人間関係とコミュニケーション
問題4
Bさん(80歳,女性)は,介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり,C介護福祉職が担当者になった。C介護福祉職は, 初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。
C介護福祉職のBさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自発的な関わりをもつことを控えた。
2 真正面に座って面談をした。
3 自分から進んで自己紹介をした。
4 終始,手を握りながら話をした。
5 孫のような口調で語りかけた。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題4(解説)
利用者との信頼関係をつくる(形成する)取り組みに関する問題です。
利用者との信頼関係を形成するときに、次のようなことに気をつけましょう。
信頼関係(ラポール)形成で気をつけること
- 介護福祉職自身が、利用者の感情に関心を持ちましょう。そのためには、まず自分自身をオープンにすること(自己開示)が必要です。
- 利用者との間の距離は、相手との関係や話の内容によって適切な距離が違います。距離のとり方に気をつけましょう。
- 利用者との関係性をつくるときは立ち方(座り方)やその位置も気をつけましょう。対面法(正面に立つ)より、直角法(斜めに立つ)ほうが話しやすくなります。
答えは、「3」です。
1 自発的な関わりをもつことを控えた。
【×】介護職自身から関わりを持たないと利用者も自分のことを話してくれるようにはなりません。
2 真正面に座って面談をした。
【×】真正面に座ると相手の表情はよく見えますが、目をあわせて会話をすると緊張してします。面談のときは、リラックスできる環境を作りましょう。
3 自分から進んで自己紹介をした。
【○】信頼関係をつくる(形成する)のに大切なことですね。まずは、自己開示することが大切です。
4 終始,手を握りながら話をした。
【×】手を握るなどの人に触れる行為は、場合によっては安心感を与えるなど介護の現場では大切なことです。
しかし、今回は、初対面の利用者との信頼関係のつくり方です。相手との距離のとり方は気をつけたいポイントです。
5 孫のような口調で語りかけた。
【×】介護現場での言葉遣いは、介護福祉職が意識しなければいけないポイントです。相手を敬う気持ちをもって接する言葉遣いを心がけましょう。
孫のような口調で話をするのは、不適切と言えます。
選択肢1の「控える」は、マイナスなイメージで使われることがワードです。
選択肢で見かけたら、注意しましょう。
#信頼関係 #ラポール #自己開示 #パーソナルスペース