医療的ケア
試験用タイマー
開始ボタンを押すとタイマーがスタートします(目安時間:2分)
問題63
Aさん(80歳,女性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害もあるため,経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが,経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると,チューブを触りながら,「自分の口から食べたいから,このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し,チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
2 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
3 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
4 Aさんに胃ろうの造設を提案する。
5 Aさんに経口摂取を提案する。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題63
訴えがある利用者への介護福祉職の対応に関する問題です。
答えは、「3」です。
1 チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
【×】誤りです。身体を固定すると、Aさんはさらにイライラすることにつながる可能性があるため、適切な対応とはいえません。
2 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
【×】誤りです。経管栄養は医師の指示に基づいて行われる医療行為です。滴下速度は医師の指示に従います。
3 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
【○】正しい選択肢です。Aさんは口から食べたいことなどを強く訴えているため、Aさんの気持ちをまずは代弁して、医師や看護師に伝えることが最も適切な対応といえます。
4 Aさんに胃ろうの造設を提案する。
【×】誤りです。胃ろうの造設は、Aさんと医師の間で検討されるもので、介護福祉職が提案するものではありません。
5 Aさんに経口摂取を提案する。
【×】誤りです。経管栄養は医師の指示に基づいて行われる医療行為です。医師が嚥下状態等を確認し提案するものです。