ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類こくさいせいかつきのうぶんるい)は、介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけんでよく出でる大切たいせつなテーマです。

ICFでは、病気びょうきや障害しょうがいだけを見みるのではありません。

その人ひとの「生活機能せいかつきのう」や、周まわりの「環境かんきょう」なども含ふくめて、その人ひとの生活全体せいかつぜんたいを考かんがえます。

介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけんでは、ICFの言葉ことばをそのまま覚おぼえるだけではなく、事例じれいを読よんで、

  • ICFの「どの項目こうもく」にあたるのか
  • 何なにが「活動かつどう」なのか
  • 何なにが「参加さんか」なのか
  • 何なにが「環境因子かんきょういんし」なのか
  • 何なにが「参加制約さんかせいやく」の原因げんいんになっているのか

などを考かんがえる問題もんだいが出でています。

ICFの基本的きほんな言葉ことばと、その関係かんけいを一緒いっしょに確認かくにんしていきましょう。

ICFでは「その人全体ひとぜんたい」を考かんがえる

ICFでは、その人ひとのできないことだけを見みるのではありません。

たとえば、歩あるくことが難むずかしい人ひとがいたとします。

「足あしが動うごきにくい」という体からだの状態じょうたいだけでなく、

  • 車くるまいすを使つかえば移動いどうできる
  • 家族かぞくが外出がいしゅつを手伝てつだってくれる
  • 家いえの周まわりに坂道さかみちや段差だんさがある
  • 地域ちいきの人ひとと交流こうりゅうしたい

など、その人ひとの生活せいかつや周まわりの環境かんきょうも一緒いっしょに考かんがえます。

つまり、ICFでは「病気びょうきや障害しょうがいがあるからできない」と考かんがえるだけではなく、その人ひとと環境かんきょうとの関係かんけいも含ふくめて考かんがえることが大切たいせつです。

ICFの全体像ぜんたいぞうを確認かくにんしよう

ICFでは、次つぎのような項目こうもくを使つかって、その人ひとの生活せいかつを考かんがえます。

ICF全体図ぜんたいず

ICFでは、 健康状態けんこうじょうたい、 生活機能せいかつきのう、 背景因子はいけいいんし が、おたがいに影響えいきょうしあうと 考かんがえます。

健康状態けんこうじょうたい
健康状態けんこうじょうたい

病気びょうき・けが・ 認知症にんちしょうなど

その人ひとの 健康けんこうの 状態じょうたいです。

↕ 相互そうごに関係かんけいする
生活機能せいかつきのう①
心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう

からだやこころの働はたらき、
からだのつくりのことです。

例れい: 筋力きんりょく、 記憶きおく、 視力しりょく、 聴力ちょうりょく

生活機能せいかつきのう②
活動かつどう

本人ほんにんが 行おこなう 動作どうさや 行為こういのことです。

例れい: 歩あるく、 食事しょくじをする、 着替きがえる

生活機能せいかつきのう③
参加さんか

生活せいかつ・ 人生場面じんせいばめんへの かかわりのことです。

例れい: 仕事しごと、 地域活動ちいきかつどう、 認知症にんちしょうカフェに 通かよう

↔ 心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう / 活動かつどう / 参加さんか は、おたがいに関係かんけいします ↔
↕ 相互そうごに関係かんけいする
背景因子はいけいいんし①
環境因子かんきょういんし

本人ほんにんのまわりにある 人ひと・もの・ 社会しゃかい・ 制度せいどなどです。

例れい: 家族かぞく、 介護職かいごしょく、 福祉用具ふくしようぐ、 段差だんさ、 坂道さかみち

背景因子はいけいいんし②
個人因子こじんいんし

その人自身ひとじしんの 特徴とくちょうや 生活背景せいかつはいけいです。

例れい: 年齢ねんれい、 性格せいかく、 生活歴せいかつれき、 価値観かちかん

ポイント: ICFでは、これらをべつべつに見みるのではなく、 相互作用そうごさよう (おたがいに影響えいきょうしあうこと) として考かんがえます。
たとえば、段差だんさがあると 外出がいしゅつしにくくなり、 地域ちいきの活動かつどうへの 参加さんかがむずかしくなることがあります。

生活機能せいかつきのうとは?

