外国人が介護現場で働くことができるようなったのが、2008年。
制度が複雑なこともあり、自分がどのような資格で働いているのかよくわかっていない人も多いと感じています。
ここでは、外国人が介護福祉士になるための流れを紹介します。
介護福祉士とは
まずは、「介護福祉士」とは何かしっかりと理解しましょう。
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする介護に関する日本で唯一の国家資格です。
国家資格のため、令和2年4月に在留資格「介護」が創設され、介護福祉士の資格を取得したルートにかかわらず、この資格を持ち、介護又は介護の指導を行う業務をする人には、在留が許可されるようになりました。
在留期間の上限もなく、何度でも更新することができます。
日本の介護現場で長く働きたいと考える人は、必ず介護福祉士の資格を取ることを目標にしてほしいです。
外国人が介護福祉士になるまでの流れ
介護福祉士を受験するには、条件があります
それでは、介護福祉士になるにはどうしたいいのか見ていきましょう。
介護福祉士はなろうと思って、誰でも試験を受けられる資格ではありません。
外国人が介護福祉士をとるには、上の図のように大きく3つのルートがあります。
どのルートも2年以上の期間が必要となります。
また、試験の実施は、毎年1回。毎年1月に行われています。
自分の在留資格、在留期間も頭に入れたうえで、受験に向けた準備をしましょう。
介護福祉士になるための3つのルート
それでは、ここからはそれぞれのルートについて説明します。
養成施設ルート
介護福祉士養成施設(介護福祉士になるための勉強をする専門学校)で、2年以上必要な知識・技術を学んだあとに、介護福祉士国家試験を受験・合格して、資格を取るルートです。
専門学校に入るには、授業についていくための日本語能力(JLPT・N2レベル)が必要となるので、日本語学校に入学して、日本語を学んでから、専門学校に入る人が多いです。
筆記試験のみで、実技試験は免除になります。
養成施設を令和9年3月31日までに卒業すると、卒業してから5年間介護現場で働くことで、介護福祉士になることができます。
合格するか、5年間継続して介護現場で働くかのどちらかを選ぶ必要があります。
継続して働くことがポイントですので、自分の人生プランをしっかり立ててください。
実務経験ルート
介護施設などで実務経験が3年以上あり、実務者研修を修了することで介護福祉士国家試験を受けることができるルートです。
介護現場で仕事をしながら、合格に向けた試験勉強をし、介護福祉士国家試験を受験・合格して、資格を取ります。
技能実習生や特定技能で在留をしている人は、このルートで受験をすることになります。
受験する年の3月31日まで(2022年1月受験の場合は、2022年3月31日まで)で3年以上働くことで実務経験を計算します。
特定技能で在留している人は、上限が5年ですので、1回でも多くチャレンジしたい人は、入国・就労開始日には注意をしたいですね。
4月に就労を開始すると、一番多く試験にチャレンジできます。
実務経験ルートも、筆記試験のみで実務試験は免除です。筆記試験に集中して勉強ができますね。
経済連携協定(EPA)ルート
EPA介護福祉士候補者として入国をし、介護施設で3年間の実務経験後、介護福祉士国家試験を受験するルートです。
EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定に基づいて、一定の要件を満たし、一定の要件を満たす介護施設で就労をしながら、国家資格の取得を目指すことを認められた人です。
インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国の人が対象です。
同じ国の出身者であっても、この経済連携協定の枠組みで入国をしていないと、このルートの対象にはなりません。
就労期間が4年間と決められていますので、経済連携協定の枠組みの期間中に、試験を受けることができるのは1回ですが、試験の点数によっては、1年間延長できることもあります。
実技試験については、「実務者研修」や「介護技術講習」などを修了することで免除することもできますが、受講しない場合は、「実技試験」にも合格しなければいけません。
筆記試験に集中したい人は、お金はかかりますが、事前に研修などを受けたほうがいいでしょう。
外国籍の人はふりがな付きの問題用紙を選べる
在留期間と照らし合わせても、外国人は試験を受験できる回数が限られているので、資格を取るのはとても大変です。
最近では、少しずつ外国籍の人でも介護福祉士国家試験を受験しやすくなってきています。
外国籍の人、または日本に帰化された人については、受験を申し込む時に、手続きをすれば、ふりがな付きの問題用紙を選ぶことができ、また試験時間についても通常の1.5倍に延長をしてもらうことができるようになりました。
漢字が苦手な人は、ふりがな付きの問題用紙を選ぶことを前提に、試験勉強をしてみるのもいいと思います。
申込みの時に、申請をしなければ、ふりがな付きの問題用紙を配布されたり、試験時間が延長になりません。
まとめ
外国人が介護福祉士になるためのルートについて説明をしました。
国家試験に合格するのは、とても大変です。
しかし、日本の介護現場でずっと働きたいという人には絶対にこの資格を取ることをすすめます。
介護福祉士になると、自分ができる仕事の範囲も広がって、今よりもっとできることが増えます。
難しい試験ですので、自分のなかでしっかりと計画を立てて、合格に向けて頑張りましょう。