総合問題3
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次の事例を読んで、問題120、問題122について答えなさい。
[事例]
Dさん(男性,障害支援区分4)は,ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは,食事は自立しているが,排泄,入浴に介護が必要である。歩行はできず,移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり,日中は創作活動に取り組んでいる。
これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが,Dさんの身体機能の低下に伴い,家族の介護負担が増えたため,居宅介護を利用することになった。
問題120
Dさんの疾患で生じる病態として,適切なものを1つ選びなさい。
1 筋線維の変性
2 運動神経の変性
3 網膜の変性
4 自己免疫の低下
5 脳細胞の変性
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題120
ベッカー型筋ジストロフィーに関する問題です。
答えは、「1」です。
ベッカー型筋ジストロフィーは、筋ジストロフィーの一種で、遺伝子の異常によって筋肉がダメージを受けやすくなる病気です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーより、症状が出るのが遅く、進行も緩やかなのが特徴で、原因は筋線維そのものの変性です。
1 筋線維の変性
【○】正しい選択肢です。ベッカー型筋ジストロフィーでは、筋肉の中のタンパク質(ジストロフィン)の異常によって筋線維が壊れ、次第に筋肉が弱くなります。これが病態の本質です。
2 運動神経の変性
【×】誤りです。ベッカー型筋ジストロフィーでは、運動神経に異常はありません。運動神経が変性するのは「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などです。
3 網膜の変性
【×】誤りです。ベッカー型筋ジストロフィーでは、網膜に異常はありません。網膜が変性するのは「網膜色素変性症」などです。
4 自己免疫の低下
【×】誤りです。ベッカー型筋ジストロフィーは自己免疫の異常によるものではなく、遺伝子の異常が原因です。
5 脳細胞の変性
【×】誤りです。脳細胞が変性するのはアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患で、ベッカー型筋ジストロフィーでは脳細胞は基本的に障害されません。