第38回試験(2026年1月実施分)から、介護福祉士国家試験の試験科目を3つのパートに分けて、一部のパートに合格した場合は、一定期間そのパートの受験が免除される制度が導入されます。
ここでは、「パート合格」について、詳しく説明をしていきます。
「パート合格」導入の経緯
介護福祉士の試験を受ける人の80%以上が、実務経験ルートの人です。
そのため、仕事をしながら勉強することが大きな課題になっていました。
また、外国人の受験者も増えていて、限られた在留期間の中で、日本語の勉強や、仕事と試験勉強の両立が難しいという問題もありました。
このような理由から、もっと受験しやすくするためのしくみについて、検討が進められてきました。
「パート合格」というしくみでは、得意な分野から合格し、苦手な分野は次の年に受けることができます。
また、不合格だったところだけを勉強すればよいので、効率よく合格を目指すことができます。
「パート合格」とは?
「パート合格」とは、試験科目をA・B・Cの3つのパートに分けて、あるパートで合格水準に達した人は、そのパートの受験が2年後まで免除されるしくみです。
第38回(2026年1月実施)国家試験より導入されます。
受験のしかた
初めて受験するとき
受験者は、初めて試験を受けるときは、全部のパートを受験します。
たとえ勉強が間に合わなかったとしても、最初の年は、全部のパートを受験しなければなりません。
再受験するとき
再受験の人は、不合格だったパートは必ず受験しなけなければなりません。
合格したパートは自分の希望で受けても、受けなくても大丈夫です。
合格したパートがない場合は、全部のパートを受験します。
3つのパートと科目について
3つのパートと科目については、次のとおりです。
科目ごとの問題数は、第37回のときと同じで、変更はありません。
Aパート:60問

Bパート:45問

Cパート:20問

合格基準について
全部のパートを受験したときの合格基準
問題の総得点の60%程度を目安に、問題のむずかしさに合わせて調整した点数以上であること、そして試験科目群すべてにおいて得点があることが合格の基準です。
今までと同じ考え方です。
パートごとの合格基準
全部のパートを受験した人のパートごとの平均得点のわりあいで分けて出した点数以上であること、さらにそのパートに含まれる科目群すべてにおいて得点があることが合格の基準です。
合格・不合格の判定について
全部のパートを受験したとき
全部のパートの総得点で合格か不合格かを判断し、結果が不合格のときはパートごとに合格か不合格かを判断します。
一部のパートのみを受験したとき
受験したパートごとに合格か不合格かを判断します。
パート合格の有効期限
介護福祉士の国家試験は、介護に必要な知識と技術があるかどうかを確認する大切な試験です。
介護の仕事に関係する制度やルールは、変わることがあるため、それに合わせた新しい知識も必要になります。
このため、合格したパートは、試験を受けた年の2年後まで有効で、その間は、そのパートの試験をもう一度受ける必要はありません。
試験の実施方法について
国家試験(筆記試験)について
試験は1日で、全部のパートの試験を行います。
受験する人の負担が大きくならないように、午前中にAパートの試験を行い、午後には「B・Cパート」、「Bパートのみ」、「Cパートのみ」の試験を同じ時間から始める方法で行います。
合格発表と結果通知について
全部のパートを合格した人だけが合格者となります。
パートごとの試験結果については、有効期限とともに試験の結果通知で確認できます。
その他
受験の申込書に「全部のパートを受験する」か「不合格パートのみ受験する」かを選ぶ欄ができます。(第39回試験から)
全部のパートを受験する人と、一部のパートだけを受験する人を比べても、受験に必要な手続きに大きな違いがないと考えられるため、受験手数料は、一律の金額で、18,380円となります(金額はみんな同じです)。