生活支援技術
問題43
次のうち,右片麻痺の利用者が前開きの上着を着脱するときに介護福祉職が行う説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
2 「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
3 「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
4 「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
5 「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題43(解答と解説)
片麻痺のある利用者の前開きの上着の着脱介助に関する問題です。
答えは、「5」です。
今回は、前開きの上着の着脱方法です。
片麻痺のある利用者の介助では、着るときは麻痺側(患側)から、脱ぐときは健側から行うことが基本です。
1 「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
【×】誤りです。腕を抜くとは、袖の中から腕を出して服を脱ぐことです。脱ぐときは、動かしやすい左側からです。
2 「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
【×】誤りです。脱ぐときは、動かしやすい左側からです。
3 「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
【×】誤りです。襟元とは、首の周りの衣服の部分のことです。襟元は手前ではなく、奥(膝側)に向けて置きます。
4 「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
【×】誤りです。着るときは、麻痺のある右側からです。肘までではなく、肩までしっかり通してから、左袖を通します。
5 「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
問題44
次の記述のうち,介護老人福祉施設における食事に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食堂の換気は,不要である。
2 食事中は,会話を控えるようにする。
3 食事が楽しくなるような雰囲気をつくる。
4 食べ終わった利用者の食器は,すぐに下膳する。
5 照明は,明るさを25 ルクス(lx)以下にする。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題44(解答と解説)
介護老人福祉施設における食事環境の整え方と、食事を楽しむための支援に関する問題です。
答えは、「3」です。
日常生活の場である介護老人福祉施設では、食事は栄養をとるだけでなく、楽しみや人との交流の時間でもあります。快適な環境づくりが大切です。
1 食堂の換気は,不要である。
【×】誤りです。食堂では、食べ物のにおいや二酸化炭素がたまりやすいため、適切な換気が必要です。
2 食事中は,会話を控えるようにする。
【×】誤りです。食事の時間は、栄養をとるだけでなく、人との交流を楽しむ大切な時間でもあります。状況に応じた配慮は必要ですが、みんなが同じように会話を控えるようにすることは適切ではありません。
3 食事が楽しくなるような雰囲気をつくる。
【○】正しい選択肢です。食事をおいしく感じられるように、明るさ、におい、会話、雰囲気など食事環境を整えることが大切です。食欲の向上や生活の質の向上にもつながります。
4 食べ終わった利用者の食器は,すぐに下膳する。
【×】誤りです。下膳とは、食事が終わった後に食器を片付けることです。食器はすぐに片付けるのではなく、利用者のペースや食事後のゆとりに配慮し、利用者に声掛けをしてから片付けるようにします。
5 照明は,明るさを25 ルクス(lx)以下にする。
【×】誤りです。ルクス(lx)とは、明るさを表わす単位です。
25ルクスは、夜間の廊下程度の明るさで、食事をする環境としては暗すぎます。食堂では、料理がはっきり見え、おいしそうに感じる300~500ルクス程度の明るさが望ましいです。
♯介護老人福祉施設 ♯食事
問題45
次の記述のうち,椅子に座って食事をするときに,利用者が食事をしやすい姿勢を確保するための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 足底を床につけてもらう。
2 テーブルと身体の間は30cm離してもらう。
3 椅子に浅く座ってもらう。
4 体幹を後方に傾けてもらう。
5 顎を上げてもらう。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題45(解答と解説)
食事をするときの姿勢に関する問題です。
答えは、「1」です。
椅子に座って食事をするときは、足底をしっかり床につけ、安定した姿勢をとることが大切です。これにより、食べやすく、また誤嚥の予防にもつながります。
1 足底を床につけてもらう。
【○】正しい選択肢です。足底を床についていると、姿勢が安定し、食べ物を飲み込みやすくなります。
2 テーブルと身体の間は30cm離してもらう。
【×】誤りです。テーブルと身体の間が離れすぎると、食器に手が届きにくくなり、前かがみの不安定な姿勢になってしまいます。
3 椅子に浅く座ってもらう。
【×】誤りです。食事のときは、椅子に深く座り、背もたれも活用しながら安定した姿勢をとることが大切です。
4 体幹を後方に傾けてもらう。
【×】誤りです。体幹を後ろに傾けると、食べ物を飲み込みにくくなったり、誤嚥しやすくなったりするため、危険です。
5 顎を上げてもらう。
【×】誤りです。食事をするときに顎を上げると、気道が開きやすくなり、誤嚥の危険が高くなります。顎を軽く引いた姿勢を保つことが大切です。
問題46
