こころとからだのしくみ
問題25
Jさん(82歳,女性)は,施設に入所している。Jさんは車いすで食堂に来て,箸やスプーンを使って,自分で食事をしている。主食は普通食,おかずは刻み食で全量摂取している。最近,車いすからずり落ちる傾向があり,首が後屈した姿勢で食事をし,むせることが多くなった。
Jさんが誤嚥をしないようにするための最初の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食事回数の調整
2 座位姿勢の調整
3 使用食器の変更
4 食事の量の調整
5 食事場所の変更
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解答と解説
問題25(解説)
誤嚥に関する問題です。
答えは、「2」です。
誤嚥とは、飲み込んだ食べ物や飲み物、唾液などが食道ではなく気道(気管)に入ってしまうことを言います。
誤嚥は健康な人でも起こることがありますが、健康な人は気道内に入ってしまった物を咳などで吐き出すことができます。
しかし、高齢者などはこの吐き出す力(外に出そうとする力)が弱くなるので、食べ物や唾液にいる細菌が肺に入ってしまい、細菌が増えてしまうと、誤嚥性肺炎に繋がります。
介護福祉職として、嚥下のしくみと誤嚥の原因を理解したうえで介護を行いましょう。
ここでは、誤嚥対策として重要なポイントをおさえましょう。
- 食べ物が飲み込みにくい場合は、食事内容に注意しましょう。
喉の奥をまとまって通過しやすい嚥下食を検討してください。
- 食事時の姿勢は、重要です。姿勢を安定させる、角度を調節する、あごを引いて食べるなど利用者の食べられる力に合わせて姿勢の保持をしましょう。
逆流性誤嚥を防止するためにも、食後も2~3時間は座った姿勢で過ごすといいです。
今回の事例の場合は、「首が後屈した姿勢で食事をすると、むせることが多くなった」との情報ですので、座位姿勢の調整をするのが最も適切です。
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