総合問題2
次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。
[事例]
Dさん(70歳,男性)は,19歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し,入退院を繰り返しながら両親と一緒に生活してきた。両親が亡くなったことをきっかけとして不安に襲われ,妄想や幻聴の症状が強く現れるようになった。そのため,兄に付き添われて精神科病院を受診し,医療保護入院となった。
現在は,入院から3年が経過し,陽性症状はほとんどなく,病棟で日中はレクリエーションに参加するなど落ち着いて生活している。
問題119
Dさんは施設への入所が決まり,うれしそうに退院の準備をするようになった。ある夜, 1人で荷物の整理をしていたときに転んでしまい,顔を強打して大きなあざができた。後遺症はないことがわかったが,Dさんは自信をなくし,介護福祉職に,「これでは退院も自分を受け入れてくれないだろう」と言い,「施設入所がうれしくて早く準備がしたかった」と話した。
そばに寄り添い,Dさんの話を聴き終えた介護福祉職が,「施設入所がうれしくて,早く準備をしたかったのですね」と言うと,Dさんは,「退院を諦めていたけど,自分にも暮らせる場所があると思った」とやりたいことや夢を語り出した。
介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 あいづち
2 言い換え
3 要約
4 繰り返し
5 閉じられた質問
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題119
コミュニケーション技術に関する問題です。
答えは、「4」です。
介護福祉職が行ったコミュニケーション技術は、
「施設入所がうれしくて,早く準備をしたかったのですね」の部分です。
1 あいづち
【×】誤りです。あいづちとは、相手の話を聞きながら、短い言葉を入れたり、うなづいたりすることです。
2 言い換え
【×】誤りです。言い換えとは、相手が話したことを自分の言葉で表現し直すことです。
3 要約
【×】誤りです。要約とは、相手が話した内容のポイントを介護福祉職がまとめて伝えることです。
4 繰り返し
【○】正しい選択肢です。相手が話したことを、そのまま繰り返して相手に伝えることです。今回、介護福祉職は、Dさんが、「施設入所がうれしくて早く準備がしたかった」と話した部分を繰り返しています。
5 閉じられた質問
【×】誤りです。閉じられた質問とは、「○」「×」「はい」「いいえ」など一言で答えらえる質問です。
#統合失調症 #コミュニケーション技術