ICFでは、「心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう」「活動かつどう」「参加さんか」をまとめて、生活機能せいかつきのうといいます。

「生活機能せいかつきのう」は、その人ひとが生いきて生活せいかつしていくための、さまざまな働はたらきや行動こうどう、社会しゃかいとの関かかわりを表あらわす言葉ことばです。

それぞれを詳くわしく見みていきましょう。

健康状態けんこうじょうたい

健康状態けんこうじょうたいとは、 その人ひとの 病気びょうきやけがなど、 健康けんこうについての状態じょうたいのことです。

健康状態けんこうじょうたいとは?

ICFでは、健康状態けんこうじょうたいとして、 病気びょうきやけがだけではなく、 人ひとの健康けんこうに関係かんけいする さまざまな状態じょうたいを考かんがえます。

試験しけんで覚おぼえておきたい考かんがえ方かた

健康状態けんこうじょうたいには、 疾患しっかんだけでなく、 高齢こうれい、妊娠にんしん、 ストレスなども含ふくまれます。

「疾患しっかん」とは、 病気びょうきのことです。

やさしく考かんがえると

健康状態けんこうじょうたいは、 「その人ひとの健康けんこうは、どんな状態じょうたいか」 を見みるところです。

病名びょうめいが書かかれている場合ばあいは、 まず健康状態けんこうじょうたいを考かんがえると 整理せいりしやすくなります。

健康状態けんこうじょうたいの具体例ぐたいれい

病気びょうき・けが

  • アルツハイマー型認知症がたにんちしょう
  • パーキンソン病びょう
  • 糖尿病とうにょうびょう
  • 脳梗塞のうこうそく
  • 骨折こっせつ

そのほかの健康けんこうに関係かんけいする状態じょうたい

  • 高齢こうれい
  • 妊娠にんしん
  • ストレス
実際じっさいの試験しけんで出でた言葉ことば

過去かこの試験しけんでは、 「アルツハイマー型認知症がたにんちしょう」 が健康状態けんこうじょうたいとして出題しゅつだいされています。

アルツハイマー型認知症がたにんちしょうは 病気びょうきの名前なまえなので、 健康状態けんこうじょうたいにあたります。

「健康状態けんこうじょうたい」と 「心身機能しんしんきのう」の違ちがい

試験しけんでは、 病気びょうきの名前なまえと、 その病気びょうきによって起おこる 体からだや心こころの働はたらきを 区別くべつすることが大切たいせつです。

健康状態けんこうじょうたい

病気びょうきやけがなどの状態じょうたい

例:
アルツハイマー型認知症がたにんちしょう

心身機能しんしんきのう

体からだや心こころの「働はたらき」

例:
記憶きおくする力ちからが低下ていかする、 見当識障害けんとうしきしょうがい

たとえば、 「アルツハイマー型認知症がたにんちしょう」は 健康状態けんこうじょうたい、 「見当識障害けんとうしきしょうがい」は 心身機能しんしんきのう と考かんがえます。

覚おぼえるポイント

健康状態けんこうじょうたい = その人ひとの「健康けんこうの状態じょうたい」

病気びょうき・けがだけでなく、 高齢こうれい・妊娠にんしん・ ストレスなども含ふくまれる

病名びょうめい = 健康状態けんこうじょうたい
体からだや心こころの働はたらき = 心身機能しんしんきのう

① 心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう

心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞうは、 体からだや心こころの働はたらきと、 体からだのつくりについて考かんがえる項目こうもくです。

心身機能しんしんきのう

体からだや心こころの 働はたらきのことです。

身体構造しんたいこうぞう

臓器ぞうきや手足てあしなど、 体からだをつくっている部分ぶぶん のことです。

試験しけんで覚おぼえておきたい表現ひょうげん

心身機能しんしんきのうは、 「身体系しんたいけいの生理的機能せいりてききのう (心理的機能しんりてききのうを含ふくむ)」です。

身体構造しんたいこうぞうは、 「器官きかん、肢体したいとその構成部分こうせいぶぶんなどの 解剖学的部分かいぼうがくてきぶぶん」です。

やさしく考かんがえると

心身機能しんしんきのう = 「働はたらき」

  • 手てや足あしを動うごかす
  • 見みる
  • 聞きく
  • 覚おぼえる
  • 考かんがえる
  • 心臓しんぞうや肺はいなどが働はたらく

身体構造しんたいこうぞう = 「体からだの部分ぶぶん」

  • 脳のう
  • 目め・耳みみ
  • 心臓しんぞう・肺はい
  • 手て・足あし
  • 骨ほね
  • 筋肉きんにく
「機能障害きのうしょうがい」「構造障害こうぞうしょうがい」とは?
機能障害きのうしょうがい
体からだや心こころの 働はたらきに問題もんだいがあることです。
構造障害こうぞうしょうがい
体からだの部分ぶぶんや つくりに問題もんだいがあることです。
実際じっさいの試験しけんで出でた言葉ことば
  • 聴力ちょうりょくの低下ていか
  • バランスを崩くずす
  • 見当識障害けんとうしきしょうがい

