過去問(年度別)に挑戦

【第36回試験】コミュニケーション技術(問題74~79)

コミュニケーション技術ぎじゅつ

問題もんだい74

Cさん(85さい女性じょせい要介護ようかいご3 )は,介護老人保健施設かいごろうじんほけんしせつ入所にゅうしょしており,軽度けいど難聴なんちょうがある。数日前すうじつまえから,職員しょくいん感染症対策かんせんしょうたいさくとして日常的にちじょうてきにマスクを着用ちゃくようして勤務きんむすることになった。
ある日,D介護かいご福祉ふくししょくがCさんの居室きょしつ訪問ほうもんすると,「まごいておくってくれたの」とわらいながらせてくれた。D介護かいご福祉ふくししょくはCさんの言動げんどう共感的理解きょうかんてきりかいしめすために,意図的いとてき非言語ひげんごコミュニケーションをもちいて対応たいおうした。
このときのD介護かいご福祉ふくししょくのCさんへの対応たいおうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「よかったですね」とかみいてわたした。
2 目元めもと意識いしきした笑顔えがおつくり,おおきくうなずいた。
3 「おまごさんのとどいて,うれしかったですね」と耳元みみもとはなした。
4 「わたしもうれしいです」と,ゆっくりはなした。
5 「えがとてもじょうずです」と五十音表ごじゅうおんひょうもちいてつたえた。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい74(解答かいとう解説かいせつ

難聴者なんちょうしゃとのコミュニケーションのとりかたかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

非言語ひげんごコミュニケーションとは、言葉ことば使つかわずに気持きもちやかんがえをつたえる方法ほうほうです。

表情ひょうじょう、ジェスチャー、姿勢しせい視線しせんこえのトーンなどのことです。

難聴者なんちょうしゃとのコミュニケーションでは、積極的せっきょくてきれたい技法ぎほうです。

1 「よかったですね」とかみいてわたした。

【×】あやまりです。文字もじいた言葉ことばは、言語げんごぎコミュニケーションです。

2 目元めもと意識いしきした笑顔えがおつくり,おおきくうなずいた。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。

3 「おまごさんのとどいて,うれしかったですね」と耳元みみもとはなした。

【×】あやまりです。言語げんごコミュニケーションです。

4 「わたしもうれしいです」と,ゆっくりはなした。

【×】あやまりです。言語げんごコミュニケーションです。

5 「えがとてもじょうずです」と五十音表ごじゅうおんひょうもちいてつたえた。

【×】あやまりです。五十音表ごじゅうおんひょうもちいた会話かいわ言語げんごコミュニケーションです。

#言語げんごコミュニケーション #非言語ひげんごコミュニケーション

問題もんだい75

利用者りようしゃ家族かぞくとの信頼関係しんらいかんけい構築こうちく目的もくてきとしたコミュニケーションとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 家族かぞく介護技術かいごぎじゅつおしえる。
2 家族かぞく介護かいごをしている当事者とうじしゃかい参加さんかすることを提案ていあんする。
3 家族かぞくから介護かいご体験たいけん共感的きょうかんてきく。
4 家族かぞく介護かいごつづけるつよ気持きもちがあるかを質問しつもんする。
5 家族かぞく介護保険かいごほけん使つかえる範囲はんい説明せつめいする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい75(解答かいとう解説かいせつ

家族かぞくとの信頼関係しんらいかんけい構築こうちくするためのコミュニケーションかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

ポイントは、「信頼関係しんらいかんけい構築こうちくという部分ぶぶんです。

信頼関係しんらいかんけい基本きほんは、相手あいて十分じゅうぶん関心かんしんせて相手あいてこえみみます(傾聴けいちょう)と、相手あいて評価ひょうかせずにありのままにれる(受容じゅよう)、相手あいて気持きもちをそのとおりだとともかんじる(共感きょうかん)の姿勢しせいです。

この基本きほん意識いしきして選択肢せんたくしえらびましょう。

1 家族かぞく介護技術かいごぎじゅつおしえる。

【×】あやまりです。家族かぞくへの介護技術かいごぎじゅつ指導しどう介護福祉職かいごふくししょく役割やくわりの1つです。しかし、信頼関係しんらいかんけい構築こうちくするコミュニケーションではありません。

