解答と解説
問題89
意思決定支援に関する問題です。
答えは、「2」です。
「意思決定支援」とは、意思決定が難しい人が、日常生活などで自分の意思で生活することができるように、その人のことを支援することをいいます。
意思決定が難しい人の場合、その人に関わる周りの支援者が適切に、わかりやすく情報を提供し、本人が意思決定できるように支援することが大切です。
今回の事例でおさえるポイントは次のとおりです。
- 重度の知的障害、施設入所支援を利用
- Dさんは、友人の様子を見て,グループホームでの生活に関心をもっている
- Dさんは、適切な援助を受ければグループホームでの生活は可能
- Dさんの母親は、施設入所支援を継続させたい
本人の関心と家族の希望が異なるときに、どのような意思決定支援ができるか考えます。
1 母親の意思を,本人に伝える。
【×】誤りです。最も優先されるべきなのは、本人の意思です。ただ伝えるのではなく、一緒に話し合うことが大切です。
2 共同生活援助(グループホーム)の生活について話し合う。
【○】正しい選択肢です。今回の事例では、本人と家族の意思が異なっています。本人の希望する生活について、具体的に話し合いをし、意思決定を支援していきます。
3 介護福祉職の考えを,本人に伝える。
【×】誤りです。介護福祉職の役割は、本人の意思決定に必要な情報をわかりやすく提供し、支援をしていくことです。考えを伝えることではありません。
4 具体的な選択肢を用意し,選んでもらう。
【×】誤りです。Dさんは重度の知的障害です。選択肢を用意しても、選ぶことは難しいと考えられます。また、選択肢を用意するということは、提示した選択肢によっては判断を誘導することにもつながります。選択肢と情報は違うということをしっかりと理解しておきましょう。
5 地域生活のリスクについて説明する。
【×】誤りです。リスクのみを説明するのではなく、Dさんの今後の快適な暮らしを考えた説明が大切です。
#意思決定支援 #知的障害