解答と解説
排尿に関する基本知識とそれに基づいた利用者への対応に関する問題です。
答えは、「4」です。
排泄に関する対応は、対応しだいでは利用者の自尊心を大きく傷つけてしまいます。
Kさんは「最期まで他人の世話にならない」と言っているので、自尊心が高いと考えらえます。
介護福祉職として排尿に関する基本知識も踏まえた適切な対応が求められます。
1 日中は水分摂取を控えるように伝える。
【×】誤りです。水分摂取量を減らすと、脱水や便秘などになりやすくなります。尿失禁を経験してしまうと、その後水分摂取を減らしてしまう人もいます。水分摂取量は、意識をして観察しましょう。
2 抗不安薬の処方ができないか看護師に相談する。
【×】誤りです。不安な様子は見られますが、薬を処方する前に、何が不安なのかを確認し、対応策を考えることが先です。
3 トイレに行く姿を見かけたら,同行する。
【×】誤りです。自分でトイレに行き排泄することはできているため、同行する必要はありません。過度なかかわりは、逆にKさんの自尊心を傷つける可能性があります。
4 排泄について不安に感じていることがないかを聞く。
【○】正しい選択肢です。「トイレの近くで過ごすことが多くなり,趣味活動に参加することが少なくなった」のは失禁をした後です。明らかにKさんの行動が以前とは違っていますので、排尿に関する不安があると考え、その気持ちを聞き、対応策を一緒に考えます。
5 積極的に趣味活動に参加するように勧める。
【×】誤りです。不安となっていることが解決していない状況で、趣味活動への参加を勧めるのは適切ではありません。