から言っておきます」
【×】周りの人の助けをお願いすることは、家族の心身的負担を増やすこともあります。プライバシーの観点からも、介護福祉職だけで判断できることではありません。Bさんも「誰かに助けてもらいたい」と相談していませんので、この時点で介護福祉職が言うことではありません。
5 「お母さんのために頑張ってきたんですね」
【○】「頑張ってきたんですね」の「ね」は、相手と同じ気持ちを確認するときに使う「ね」です。今までご家族が頑張ってきた介護を認め、受容する発言なので、最も適切な発言といえます。
#傾聴 #受容 #共感