個別問題

【第34回試験】問題84(認知症の理解)

認知症にんちしょう理解りかい

問題もんだい84

Cさん(80さい女性じょせい)はおっと(85さい)と二人ふたりらしである。1ねんほどまえから記憶障害きおくしょうがいがあり,最近さいきん,アルツハイマーがた認知症にんちしょう(dementia of the Alzheimer’s type)と診断しんだんされた。さがものえ,財布さいふ保険証ほけんしょうつけられないと,「泥棒どろぼうはいった,警察けいさつ連絡れんらくして」とうったえるようになった。「泥棒どろぼうなんてはいっていない」と警察けいさつばずにいると,Cさんがますます興奮こうふんするので,おっと対応たいおうこまっている。
おっとから相談そうだんけた介護福祉職かいごふくししょくの助言として,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「主治医しゅじい興奮こうふんおさえるくすり相談そうだんをしてみてはどうですか」
2 「施設入所にゅうしょしせつ検討けんとうしてはどうですか」
3 「Cさんと一緒いっしょさがしてみてはどうですか」
4 「Cさんの希望通きぼうどおり,警察けいさつ通報つうほうしてはどうですか」
5 「Cさんに認知症にんちしょう(dementia)であることを説明せつめいしてはどうですか」

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

解答かいとう解説かいせつ

問題もんだい84

認知症にんちしょうかた家族かぞくへの助言じょげんかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

一緒いっしょんでいる家族かぞくにとっては、認知症にんちしょう行動こうどうはわからないことばかりです。

介護かいご専門職せんもんしょくとして、家族かぞく気持きもちにいながら、適切てきせつ助言じょげんができるようにしましょう。

妄想もうそうは、認知症にんちしょうのBPSD(行動こうどう心理症状しんりしょうじょう)の心理症状しんりしょうじょうの1つです。

あやまったかんがえを、根拠こんきょもないのにつよしんじじてしまっている状態じょうたいです。

今回こんかい事例じれいのものられ妄想もうそうは、本人ほんにんにとって大切たいせつなものを「ぬすまれた」とおもんでしまうことです。

自分じぶんくしてしまったというみとめたくない、自分じぶん認知症にんちしょうだとみとめたくないなど様々さまざま気持きもから、自分じぶんにとって都合つごうよくしんじてしまっている状態じょうたいです。

ものられ妄想もうそう本人ほんにん不安ふあんからしょうじることがおおです。

不安ふあん解消かいしょうする、軽減けいげんするための対処法たいしょほうもしっかりとおさえておきましょう。

ものられ妄想もうそうは、記憶障害きおくしょうがいや、理解りかい判断力はんだんりょく低下ていかによるものなので、言動げんどう否定ひていせずに受容じゅようする姿勢しせい大切たいせつです。

1 「主治医しゅじい興奮こうふんおさえるくすり相談そうだんをしてみてはどうですか」

【×】あやまりです。薬物療法やくぶつりょうほうではなく、本人ほんにん不安ふあん軽減けいげんするかかわりかた助言じょげんすることが大切たいせつです。

2 「施設入所にゅうしょしせつ検討けんとうしてはどうですか」

【×】あやまりです。家族かぞくはどのような対応たいおうをしたいいのか助言じょげんもとめています。ここでは、施設しせつ入所にゅうしょ関係かんけいがありません。

3 「Cさんと一緒いっしょさがしてみてはどうですか」

【○】ただしい選択肢せんたくしです。ものられ妄想もうそうへの対処法たいしょほうの1つです。大切たいせつものくなってこまっているという相手あいて気持きもちをめ、一緒いっしょさがすことで、興奮こうふんくこともかんがえられます。ポイントは、一緒いっしょさがして、本人ほんにんつけてもらうことです。介護者かいごしゃだけでさがしてつけても「ぬすまれた」という妄想もうそうえません。介護者かいごしゃさきつけたとしても、本人ほんにんつけられるように誘導ゆうどうするようにしましょう。

4 「Cさんの希望通きぼうどおり,警察けいさつ通報つうほうしてはどうですか」

【×】あやまりです。なにられていないので、通報つうほうではなく、一緒いっしょさがせるような助言じょげん適切てきせつです。

5 「Cさんに認知症にんちしょう(dementia)であることを説明せつめいしてはどうですか」

【×】あやまりです。本人ほんにん否定ひていし、ますます興奮こうふんする可能性かのうせいがあるため、適切てきせつではありません。

#アルツハイマーがた認知症にんちしょう #BPSD #ものられ妄想もうそう