2 家族かぞく介護かいごをしている当事者とうじしゃかい参加さんかすることを提案ていあんする。

【×】あやまりです。家族かぞく必要ひつよう提案ていあんをすることも介護福祉職かいごふくししょく役割やくわりの1つです。しかし、信頼関係しんらいかんけい構築こうちくするコミュニケーションではありません。

3 家族かぞくから介護かいご体験たいけん共感的きょうかんてきく。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。

4 家族かぞく介護かいごつづけるつよ気持きもちがあるかを質問しつもんする。

【×】あやまりです。介護かいごつづける意思いし質問しつもんするのではなく、今後こんごどうしたいのか、なに心配しんぱいなのかもふくめて家族かぞく気持きもちをき、それを受入うけいれ、共感きょうかんすることが必要です。

5 家族かぞく介護保険かいごほけん使つかえる範囲はんい説明せつめいする。

【×】あやまりです。家族かぞく必要ひつよう情報じょうほう提供ていきょうすることも介護福祉職かいごふくししょく役割やくわりの1つです。しかし、信頼関係しんらいかんけい構築こうちくするコミュニケーションではありません。

#信頼関係しんらいかんけい

問題もんだい76

Eさん(70さい女性じょせい)は,脳梗塞のうこうそく(cerebral infarction)の後遺症こういしょう言語げんご障害しょうがいがある。発語はつごはできるが,はなしたいことをうまく言葉ことばあらわせない。聴覚機能ちょうかくきのう問題もんだいはなく,日常会話にちじょうかいわ使用しようする単語たんごはだいたい理解りかいできるが,単語たんごがつながる文章ぶんしょうになるとうまく理解りかいできない。ある,Eさんに介護かいご福祉ふくししょくが,「お風呂ふろは,今日きょうではなくあしたですよ」とつたえると,Eさんはしばらくだまってかんがえ,理解りかいできない様子ようすだった。
このとき,Eさんへの介護かいご福祉ふくししょく対応たいおうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「なにがわからないのかおしえてください」と質問しつもんする。
2 「お風呂ふろ,あした」とみじ言葉ことばつたえる。
3 「今日きょう,お風呂ふろはいりたいのですね」とはたしかめる。
4 「あしたがお風呂ふろで,今日きょうちがいますよ」とえる。
5 「お・ふ・ろ・は・あ・し・た」と1おんずつ言葉ことば区切くぎってつたえる。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい76(解答かいとう解説かいせつ

言語障害げんごしょうがいがある人とのコミュニケーション技法ぎほうかんする問題もんだいです。

こたえは、「2」です。

事例じれいなかから、こたえに必要ひつよう情報じょうほうあつめましょう。

今回こんかい事例じれいでおさえるポイントはつぎのとおりです。

  • 発語はつごはできるが,はなしたいことをうまく言葉ことばあらわせない。
  • 聴覚機能ちょうかくきのう問題もんだいはない。
  • 単語たんごはだいたい理解りかいできるが,単語たんごがつながる文章ぶんしょうになるとうまく理解りかいできない。

1 「なにがわからないのかおしえてください」と質問しつもんする。

【×】あやまりです。「文章ぶんしょうになるとうまく理解りかいできない」とあるため、適切てきせつではありません。

2 「お風呂ふろ,あした」とみじ言葉ことばつたえる。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。「単語たんごはだいたい理解りかいできる」とあるため、もっと適切てきせつといえます。

