解答と解説
問題30
脳の機能停止(脳死)に関する問題です。
答えは、「5」です。
脳死とは、脳幹を含む脳の機能がほぼ完全に失われ回復不可能な状態です。
「法律的な死」ともいいます。
脳が働かなくなったことを示す「脳死」の基準がすべて当てはまり、臓器提供の意思が確認できれば、脳死を人の死と認めることができます。
脳死判定の基準(ポイント)
- 深い昏睡状態(目を開けたり、呼びかけに反応したりしない、深い眠りのような状態)
- 自発呼吸がない
- 瞳孔が開き、光に反応しない
- 脳幹反射(目や顔、のどの反射)がすべて消失している
- 一定時間をあけて、2回の判定を行う(通常6時間後など)
1 呼吸不全
【×】誤りです。呼吸不全は必ずしも脳の機能停止(脳死)とは限りません。
2 溢流性尿失禁
【×】誤りです。溢流性尿失禁は膀胱に尿がたまりすぎて少しずつ漏れてしまう状態です。脳の機能停止(脳死)とは関係はありません。
3 心停止
【×】誤りです。心停止は心臓が止まることです。心停止は、脳の機能停止(脳死)の判定基準にはなりません。
4 蠕動運動の減弱
【×】誤りです。蠕動運動の減弱とは、食べ物を腸の中で送る働きが弱くなり、便秘やお腹の張りが起こりやすくなる状態のことです。加齢、運動不足、薬の副作用、病気など様々な原因がありますが、脳の機能停止(脳死)とは関係はありません。
5 瞳孔散大・対光反射消失