介護の基本
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問題8
Aさん(91歳,女性,要支援2)は,長年診療所の医師として地域医療に貢献してきた。婚姻歴はなく,診療所敷地内の自宅で3匹の猫と暮らしている。85歳で医師を引退した後も,近隣にはAさんを慕う地域住民が多く,定期的に,「先生,元気にしてますか」とAさんの自宅を訪ねている。Aさんは昨年から歩行の不安を訴え,現在は地域住民の見守りのほか,訪問型サービスを週2回利用している。人の世話になることに慣れていない様子もあるが,最期まで自宅で暮らすことを望んでいる。次の記述のうち,Aさんの生活史を尊重した訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「3匹の猫は,今後は地域の皆さんに預けましょう」
2 「近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう」
3 「介護を受けることにも,今後は慣れてください」
4 「医師であったことは忘れて,私たちを頼ってください」
5 「一人暮らしで自宅で最期を迎えるのは,不安がありますよね」
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題8
利用者の生活史を尊重した「声かけ」に関する問題です。
答えは、「2」です。
介護では、利用者のこれまでの人生・役割・大切にしていること(生活史)を尊重することが重要です。
否定せず、今の生活を支える声かけが大切です。
1 「3匹の猫は,今後は地域の皆さんに預けましょう」
【×】誤りです。Aさんにとって猫は大切な家族のような存在です。
それを手放すように言うのは、生活史や気持ちを否定する対応であり適切ではありません。
2 「近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう」
【○】正しい選択肢です。Aさんは地域の人とのつながりが強く、自宅で生活を続けたいと考えています。
そのため、地域の支えを活かしながら生活を続ける提案は、Aさんを尊重した適切な声かけです。
3 「介護を受けることにも,今後は慣れてください」
【×】誤りです。Aさんは人に頼ることに慣れていないため、「慣れてください」という言い方は、一方的で本人の気持ちに寄り添っていません。
4 「医師であったことは忘れて,私たちを頼ってください」
【×】誤りです。Aさんは長年医師として地域の人を助ける仕事をしてきました。
その経験やこれまで頑張ってきたことを「忘れてください」と言うのは、生活史を否定することになります。
5 「一人暮らしで自宅で最期を迎えるのは,不安がありますよね」
【×】誤りです。本人は「自宅で最期まで暮らしたい」と希望しているため、不安を決めつけず、Aさんの思いを尊重することが大切です。