咀嚼機能が低下した利用者の食事介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 大きめのスプーンで吸い込むように食べてもらう。
2 一口量は,ティースプーンに軽く一杯を目安にする。
3 食べる順番は,介護福祉職の判断で行う。
4 スプーンは,舌の奥にのせるように入れる。
5 咀嚼が始まったら,すぐに次の食べ物を口に入れる。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題46(解答と解説)
咀嚼機能が低下した利用者に対する、安全な食事介助の方法に関する問題です。
答えは、「2」です。
咀嚼機能とは、食べ物をかんで細かくする機能のことです。
咀嚼機能が低下している利用者には、一口量を少なくし、利用者のかむペースに合わせて食事介助を行うことが大切です。
1 大きめのスプーンで吸い込むように食べてもらう。
【×】誤りです。咀嚼機能が低下した利用者に大きめのスプーンで多くの食べ物を口に入れると、十分にかめず、誤嚥の危険が高くなります。また、吸い込むと食べ物が勢いよくのどへ流れ込んでしまい、これもまた誤嚥につながります。
2 一口量は,ティースプーンに軽く一杯を目安にする。
3 食べる順番は,介護福祉職の判断で行う。
【×】誤りです。食べる順番は、利用者本人の希望や食べやすさを考えて決めることが大切です。介護福祉職の判断で決めることではありません。
4 スプーンは,舌の奥にのせるように入れる。
【×】誤りです。プーンを舌の奥に入れると、むせたり、誤嚥したりする危険があります。
5 咀嚼が始まったら,すぐに次の食べ物を口に入れる。
【×】誤りです。咀嚼とは、食べ物をかむことです。利用者がかみ始めたら、十分にかみ終わり、飲み込んだことを確認してから、次の食べ物を口に入れます。
問題47
Aさん(80歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設で生活している。食事は見守りのもとでほぼ自力で摂取しているが,嚥下機能は低下してきている。医師からは,食事摂取に配慮するように指導されている。ある日の昼食中,Aさんは食事を1/3 ほど食べたところで箸を止め,表情がこわばり,呼吸もやや浅くなった。
次の記述のうち,介護福祉職が医療職に報告すると同時に,最初に行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血圧を測定する。
2 口腔の状況を観察する。
3 口すぼめ呼吸を促す。
4 その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
5 すぐに薬を服用してもらう。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題47(解答と解説)
食事中に誤嚥や窒息が疑われる利用者への初期対応に関する問題です。
答えは、「2」です。
誤嚥や窒息が疑われる場合、医療職への報告はもちろんですが、初期の対応がとても重要です。選択肢を見ながら、確認をしていきましょう。
1 血圧を測定する。
【×】誤りです。血圧を測定することは利用者の状態を把握するために重要ですが、食事中に急に呼吸が浅くなった場合は、まず優先するのは、窒息や誤嚥の可能性を確認することです。
2 口腔の状況を観察する。
【○】正しい選択肢です。「食事中に箸を止め、表情がこわばり、呼吸が浅くなった」とあるため、食べ物が口の中やのどに残っている、あるいは誤嚥や窒息が起きている可能性を疑い、口の中を観察し、安全を確認することが最も重要です。
3 口すぼめ呼吸を促す。
【×】誤りです。口すぼめ呼吸とは、鼻から息をすい、口をすぼめてゆっくり息を吐く呼吸方法のことです。口すぼめ呼吸は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで呼吸を楽にするために行う方法で、今回の対応としては適切ではありません。
4 その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
【×】誤りです。食事中に窒息や誤嚥が疑われる利用者を仰臥位(背臥位)にすると、食べ物がさらに気道に入りやすくなり、危険です。
5 すぐに薬を服用してもらう。
【×】誤りです。介護福祉職の判断だけで薬を服用してもらうことはできません。
問題48
ベッド上で行う陰部洗浄に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 滅菌手袋を使用して行う。
2 上半身はベッドの手前端に移動する。
3 バスタオルで両下肢を包む。
4 洗浄する時は,43℃のお湯を用いる。
5 終了後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題48(解答と解説)
ベッド上で行う陰部洗浄の基本的な方法に関する問題です。
答えは、「3」です。
陰部洗浄では、清潔を保つだけでなく、利用者の羞恥心(恥ずかしいと感じる気持ち)に配慮することが大切です。
1 滅菌手袋を使用して行う。
【×】誤りです。滅菌手袋とは、細菌やウイルスを完全に除去した手袋のことで、手術などの場面で使用するものです。陰部洗浄は使い捨ての清潔な手袋を使用します。
2 上半身はベッドの手前端に移動する。
【×】誤りです。陰部洗浄を行うときは、利用者が安全で楽な姿勢をとれるようにすることが大切です。上半身ではなく、腰部をベッドの手前端に寄せるようにします。
3 バスタオルで両下肢を包む。
【○】正しい選択肢です。陰部洗浄では、利用者の羞恥心に配慮するため、バスタオルで両下肢を包むようにします。
4 洗浄する時は,43℃のお湯を用いる。
【×】誤りです。陰部洗浄に使用するお湯の温度は、一般的に38~40℃程度が適切です。
5 終了後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
【×】誤りです。終了後は、乾いたタオルでやさしく水分を拭き取ります。水分が残ったまま衣服をつけてしまうと、肌トラブルの原因になります。