3 「今日きょう,お風呂ふろはいりたいのですね」とはたしかめる。

【×】あやまりです。「文章ぶんしょうになるとうまく理解りかいできない」とあるため、適切てきせつではありません。

4 「あしたがお風呂ふろで,今日きょうちがいますよ」とえる。

【×】あやまりです。「文章ぶんしょうになるとうまく理解りかいできない」とあるため、適切てきせつではありません。

5 「お・ふ・ろ・は・あ・し・た」と1おんずつ言葉ことば区切くぎってつたえる。

【×】あやまりです。「聴覚機能ちょうかくきのう問題もんだいはない」ため、1おんずつ言葉ことば区切くぎってはな必要ひつようはありません。

#コミュニケーション技法ぎほう #言語障害げんごしょうがい

問題もんだい77

Fさん(70さい女性じょせい)は,最近さいきんよくうつ状態じょうたい(depressive state)にあり,ベッドにていることがおおく,「もうんでしまいたい」とつぶやいていた。
Fさんの発言はつげんに対する,介護かいご福祉ふくししょく言葉ことばかけとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「ちこんだらだめですよ」
2 「とてもつらいのですね」
3 「どうしてそんなにてばかりいるのですか」
4 「食堂しょくどうへおしゃべりにきましょう」
5 「元気げんきして,頑張がんばってください」

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい77(解答かいとう解説かいせつ

よくうつ状態じょうたいひととのコミュニケーション技法ぎほうかんする問題もんだいです。

こたえは、「2」です。

よくうつ状態じょうたいとは、気分きぶんみ、やるない状態じょうたいです。興味きょうみよろこびがり、つかれやすくなります。睡眠すいみん食欲しょくよく変化へんか不安ふあん集中力しゅうちゅうりょく低下ていかられることがあります。

よくうつ状態じょうたいひと対応たいおうをつけること
  • やさしくこえをかけ、相手あいて否定きひていせず、あせらずにはなしく。
  • 無理むり元気げんきづけたりせず、気持きもちを尊重そんちょうする。
  • 規則きそくただしい生活せいかつ支援しえんする。
  • 本人ほんにん負担ふたんとなる決断けつだんなどをさせない。
  • ちいさな変化へんか見逃みのがさず、専門家せんもんかへの相談そうだんうながしたり、治療ちりょうのサポートをおこなう。

1 「ちこんだらだめですよ」

【×】あやまりです。「だめ」という否定ひていするこえかけは適切てきせつではありません。

2 「とてもつらいのですね」

【○】ただしい選択肢せんたくしです。相手あいて気持きもちを尊重そんちょうしているこえかけです。

3 「どうしてそんなにてばかりいるのですか」

【×】あやまりです。「どうして」という質問しつもん相手あいてめるこえかけですので、適切てきせつではありません。

4 「食堂しょくどうへおしゃべりにきましょう」

【×】あやまりです。相手あいて尊重そんちょうできていないこえかけです。相手あいてのペースで対応たいおうするのが大切です。

5 「元気げんきして,頑張がんばってください」

【×】あやまりです。はげましのこえかけは、適切てきせつではありません。

#よくうつ

問題もんだい78

Gさん(70さい女性じょせい要介護ようかいご1)は,有料老人ゆうりょうろうじんホームに入居にゅうきょしていて,網膜色素もうまくしきそ変性症へんせいしょう(retinitis pigmentosa)による夜盲やもうがある。ある夕方ゆうがた,Gさんがうすぐら廊下ろうかを歩いているのをH介護かいご福祉ふくししょく発見はっけんし,「Hです。大丈夫だいじょうぶですか」とこえをかけた。Gさんは,「びっくりした。えにくくて,わからなかった…」とくら表情ひょうじょう返事へんじをした。
このときのGさんにたいするH介護かいご福祉ふくししょく受容的じゅようてき対応たいおうとして,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 「おどろかせてしまいましたね。一緒いっしょあるきましょうか」
2 「あかるいところをあるきましょう。電気でんきをつけたほうがいいですよ」
3 「えにくくなってきたのですね。一緒いっしょ点字てんじ練習れんしゅうはじめましょう」
4 「白杖はくじょうがあるかを確認かくにんしておきます。白杖はくじょう使つかうようにしましょう」
5 「くらかおをしないでください。頑張がんばりましょう」

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい78(解答かいとう解説かいせつ

個別援助技術こべつえんじょぎじゅつかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

受容的じゅようてき対応たいおう」というのは、対人援助たいじんえんじょ基本きほんとなる「バイスティックの7原則げんそく」の1つです。

バイスティックの7原則げんそくは、支援者しえんしゃ相手あいて感情かんじょう状況じょうきょう尊重そんちょうし、自立じりつうながしながら信頼関係しんらいかんけいきずくために重要じゅうよう原則げんそくです。

