人間の尊厳と自立
問題2
Aさん(25歳,男性,障害支援区分3)は,網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)で,移動と外出先での排泄時に介助が必要である。同行援護を利用し ながら,自宅で母親と暮らしている。音楽が好きなAさんは合唱サークルに入会していて,月1回の練習に参加している。
合唱コンクールが遠方で行われることになった。同行援護を担当する介護福祉職は,Aさんから,「コンクールに出演したいが,初めての場所に行くことが心配である」と相談を受けた。
介護福祉職のAさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 合唱コンクールへの参加を諦めるように話す。
2 合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える。
3 一緒に交通経路や会場内の状況を確認する。
4 合唱コンクールに参加するかどうかは,母親に判断してもらうように促す。
5 日常生活自立支援事業の利用を勧める
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題2
「同行援護」に関する事例ですが、介護福祉職の基本的な姿勢を確認する問題です。
同行援護(障害福祉サービス)
視覚障害により移動があきらかに難しい人が対象です。
外出時に同行し、移動に必要な情報を提供したり、移動の援護など外出するときに必要な援助を行います。
答えは、「3」です。
1 合唱コンクールへの参加を諦めるように話す。
【×】Aさんはコンクールに出演したいという気持ちをはっきり示しているので、諦めるように話をしてはいけません。
2 合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える。
【×】仲間に支援をお願いすることも大切ですが、まずは介護福祉職がAさんから相談を受けているので、介護福祉職としてできることを考えるのが優先です。
3 一緒に交通経路や会場内の状況を確認する。
【○】「2」でも説明したように、相談を受けている介護福祉職が、Aさんと一緒になって、不安となっている気持ちを軽くする方法を考えたり、対応したりすることが大切です。
4 合唱コンクールに参加するかどうかは,母親に判断してもらうように促す。
【×】「1」と同じです。参加したいというAさんの気持ちを聞いているので、母親に判断をしてもらうではなく、参加したいという気持ちを大切にして、参加に向けた支援をしましょう。
5 日常生活自立支援事業の利用を勧める。
【×】日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な人が受けるサービスです。
#同行援護 #視覚障害 #日常生活自立支援事業