たとえば、「聴力ちょうりょくの低下ていか」は、 耳みみそのものではなく、 「聞きく働はたらき」 に関係かんけいするため、 心身機能しんしんきのうとして考かんがえます。

覚おぼえるポイント

心身機能しんしんきのう = 体からだや心こころの「働はたらき」
身体構造しんたいこうぞう = 体からだの「つくり・部分ぶぶん」

② 活動かつどう

活動かつどうとは、 本人ほんにんが行おこなう 動作どうさや行為こういのことです。

活動かつどうとは?

ICFでは、活動かつどうを 「課題かだいや行為こういの 個人こじんによる遂行すいこう」 と考かんがえます。

試験しけんで覚おぼえておきたい表現ひょうげん

「遂行すいこう」とは、 実際じっさいにその行為こういをすることです。

やさしく考かんがえると

活動かつどうは、 「その人ひとがすること」 と考かんがえるとわかりやすいです。

  • 食事しょくじをする
  • 歩あるく
  • 着替きがえる
  • 話はなす
  • 買物かいものをする
  • 料理りょうりをする
  • 服薬ふくやくをする
  • 読書どくしょをする
活動かつどうの3つの見方みかた

実行状況じっこうじょうきょう
(している活動かつどう)

今いまの生活せいかつで、 実際じっさいにしていることです。

能力のうりょく
(できる活動かつどう)

本人ほんにんが できる活動かつどうや能力のうりょくです。

する活動かつどう

本人ほんにんが今後こんごしたいことや、 目標もくひょうにする活動かつどうです。

活動制限かつどうせいげんとは?

活動かつどうをするときに 難むずかしさがあることを、 「活動制限かつどうせいげん」 といいます。

たとえば、 「一人ひとりで歩あるくことが難むずかしい」 という場合ばあいです。

実際じっさいの試験しけんで出でた言葉ことば
  • 読書どくしょをする
  • 美術館びじゅつかんに行いく
  • 服薬ふくやくをする
  • 体操たいそうをする

試験しけんでは、 事例じれいの中なかから 「どの行為こういが活動かつどうにあたるか」 を考かんがえることが大切たいせつです。

覚おぼえるポイント

活動かつどう = 「課題かだいや行為こういの 個人こじんによる遂行すいこう」
やさしく言いうと「その人ひとがすること」

活動制限かつどうせいげん = 活動かつどうをするときの「難むずかしさ」

③ 参加さんか

参加さんかとは、 生活せいかつや社会しゃかいの中なかで、 人ひとや地域ちいきなどと 関かかわることです。

参加さんかとは?

ICFでは、参加さんかを 「生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり」 と考かんがえます。

試験しけんで覚おぼえておきたい表現ひょうげん

「生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり」 という言葉ことばを覚おぼえておきましょう。

「人生場面じんせいばめん」とは、 家庭かてい、仕事しごと、 地域ちいき、人ひととの交流こうりゅうなど、 その人ひとが生活せいかつするさまざまな場面ばめんです。

やさしく考かんがえると

参加さんかは、 「生活せいかつや社会しゃかいの中なかでかかわること」 と考かんがえるとわかりやすいです。

  • 仕事しごとをする
  • 地域ちいきの行事ぎょうじに参加さんかする
  • 町内会ちょうないかいで役割やくわりを持もつ
  • 友人ゆうじんと交流こうりゅうする
  • 認知症にんちしょうカフェに通かよう
  • レクリエーションで役割やくわりを持もつ
参加制約さんかせいやくとは?

