解答と解説
問題114
ホーエン・ヤール重症度分類に関する問題です。
答えは、「3」です。
ホーエン・ヤール重症度分類は、パーキンソン病の重症度を示すものです。
まずは、「ホーエン・ヤール重症度分類」を整理しましょう。
ホーエン・ヤール重症度分類
ステージⅠ(初期)
症状:片側の手足や顔に軽い震えやこわばりが出る
日常生活:ほとんど支障がない
例:右手だけ小さな震えがあるが、生活に影響はない
ステージⅡ(軽度)
症状:両側に症状が出る
日常生活:姿勢や動きに少し影響が出るが、介助は不要
例:両手に震えがあり、着替えに少し時間がかかる
ステージⅢ(中等度)
症状:姿勢反射障害(バランスを崩しやすい)が出る
日常生活:一部で転倒の危険があるが、自力で生活できる
例:歩き始めに一歩が出にくく、方向転換も難しい
ステージⅣ(重度)
症状:立つ・歩く動作が大きく制限される
日常生活:日常動作に介助が必要
例:歩行は手を借りないと難しい
ステージⅤ(最重度)
症状:ほとんど歩行できず、車いすやベッドでの生活が中心
日常生活:全面的に介助が必要
例:食事や排泄など、すべての生活で介助が必要
Aさんの症状をもとに、ホーエン・ヤール重症度分類のどのステージに該当するかを判断します。
歩行の開始や方向転換の難しさなど、事例にある具体的な症状を読み取ることが重要です。
Aさんの症状に関する記載は、次の部分です。
今回問題で問われているのは、「現在のAさんの症状」であるため、3ヶ月前からは〜の部分を確認しましょう。
1 ステージⅠ
【×】誤りです。ステージⅠは、体の片側だけに軽い症状がある段階です。Aさんは方向転換が難しくなっているので、適切ではありません。
2 ステージⅡ
【×】誤りです。ステージⅡは、体の両側に症状があるものの、日常生活への影響は少なく、介助は不要な段階です。Aさんは方向転換が難しくなっているので、介助不要な段階は超えています。
3 ステージⅢ
【○】正しい選択肢です。ステージⅢは、体の両側に症状が出て、姿勢反射障害が現れる段階です。姿勢反射障害とは、バランスを保つ反応がうまくできず、転びやすくなる状態です。Aさんの状態は、ステージⅢに該当します。
4 ステージⅣ
【×】誤りです。ステージⅣは、立位や歩行が介助なしでは困難になる段階です。Aさんは歩行ができているため、まだこの段階ではありません。
5 ステージⅤ
【×】誤りです。ステージⅤは、車いすやベッド上での生活が中心になる最重度の段階です。Aさんは自力で外出し、地域包括支援センターに相談にも行っているため、適切ではありません。
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