解答と解説
問題103
終末期の介護に関する問題です。
答えは、「5」です。
終末期の介護では、利用者の身体的な苦痛の軽減と精神的な穏やかさを大切にします。
症状や心の状態に合わせて、安心感を与える対応が求められます。
1 決まった時間に食事を提供する。
【×】誤りです。終末期では利用者の体調や食欲が日によって変化します。決まった時間に食事を提供するよりも、本人が食べたいときに少量ずつ提供するようにします。
2 部屋の換気は控えるようにする。
【×】誤りです。室内の空気がこもると不快感や呼吸困難が悪化する場合があります。快適な室温・湿度を保ちながら、定期的な換気が必要です。
3 無反応のときは無言で静かに介護を行う。
【×】誤りです。聴覚は最後まで残るとされているため、無反応でも、声かけや手を握るなどの関わりは安心感につながります。無言で介護を行うのは望ましくありません。
4 呼吸困難時は,顎を下げて頭部を前屈させた仰臥位(背臥位)にする。
【×】誤りです。呼吸困難時は、頭と上半身を少し起こす「ファーラー位」や「セミファーラー位」にすると呼吸がしやすくなります。顎を下げる姿勢は、気道がふさがり、さらに呼吸が難しくなります。
5 せん妄によって話のつじつまが合わないときは,否定せずに受け止める。
【○】正しい選択肢です。せん妄の人は、意識の混濁で現実と妄想が混じった状態になります。発言は否定しないで受け止め、安心感を与えることが大切です。