総合問題3
次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。
[事例]
Eさん(35歳,男性)は, 1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては,ろれつが回らず,食べ物の飲み込みが悪くなり,体重の減少がみられた。
その後,Eさんの症状は進行し,同居している両親から介護を受けて生活をしていたが,両親の介護負担が大きくなったため,障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ,障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。
問題121
ある日,Eさんの自宅を訪問した訪問介護員(ホームヘルパー)は,Eさんの両親から,「これまでEは話をするのが難しく,筆談で意思を聞いてきたが,ペンを持つのが難しくなってきた」と聞いた。確かにEさんは,発話や字を書くことは困難な様子だが,目はよく動いている。
次のうち,今後,Eさんが家族とコミュニケーションをとるときに使うことのできる道具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ホワイトボード
2 絵や写真
3 透明文字盤
4 拡声器
5 補聴器
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題121
コミュニケーションを支援する用具に関する問題です。
答えは、「3」です。
1 ホワイトボード
【×】誤りです。「ペンを持つのが難しくなってきた」という記述から、ホワイトボードでのコミュニケーションは難しいと考えます。
2 絵や写真
【×】誤りです。絵や写真でのコミュニケーションも考えられますが、意思表示のような踏み込んだコミュニケーションには限りがあります。Eさんは意思表示はできるため、別の方法を考えます。
3 透明文字盤
【○】正しい選択肢です。透明文字盤は下のイラストのように、目の動きで文字を読む五十音が書かれた透明の板です。Eさんは目はよく動くため、透明文字盤でのコミュニケーションが適しています。
4 拡声器
【×】誤りです。拡声器は小さな声を大きく広く行き渡らせるための道具です。Eさんは発話が困難なため、適切ではありません。
5 補聴器
【×】誤りです。補聴器は聴覚に障害がある人向けのコミュニケーションツールです。筋萎縮性側索硬化症は、聴覚、視覚などの感覚障害は出現しにくいため、補聴器は適切ではありません。
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