バイスティックの7原則げんそく
  1. 個別化こべつか
  2. 意図的いとてき感情表出かんじょうひょうしゅつ
  3. 統制とうせいされた情緒的関与じょうちょうてきかんよ
  4. 受容じゅよう
  5. 非審判的態度ひしんぱんてきたいど
  6. 自己決定じこけってい
  7. 秘密保持ひみつほじ

受容じゅよう」とは、その人自身ひとじしんをあるがままにめるというかんがかたです。

利用者りようしゃ個性こせいかんがえを否定ひていせず、「なぜそうかんがえるのか」「なぜその行動こうどうるのか」を理解りかいし、適切てきせつ支援しえんすることが重要じゅうようです。

ひとそだった環境かんきょう経験けいけんちがうため、意見いけんことなります。そのちがいを尊重そんちょうれることで、スムーズな支援関係しえんかんけいきずくことができます。

1 「おどろかせてしまいましたね。一緒いっしょあるきましょうか」

【○】ただしい選択肢せんたくしです。受容的じゅようてき対応たいおうです。

2 「あかるいところをあるきましょう。電気でんきをつけたほうがいいですよ」

【×】あやまりです。受容的じゅようてき対応たいおうではありません。

3 「えにくくなってきたのですね。一緒いっしょ点字てんじ練習れんしゅうはじめましょう」

【×】あやまりです。受容的じゅようてき対応たいおうではありません。

4 「白杖はくじょうがあるかを確認かくにんしておきます。白杖はくじょう使つかうようにしましょう」

【×】あやまりです。受容的じゅようてき対応たいおうではありません。

5 「くらかおをしないでください。頑張がんばりましょう」

【×】あやまりです。受容的じゅようてき対応たいおうではありません。

#網膜色素変性症もうまくしきそへんせいしょう #夜盲やもう #バイスティックの7原則げんそく

問題もんだい79

事例検討じれいけんとう目的もくてきかんするつぎ記述きじゅつのうち,もっと適切てきせつなもの1つえらびなさい。

1 家族かぞく介護計画かいごけいかく説明せつめいし,同意どういる。
2 上司じょうし利用者りようしゃへの対応たいおう結果けっか報告ほうこくし,了解りょうかいる。
3 介護計画かいごけいかく検討けんとうをとおして,チームの交流こうりゅうふかめる。
4 チームで事例じれい課題かだい共有きょうゆうし,解決策かいけつさくいだす。
5 各職種かくしょくしゅ日頃ひごろなやみを共有きょうゆうする。

解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する

問題もんだい79(解答かいとう解説かいせつ

事例検討じれいけんとう目的もくてきかんする問題もんだいです。

こたえは、「」です。

事例検討じれいけんとうとは、日頃ひごろ記録きろくなどから利用者りようしゃのケアにかんする具体的ぐたいてき事例じれい多職種間たしょくしゅかん共有きょうゆうし、問題点もんだいてん改善策かいぜんさくをといった支援しえん方向性ほうこうせいはなです。

1 家族かぞく介護計画かいごけいかく説明せつめいし,同意どういる。

【×】あやまりです。介護計画かいごけいかく説明せつめいし、同意どういることが目的もくてきではありません。

2 上司じょうし利用者りようしゃへの対応たいおう結果けっか報告ほうこくし,了解りょうかいる。

【×】あやまりです。上司じょうし了解りょうかいることが目的もくてきではありません。

3 介護計画かいごけいかく検討けんとうをとおして,チームの交流こうりゅうふかめる。

【×】あやまりです。チームの交流こうりゅうふかめることが目的もくてきではありません。

4 チームで事例じれい課題かだい共有きょうゆうし,解決策かいけつさくいだす。

【○】ただしい選択肢せんたくしです。

5 各職種かくしょくしゅ日頃ひごろなやみを共有きょうゆうする。

【×】あやまりです。日頃ひごろなやみを共有きょうゆうすることが目的もくてきではありません。

#事例検討じれいけんとう