問題49
腹部の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。
次のうち,基本的な清拭の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題49(解答と解説)
腹部の清拭の基本に関する問題です。
答えは、「2」です。
腹部の清拭は、皮膚の汚れを落とすだけでなく、「腸の蠕動運動を刺激し、排便を促す」という重要な目的があります。
1 横方向に何度も方向を変える・上から下
【×】誤りです。便の進むルートを無視した拭き方です。
2 へそを中心として、時計回りに円を描く
3 縦方向に何度も方向を変える
【×】誤りです。便の進むルートを無視した拭き方です。
4 反時計回りの円を描く
【×】誤りです。最も注意すべき間違いです。時計とは逆の動きになっているため、便が腸内を進む方向と逆に圧をかけてしまうことになります。
5 横方向に何度も方向を変える・下から上
【×】誤りです。便の進むルートを無視した拭き方です。
問題50
Aさん(55歳,男性,会社員)は,20歳のときに交通事故で第5頚髄(C5)を損傷した。現在,電動車いすを利用し,自宅で自立した生活を送っている。身体状況は安定しているが,ときどき仙骨部に褥瘡ができることがある。入浴は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用していて,訪問介護員(ホームヘルパー)が福祉用具を用いて入浴介護をしている。
次のうち,Aさんが入浴時に使用している福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 移乗台
2 バスボード
3 入浴用リフト
4 浴槽用手すり
5 滑り止めマット
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題50(解答と解説)
頸髄損傷の利用者が、安全に入浴するために使用する福祉用具に関する問題です。
答えは、「3」です。
頸髄損傷とは、首の脊髄が傷つくことで起こる障害です。
第5頸髄(C5)を損傷すると、肩や肘、前腕の一部はある程度動かせますが、手を用いた動き以外に制限があり、ほとんどのADLは介護が必要になります。
福祉用具は、障害の程度や残っている身体機能に合わせて、適切に選びます。
1 移乗台
【×】誤りです。移乗台は、浴槽の外に設置し、利用者が座ったまま浴槽に出入りできるようにするものです。自力で座位を保つことが難しいAさんには適していません。
2 バスボード
【×】誤りです。バスボードは浴槽の両縁に取り付けて、座ったまま浴槽をまたぐための福祉用具です。自力で座位を保つことが難しいAさんには適していません。
3 入浴用リフト
4 浴槽用手すり
【×】誤りです。手すりは、利用者本人が「握って」体を支えるためのものです。Aさんは指を曲げて握ることが難しいため、適切ではありません。
5 滑り止めマット
【×】誤りです。滑り止めマットは、浴室内での転倒を防ぐためのものです。お尻が滑らないように浴槽内で使うものや洗い場で使うものなどがあります。体幹が安定しないAさんが使用する福祉用具としては適切ではありません。
問題51
Aさん(85歳,男性,要介護3)は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で生活をしている。入所時,Aさんは,尿意や便意はあり,自分でトイレに行って排泄できていた。最近,認知機能の低下によって,トイレ以外の場所で排泄するようになった。
次の記述のうち,Aさんの状態に合わせた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 骨盤底筋訓練を行う。
2 紙おむつを使用する。
3 一日の水分摂取量を減らす。
4 ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
5 トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題51(解答と解説)
認知症のある利用者に対する排泄支援に関する問題です。
答えは、「5」です。
認知機能とは、記憶する、考える、判断する、時間や場所を理解するなどの脳の働きのことです。
Aさんは、認知機能の低下により、トイレの場所がわからなくなったり、何をすればいいのかわからなくなったりしている状態です。
認知症の利用者への支援では、できなくなったことを責めるのではなく、わかりやすい環境を整えて、できることを支援することが大切です。
1 骨盤底筋訓練を行う。
【×】誤りです。骨盤底筋訓練とは、排尿や排便をコントロールする筋肉を鍛える訓練のことです。Aさんは尿意や便意はあるため、この訓練を行ったからといって今の課題を改善することにはつながりません。
2 紙おむつを使用する。
【×】誤りです。Aさんは尿意や便意はあり、トイレに行って排泄することはできていました。紙おむつを使用するのではなく、トイレを利用しやすい環境を整えることを優先します。
3 一日の水分摂取量を減らす。
【×】誤りです。トイレの失敗を減らすために水分量を減らすことは、脱水や便秘、尿路感染症などの原因になり危険です。水分を減らすのではなく、トイレを利用しやすい環境を整えることを優先します。
4 ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
【×】誤りです。介護では個別ケアが基本です。排泄のタイミングは人によって違うため、本人の排泄パターンや生活リズムに合わせてトイレへ誘導します。
5 トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。
【○】正しい選択肢です。Aさんは認知機能の低下により、トイレの場所がわからなくなっていると考えられます。Aさんがトイレの場所を認識しやすいようにすることが適切な支援です。
♯アルツハイマー型認知症 ♯認知機能