発達と老化の理解
問題31
今,発達の実験のために,図のようなテーブル(テーブル表面の左半分が 格子柄,右半分が透明な板で床の格子柄が透けて見える)の左端に,Kさん(1歳1か月)を座らせた。テーブルの反対側には母親が立っている。Kさんは,格子柄と透明な板との境目でいったん動くのをやめて,怖がった表情で母親の顔を見た。母親が穏やかにほほ笑むと,Kさんは母親の方に近づいていった。
Kさんの行動を説明する用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自己中心性
2 愛着理論
3 向社会的行動
4 社会的参照
5 原始反射
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題31(解説)
発達に関する用語の問題です。
答えは、「4」です。
1 自己中心性
【×】「自己中心性」とは、ピアジェが提唱した概念で、自分の立場から見た関係は理解できるが、他者の見方が理解できないことを言います。
2 愛着理論
【×】愛着理論とは、ボウルビィが提唱した理念です。発達の初期(生後2~3年)の養育者へのアタッチメント(愛着)が、後の人格の発達に大きな役割を果たすとした考え方です。
3 向社会的行動
【×】何かの報酬などを期待することなく、相手のことを思いやって,または誰かのためにする行動のことを言います。
4 社会的参照
【○】自分だけで決められないことを「周りの人の反応をヒントにして、行動決定する」のことです。 意志や行動を決めなければならないとき、情報が少なければ不安を感じます。事例にある母親がほほ笑んだことで、大丈夫だと思い進んだ行動がこれに当たります。
5 原始反射
【×】幼児が特定の刺激に対して示す中枢神経によって引き起こされる反射行動のことです。無意識に出る赤ちゃんの反応や姿勢です。危険から身を守るために必要な行動で、成長するにつれて失われていきます。
#ピアジェ #ボウルビィ #愛着 #発達段階