生活せいかつや人生場面じんせいばめんに 関かかわるときに難むずかしさがあることを、 「参加制約さんかせいやく」 といいます。

たとえば、 「地域ちいきの人ひとと交流こうりゅうしたいが、 外出がいしゅつが難むずかしく、 交流こうりゅうできていない」 という場合ばあいです。

実際じっさいの試験しけんで出でた言葉ことば
  • 認知症にんちしょうカフェに通かよう
  • レクリエーションで歌うたの伴奏ばんそうをする
  • 地域住民ちいきじゅうみんとの交流こうりゅう

参加さんかでは、 その人ひとが生活せいかつや社会しゃかいの中なかで、 どのように関かかわっているか に注目ちゅうもくします。

「活動かつどう」と「参加さんか」の違ちがい

活動かつどう

課題かだいや行為こういの 個人こじんによる遂行すいこう

やさしく言いうと、 「その人ひとがすること」です。

例:体操たいそうをする

参加さんか

生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり

やさしく言いうと、 「生活せいかつや社会しゃかいの中なかでかかわること」です。

例:認知症にんちしょうカフェに通かよう

実際じっさいの生活せいかつでは、 活動かつどうと参加さんかを はっきり分わけられないこともあります。

覚おぼえるポイント

参加さんか = 「生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり」
やさしく言いうと 「生活せいかつや社会しゃかいの中なかでかかわること」

参加制約さんかせいやく = 参加さんかするときの「難むずかしさ」

④ 環境因子かんきょういんし

環境因子かんきょういんしとは、 本人ほんにんのまわりにある 人ひと、もの、建物たてもの、 制度せいどなどの環境かんきょうのことです。

環境因子かんきょういんしとは?

ICFでは、環境因子かんきょういんしを、 物的ぶってきな環境かんきょうや 社会的環境しゃかいてきかんきょうなどを 構成こうせいする因子いんし と考かんがえます。

試験しけんで覚おぼえておきたい表現ひょうげん

「物的ぶってきな環境かんきょうや 社会的環境しゃかいてきかんきょうなどを 構成こうせいする因子いんし」 という表現ひょうげんを覚おぼえておきましょう。

「因子いんし」とは、 人ひとの生活せいかつや 行動こうどうに影響えいきょうするもの のことです。

やさしく考かんがえると

環境因子かんきょういんしは、 「本人ほんにんのまわりにあるもの」 と考かんがえるとわかりやすいです。

人ひとだけでなく、 建物たてものや道路どうろ、 福祉用具ふくしようぐ、 介護かいごサービスなども 環境因子かんきょういんしになります。

環境因子かんきょういんしには、いろいろなものがあります

物的ぶってきな環境かんきょう

本人ほんにんのまわりにある 「もの」や「場所ばしょ」です。

  • 段差だんさ
  • 坂道さかみち
  • スロープ
  • 車くるまいす
  • 福祉用具ふくしようぐ
  • GPS装置そうち

人的じんてきな環境かんきょう

本人ほんにんのまわりにいる 「人ひと」です。

  • 家族かぞく
  • 娘むすめ・息子むすこ
  • 友人ゆうじん
  • 介護福祉職かいごふくししょく
  • 近所きんじょの人ひと
  • 民生委員みんせいいいん

社会的しゃかいてきな環境かんきょう

社会しゃかいの制度せいどや サービスなどです。

  • 介護保険制度かいごほけんせいど
  • 介護かいごサービス
  • 地域ちいきの支援しえん
  • 福祉制度ふくしせいど
「促進因子そくしんいんし」と「阻害因子そがいいんし」

環境因子かんきょういんしは、 本人ほんにんの生活せいかつを 助たすけることもあれば、 難むずかしくすることもあります。

促進因子そくしんいんし

本人ほんにんの活動かつどうや 参加さんかを 助たすける環境かんきょう です。

例:
スロープがある、家族かぞくが支援しえんする、 福祉用具ふくしようぐを使つかう

阻害因子そがいいんし

本人ほんにんの活動かつどうや 参加さんかを 難むずかしくする環境かんきょう です。

例:
大おおきな段差だんさがある、 坂道さかみちが多おおい、 必要ひつような支援しえんがない

実際じっさいの試験しけんで出でた言葉ことば

過去かこの試験しけんでは、 環境因子かんきょういんしに関係かんけいするものとして、 次つぎのような内容ないようが出でています。

  • 娘むすめが近隣きんりんに住すみ、 毎日訪問まいにちほうもんしている
  • 自宅周辺じたくしゅうへんの 坂道さかみちや段差だんさ

家族かぞくも、 道路どうろや段差だんさも、 本人ほんにんのまわりにあるものなので、 環境因子かんきょういんしとして考かんがえます。

試験しけんでは「原因げんいん」まで考かんがえよう

環境因子かんきょういんしの問題もんだいでは、 ただ環境因子かんきょういんしを見みつけるだけではなく、 「参加制約さんかせいやくの原因げんいんになっている環境因子かんきょういんし」 を考かんがえる問題もんだいもあります。

