個別問題

【第34回試験】問題2(人間の尊厳と自立)

人間にんげん尊厳そんげん自立じりつ

問題もんだい2

Aさん(80さい女性じょせい要介護ようかいご1)は,筋力きんりょく理解力りかいりょく低下ていかがみられ,訪問介護ほうもんかいご(ホームヘルプサービス)を利用りようしている。訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)がいない時間帯じかんたいは,どうきょしている長男ちょうなん(53さい無職むしょく)にたよって生活せいかつをしている。長男ちょうなんはAさんの年金ねんきん生計せいけいてていて,ほとんど外出がいしゅつしないでいえにいる。あるとき,Aさんは訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)に,「長男ちょうなん暴力ぼうりょくがひどくてね。このあいだなぐられて,とてもこわかった。長男ちょうなんにはわないでね。あとでなにをされるかわからないから」とはなした。訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)は,Aさんのからだに複数ふくすうのあざがあることを確認かくにんした。
訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)の対応たいおうかんするつぎ記述きじゅつのうち,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 長男ちょうなん虐待ぎゃくたいうたがい,上司じょうし報告ほうこくし,市町村しちょうそん通報つうほうする。
2 長男ちょうなん仕事しごとつかるようにハローワークを紹介しょうかいする。
3 Aさんの気持きもちを大切たいせつにしてなにもしない。
4 すぐに長男ちょうなん別室べっしつび,事実じじつ確認かくにんする。
5 長男ちょうなん暴力ぼうりょくづいたかを近所きんじょひと確認かくにんする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

解答かいとう解説かいせつ

問題もんだい2

高齢者虐待こうれいしゃぎゃくたいかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

1 長男ちょうなん虐待ぎゃくたいうたがい,上司じょうし報告ほうこくし,市町村しちょうそん通報つうほうする。

【○】高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほうでは、養護者ようごしゃ家族かぞくなど)による虐待ぎゃくたい発見はっけんしたひとは、高齢者こうれいしゃ生命せいめいまたは身体しんたい重大じゅうだい危険きけんしょうじている場合ばあいは、すみやかに市町村しちょうそん通報つうほうしなければならないさだめています。

また、高齢者虐待こうれいしゃぎゃくたい通報つうほうをしても、守秘義務違反しゅひぎむいはんにはなりません


2 長男ちょうなん仕事しごとつかるようにハローワークを紹介しょうかいする。

【×】もし、虐待ぎゃくたいをする理由りゆう長男ちょうなんはたらいていないのことであったとしても、まずはAさんにたいする長男ちょうなん虐待ぎゃくたいについて対応たいおうする必要ひつようがあります。

3 Aさんの気持きもちを大切たいせつにしてなにもしない。

【×】Aさんは「長男ちょうなんにはわないでね」とっていますが、「とてもこわかった」ともっています。複数ふくすうのあざを確認かくにんしていることからも、身体しんたい重大じゅうだい危険性きけんせいがあると判断はんだんできるため、なにもしないということは通報義務つうほうぎむ違反いはんしていることになります。

4 すぐに長男ちょうなん別室べっしつび,事実じじつ確認かくにんする。

【×】長男ちょうなんへの確認かくにんは、Aさんの言葉ことばからも、虐待ぎゃくたい悪化あっかさせる可能性かのうせいがあります。まずは、Aさんを虐待ぎゃくたいからまもることを優先ゆんせんにしてかんがえることが大切たいせつです。

5 長男ちょうなん暴力ぼうりょくづいたかを近所きんじょひと確認かくにんする。

【×】虐待ぎゃくたいについては、訪問介護員ほうもんかいごいん(ホームヘルパー)があざを確認かくにんしています。また、Aさん本人ほんにんからも「長男ちょうなん暴力ぼうりょくがひどい」という言葉ことばいています。
そのため、これ以上いじょう確認かくにん通報後つうほうご調査ちょうさまかせるべきで、まずは通報つうほうすることが必要ひつようです。

#高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう