社会の理解
問題11
Fさん(19歳,女性,身体障害者手帳2級)は,先天性の聴覚障害がある。 Fさんは大学生で,授業のときは手話通訳者が配置されている。Fさんは筆記による定期試験を受けることになり,試験実施に関する配慮を大学に申し出た。
次の記述のうち,Fさんの申し出を踏まえた合理的配慮として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 受験時間を延長する。
2 試験問題の文字を拡大する。
3 テキストの持ち込みを許可する。
4 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す。
5 問題を読み上げる。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題11(解説)
合理的配慮に関する問題です。
答えは、「4」です。
合理的配慮とは、障害があることによって生じる困りごとの解消や軽減に向けて、社会全体で必要な対応をしていこうという考え方のことです。
2006年の「障害者の権利に関する条約」で、国際条約では初めて「合理的配慮」の考え方が取り上げられました。
日本では、2016年施行の「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」で、障害者の性別、年齢および障害の状態に応じて合理的配慮をしなければならないとされています。
1 受験時間を延長する。
【×】受験時間の延長は、視覚障害や肢体不自由、病弱、発達障害への配慮です。聴覚障害ではスピーキング試験などで延長の配慮がされるケースがありますが、今回の事例は筆記試験なので、該当しません。
2 試験問題の文字を拡大する。
【×】視覚障害への配慮事項です。
3 テキストの持ち込みを許可する。
【×】合理的配慮には関係のない項目です。
4 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す。
【○】普段は手話通訳者から得ている情報を、書面で渡してもらうことは聴覚障害への合理的配慮と言えます。選択肢の中でも、最も適切です。
5 問題を読み上げる。
【×】視覚障害、病弱、発達障害への配慮事項です。
#障害者差別解消法 #合理的配慮