たとえば、

地域住民ちいきじゅうみんと交流こうりゅうしたい
↓
自宅周辺じたくしゅうへんに 坂道さかみちや段差だんさが多おおい
↓
外出がいしゅつが難むずかしい
↓
地域住民ちいきじゅうみんとの交流こうりゅうができない

この場合ばあい、 「自宅周辺じたくしゅうへんの坂道さかみちや段差だんさ」 が、参加制約さんかせいやくの原因げんいんになっている 環境因子かんきょういんしです。

「環境因子かんきょういんしに働はたらきかける」とは?

介護かいごでは、 本人ほんにんだけを変かえようとするのではなく、 周まわりの環境かんきょうを変かえる ことも大切たいせつです。

過去かこの試験しけんでは、 「参加さんかへの影響えいきょうを意図いとして、 環境因子かんきょういんしに働はたらきかける」 という考かんがえ方かたが問とわれています。

たとえば、 本人ほんにんがいつもの店みせに行いき続つづけられるように、 店みせの人ひとに事情じじょうを説明せつめいすることも、 環境因子かんきょういんしへの働はたらきかけです。

覚おぼえるポイント

環境因子かんきょういんし = 「本人ほんにんのまわりにあるもの」

家族かぞく・介護職かいごしょく・ 福祉用具ふくしようぐ・段差だんさ・ 坂道さかみち・制度せいどなども 環境因子かんきょういんし

環境因子かんきょういんしは、 活動かつどうや参加さんかを 助たすけることも、難むずかしくすることもある

⑤ 個人因子こじんいんし

個人因子こじんいんしとは、 その人自身ひとじしんの 特徴とくちょうや、 これまでの人生じんせい・生活せいかつの 背景はいけいのことです。

個人因子こじんいんしとは?

ICFでは、個人因子こじんいんしを、 「個人こじんの 人生じんせいや生活せいかつの 特別とくべつな背景はいけい」 と考かんがえます。

試験しけんで覚おぼえておきたい表現ひょうげん

「個人こじんの 人生じんせいや生活せいかつの 特別とくべつな背景はいけい」 という表現ひょうげんを覚おぼえておきましょう。

「背景はいけい」とは、 その人ひとが これまでどのように生活せいかつしてきたか、 どのような経験けいけんや 考かんがえを持もっているか、 ということです。

やさしく考かんがえると

個人因子こじんいんしは、 「その人自身ひとじしんが持もっている 特徴とくちょう」 と考かんがえるとわかりやすいです。

病気びょうきや障害しょうがいではなく、 その人ひとの 年齢ねんれい、 性格せいかく、 生活歴せいかつれき、 考かんがえ方かたなどに 注目ちゅうもくします。

個人因子こじんいんしの具体例ぐたいれい

本人ほんにんの特徴とくちょう

  • 年齢ねんれい
  • 性格せいかく
  • 考かんがえ方かた
  • 価値観かちかん
  • 生活習慣せいかつしゅうかん

人生じんせいや生活せいかつの背景はいけい

  • 生活歴せいかつれき
  • 職歴しょくれき
  • 仕事しごとの経験けいけん
  • 趣味しゅみ
  • これまでの生活せいかつのしかた
実際じっさいの試験しけんで 出でた言葉ことば

