発達と老化の理解
問題38
高齢者の脱水に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
4 下痢が原因となることはまれである。
5 体重が減ることがある。
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解答と解説
問題38(解説)
高齢者の脱水に関する問題です。
答えは、「5」です。
高齢者に起こりやすい状態として、「脱水」「便秘」「低栄養」は試験にも出やすいので、どのように予防するかも含めて整理をしておきましょう。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
【×】高齢者の身体の水分量は、若い頃に比べると約10%減ると言われています。
また、加齢とともに喉の渇きを感じる「口渇中枢」が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
【×】選択肢1でも説明したように、体内水分量は若年者のほうが10%ほど多いです。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
【×】加齢よって血圧の調整機能が低下して血管がうまく収縮しないことや、心臓の働きが弱って心臓から送られる血液の量が少なくなることで低血圧になりやすくなります。脱水症は血液量を減少させるため起立性低血圧を引き起こしますので、高齢者は脱水症に気をつけましょう。
4 下痢が原因となることはまれである。
【×】下痢のときは、本来腸に吸収されるべき水分が腸の不調により上手く吸収されず、柔らかい便や下痢として体外へ排出されます。高齢者はもともと若年者より体内水分量が少ないため、下痢は脱水の原因になります。
5 体重が減ることがある。
【○】水分は体重の2/3を占めるため、脱水症も急激な体重減少を引き起こします。
#脱水 #下痢 #起立性低血圧 #便秘