コミュニケーション技術
試験用タイマー
開始ボタンを押すとタイマーがスタートします(目安時間:2分)
問題78
Cさん(55歳,男性)は,知的障害がある。3か月前に,施設から居宅での一人暮らしに移行し,現在は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら生活している。ある日,Cさんが,「ゴミ,分けて捨てるの,難しいよ」と言うので,室内に分別収集の説明書を貼って,カレンダーに収集日を書くことにした。そして,介護福祉職は,「この説明書とカレンダーを見て,捨てるといいですよ」とCさんに伝えた。その後,Cさんは努力していたが,分別できなかったゴミが少しずつ増えていった。
次のうち,Cさんにかける介護福祉職の最初の言葉として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「ゴミでいっぱいになる前に,適切に捨てられるようになりましょう」
2 「説明書とカレンダーをよく見てください」
3 「ゴミが増えてきて,気持ち悪いですね」
4 「がんばっていれば,上手にできるようになりますよ」
5 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題78
知的障害の人への関わり方に関する問題です。
答えは、「5」です。
知的障害のある利用者が在宅で自立した生活を送るためには、できていない点を責めるのではなく、本人の気持ちに寄り添いながら、どうやったらできようになるのか、方法を一緒に考えていく姿勢が大切です。
共感的で前向きな声かけが求められます。
1 「ゴミでいっぱいになる前に,適切に捨てられるようになりましょう」
【×】誤りです。できていない点を指摘する内容であり、プレッシャーや責められている印象を与える可能性があるため、適切ではありません。
2 「説明書とカレンダーをよく見てください」
【×】誤りです。Cさんはゴミを捨てる努力はしているので、よく見たからといって解決できるものではないと考えられ、ほかの解決策を考える必要があります。
3 「ゴミが増えてきて,気持ち悪いですね」
【×】誤りです。環境状況について責めるような声かけをしても、解決にはつながりません。
4 「がんばっていれば,上手にできるようになりますよ」
【×】誤りです。一見励ましているように見えますが、努力だけを求めており、具体的な支援策が示されていないため、解決にはつながりません。
5 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」
【○】正しい選択肢です。Cさんの「分別が難しい」という気持ちに寄り添い、一緒に方法を考えようという前向きな姿勢を示しています。最も適切な声かけです。