解答と解説
問題32(解説)
コールバーグによる道徳性判断に関する問題です。
答えは、「5」です。
コールバーグ (Kohlberg, L.) はアメリカの心理学者で、人間の道徳が段階的に発達するという「道徳性の発達理論」を提唱しています。
コールバーグの道徳性の発達理論は6つの段階に分けられ、1→6へと段階的に発達するとしています。
コールバーグ 「道徳性の発達理論」
1.罰と服従志向
行為の善悪を、それが懲罰をもたらすかどうかで決める。
2.道具主義的な相対主義志向
善悪をそれによってどんな報酬がもたらされるかで決める。
3.対人的同調、よい子志向
道徳的行動を、それが助けとなるものか喜びをもたらすものかで分けるようになる。
4.法と秩序の維持への志向
行動の是非の判断基準は社会の秩序を維持できるか否かということを考えるようになる。
5.社会契約的遵法への志向
社会が作り出す道徳の基準となる契約的合意は認めるものの、善悪の基準は個人の中にあると考える。
6.普遍的な倫理的原理への志向
個人が作り出した判断基準は他者にも適応可能でなくてはならず、他者が望むようにその人と接しなくてはいけないと考える。
これを参考に、選択肢を見ていきましょう。
1 権威に服従する。
【×】最初の段階の記述です。
2 罰を回避する。
【×】4つめの「法と秩序の維持への志向」に関する記述です。
3 多数意見を重視して判断する。
【×】 3つめの「対人的同調、よい子志向」に関する記述です。
4 損得で判断する。
【×】2つめの段階の「道具主義的な相対主義志向」に関する記述です。
5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。
【○】この記述が、もっとも高い発達段階の「普遍的な倫理的原理への志向」に関する記述です。
#コールバーグ #道徳性の発達理論 #発達段階