解答と解説
問題42
慢性硬膜下血腫に関する問題です。
答えは、「3」です。
慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後、通常1~2カ月かけて、頭蓋骨の下にある硬膜(脳と脊髄を覆う膜の一つ)と脳の間にじわじわと血液がたまって血腫ができる病気です。
転倒など数カ月前の頭部外傷が原因になることがあります。
血腫が大きくなることで、脳を圧迫し、頭痛や物忘れ、認知症に似た症状など様々な症状が出ます。
診断は頭部CT検査や頭部MRI検査で行います。
血腫を取り除く外科的手術で認知症の症状が改善されることがあるため、認知症の中でも治療可能な認知症と言われることがあります。
1 運動機能障害が起こることは非常に少ない。
【×】慢性硬膜下血腫は、血腫が脳を圧迫することで様々な症状がでます。
歩きにくさや片方の手足に力が入らないなどの運動機能障害が起こることもあります。
2 頭蓋骨骨折を伴い発症する。
【×頭部外傷により、硬膜と脳の間に血腫ができる病気で、骨折を伴い発症するものではありません。
3 抗凝固薬の使用はリスクとなる。
【○】抗凝固薬とは、血液をサラサラにする薬のことです。抗凝固薬を飲んでいる人は、一般的に手術をしても再発しやすいので、使用はリスクとなります。
4 転倒の後, 2~3日で発症することが多い。
【×】慢性硬膜下血腫は、1~2カ月かけて、じわじわと血液がたまり血腫ができる病気です。時間が経ってからわかることが多いため、外傷歴がはっきりしない場合や、本人が覚えていない場合もあります。
5 保存的治療が第一選択である。
【×】血腫が小さい場合は自然に治癒することもありますが、極めてまれなケースです。通常は外科的治療が第一選択となります。
#慢性硬膜下血腫 #頭部外傷 #頭部CT検査