発達と老化の理解
試験用タイマー
開始ボタンを押すとタイマーがスタートします(目安時間:2分)
問題36
Bさん(74歳,女性)は,地方で一人暮らしをしている。持病はなく,認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い,近所との付き合いも良好で,今の暮らしに満足している。最近,白髪が増え,友人との死別もあり,年をとったと感じている。ある日,一人息子(50歳,未婚)から,東京で一緒に住むことを提案された。Bさんは,「ここには知り合いがいるが,東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は,Bさんに,「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので,自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。
次のうち,Bさんに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Bさんには,老性自覚はみられない。
2 Bさんには,友人との死別による悲嘆がみられる。
3 Bさんは,今,住んでいる環境や生活に適応できていない。
4 Bさんには,エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
5 Bさんには,住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題36
Bさんの状況を正しく理解できているかを確認する問題です。
答えは、「5」です。
1 Bさんには,老性自覚はみられない。
【×】誤りです。老性自覚とは、自分が年を取ったことを自覚し、その変化を受け入れることです。「年をとったと感じている」という記述から、老性自覚はみられます。
2 Bさんには,友人との死別による悲嘆がみられる。
【×】誤りです。悲嘆とは、深い悲しみのことです。Bさんに関し、そのような記述はありません。
3 Bさんは,今,住んでいる環境や生活に適応できていない。
【×】誤りです。東京に住むことを提案されたときに、「ここが一番いい」と答えていることから、今の生活に適応できています。
4 Bさんには,エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
【×】誤りです。エイジズムとは、高齢者に対する偏見や差別のことです。エイジズムの考え方がみられるのは、Bさんではなく息子さんの方です。
5 Bさんには,住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
【○】正しい選択肢です。Bさんは「ここが一番いい」というほど今の環境に満足しているなかで、友人との死別や息子からの引っ越しの提案など今の現状からの変化に不安が見られます。