発達と老化の理解
問題36
高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
2 腎盂腎炎(pyelonephritis)の主な症状は,頭痛である。
3 尿の濃縮力が低下する。
4 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では,尿道の痛みがある。
5 薬物が排出される時間は,短くなる。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題36(解説)
腎・泌尿器系の機能に関する問題です。
答えは、「3」です。
高齢期になると、尿路系の感染症に罹患しやすいといった、加齢による身体機能の変化をおさえておくことが大切です。
腎機能がどのような働きをしていて、それが高齢期になるとどう変化していくのか、ポイントをおさえましょう。
1 尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
【×】尿路感染症とは、腎臓から、尿管、膀胱、尿道口までの尿路に菌が感染して炎症を起こす感染症です。
「腎盂腎炎」や「膀胱炎」などがあります。
高齢者は免疫力が低下しがちなため、尿路感染症になりやすく、また再発を繰り返しやすいです。
2 腎盂腎炎(pyelonephritis)の主な症状は,頭痛である。
【×】腎盂腎炎の主な症状は、38℃以上の高熱と、腰痛です。
3 尿の濃縮力が低下する。
【○】腎臓には、大量の発汗や下痢などで水分が多く出たときに尿を濃くする濃縮力という力と、水分をたくさん摂ったときに尿を薄くする希釈力という機能があります。身体の状況に応じてこの機能を使い分け、体内の水分量を一定に保っています。
高齢者が多尿や頻尿になるのは、この機能が低下するためです。
4 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では,尿道の痛みがある。
【×】前立腺肥大症は、男性のみにみられる疾患で、尿道付近の前立腺組織が肥大して尿道を圧迫するために起こります。
会陰部、腰などに痛みが出ます。
5 薬物が排出される時間は,短くなる。
【×】高齢者の場合は、薬の作用が長く残る場合があります。これは、肝臓・腎臓機能の低下によるものです。
#腎機能 #尿路感染症 #腎盂腎炎 #前立腺肥大症