こころとからだのしくみ
問題19
Hさん(75 歳,男性)は,一人暮らしであるが,隣人と共に社会活動にも積極的に参加し,ゲートボールや詩吟,芸術活動など多くの趣味をもっている。また,多くの友人から,「Hさんは,毎日を有意義に生活している」と評価されている。 Hさん自身も友人関係に満足している。
ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型のうち,Hさんに相当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 自責型
2 防衛型(装甲型)
3 憤慨型
4 円熟型
5 依存型(安楽いす型)
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題19(解説)
ライチャードの高齢者(老齢期)の性格の分類に関する問題です。
答えは、「4」です。
ライチャードは高齢者の性格の特性を5つに分類しました。
ライチャードの高齢者の性格分類
適応型
1.円熟型
自分が年を取るということを自覚し、ありのままを受入れ、活動意欲が下がらないタイプ。定年退職後も自分で積極的に社会参加をし、周囲に負担をかけることなく自分で暮らしを楽しもうとできる。
2.安楽いす型(依存型)
自分が年を取るということを自覚し、受入れてはいるものの、他人に依存している受身タイプ。積極性はないものの、誘われれば新しいところへ参加し、気楽に生活を送ろうとする。
3.防衛型(装甲型)
老いることへの不安や恐怖を自ら活動することでコントロールし、自己防衛するタイプ。
責任感が強いため、無理をしてでも様々な活動してしまうこともある。
不適応型
4.外罰型(憤慨型)
自分の過去や老いを受入れることができないタイプ。失敗などの原因を自分ではなく、他人のせいにしてしまう。
5.内罰型(自責型)
自分の過去全体を失敗とみなし、その原因が自分にあると考えるタイプ。愚痴と後悔を繰り返すため、うつ病になりやすい。
この事例のHさんは、老いを受入れつつ、社会活動にも積極的に参加をし、趣味も多く、有意義に生活をしていることから、選択肢4の「円熟型」といえます。
#ライチャード #老齢期 #性格