過去かこの試験しけんでは、 個人因子こじんいんしとして、 次つぎのような内容ないようが 出でています。

  • 「小学校しょうがっこうの 教員きょういんをしていた」
  • 「医者嫌いしゃぎらいである」

「小学校しょうがっこうの 教員きょういんをしていた」は、 その人ひとの 職歴しょくれきや 人生じんせいの背景はいけいなので、 個人因子こじんいんしです。

「医者嫌いしゃぎらいである」は、 本人ほんにんの 考かんがえ方かたや 気持きもちに関係かんけいするため、 個人因子こじんいんしとして 考かんがえます。

「環境因子かんきょういんし」と 「個人因子こじんいんし」の違ちがい

この2つは、どちらも 生活機能せいかつきのうに 影響えいきょうする 背景因子はいけいいんしです。

環境因子かんきょういんし

本人ほんにんの「まわり」にあるもの

例:
家族かぞく、 介護職かいごしょく、 福祉用具ふくしようぐ、 段差だんさ、 制度せいど

個人因子こじんいんし

本人自身ほんにんじしんの 特徴とくちょうや背景はいけい

例:
年齢ねんれい、 性格せいかく、 生活歴せいかつれき、 職歴しょくれき、 価値観かちかん

覚おぼえるポイント

個人因子こじんいんし = 「その人自身ひとじしんの 特徴とくちょうや 人生じんせい・生活せいかつの 背景はいけい」

年齢ねんれい・ 性格せいかく・ 生活歴せいかつれき・ 職歴しょくれき・ 価値観かちかんなど

環境因子かんきょういんし = 本人ほんにんの「まわり」
個人因子こじんいんし = 「本人自身ほんにんじしん」

ICFでは「相互作用そうごさよう」が大切たいせつ

ICFで特とくに大切たいせつなのは、それぞれが相互作用そうごさようしているという考かんがえ方かたです。

「相互作用そうごさよう」とは、お互たがいに影響えいきょうし合あうことです。

たとえば、車くるまいすを使つかっている人ひとがいるとします。

家いえの前まえに大おおきな段差だんさがあると、

環境因子かんきょういんし「大おおきな段差だんさがある」

↓

活動かつどう「外出がいしゅつすることが難むずかしくなる」

↓

参加さんか「地域ちいきの人ひととの交流こうりゅうが難むずかしくなる」

というように、環境かんきょうが活動かつどうや参加さんかに影響えいきょうすることがあります。

反対はんたいに、スロープをつけるなど、環境因子かんきょういんしを変かえることで、外出がいしゅつしやすくなり、地域ちいきの人ひととの交流こうりゅうもしやすくなることがあります。

環境因子かんきょういんしに働はたらきかける支援しえん

介護かいごでは、本人ほんにんだけを変かえようとするのではなく、環境因子かんきょういんしに働はたらきかけることも大切たいせつです。

第だい36回試験かいしけんでは、前頭側頭型認知症ぜんとうそくとうがたにんちしょう(frontotemporal dementia)のCさんについて、「八百屋やおやに事情じじょうを話はなして事前じぜんにお金かねを渡わたしておく」という支援しえんが出題しゅつだいされました。

Cさんが今いままでどおり八百屋やおやへ行いけるようにするため、

八百屋やおやの人ひとに事情じじょうを説明せつめいする
=
周まわりの環境かんきょうを変かえる
=
環境因子かんきょういんしに働はたらきかける

と考かんがえます。

その結果けっか、「八百屋やおやへ行いく」という参加さんかを続つづけられるようにすることを目指めざしています。

つまり、この事例じれいでは、参加さんかへの影響えいきょうを意図いとして、環境因子かんきょういんしに働はたらきかけるという考かんがえ方かたになります。

ICFでは、このように本人ほんにんの病気びょうきや心身機能しんしんきのうだけではなく、周まわりの環境かんきょうを変かえることで生活せいかつを支ささえるという視点してんも大切たいせつです。

【第36回試験】問題116(総合問題1)あわせて読みたい【第36回試験】問題116(総合問題1)

ICFでは「できないこと」だけを見みない

ICFでは、「できないこと」だけを探さがすのではありません。

たとえば、「一人ひとりでは遠とおくまで歩あるけない」という情報じょうほうだけを見みるのではなく、

  • 車くるまいすを使つかえば移動いどうできる
  • 家族かぞくの支援しえんがある
  • 本人ほんにんは地域ちいきの人ひとと交流こうりゅうしたい
  • 環境を整えれば外出できる

という情報じょうほうも一緒いっしょに考かんがえます。

その人ひとができること、したいこと、周まわりの環境かんきょうを含ふくめて、その人全体ひとぜんたいを見みることが大切たいせつです。

ICFとICIDH(国際障害分類こくさいしょうがいぶんるい)の違ちがい

ICFができる前まえは、 ICIDH(国際障害分類こくさいしょうがいぶんるい) という考かんがえ方かたが 使つかわれていました。

ICIDH(国際障害分類こくさいしょうがいぶんるい)では

ICIDHでは、障害しょうがいを 「できなくなったこと」や 「不利ふりになったこと」 というマイナスの面めんを 中心ちゅうしんに考かんがえていました。

機能障害きのうしょうがい
→
能力障害のうりょくしょうがい
→
社会的不利しゃかいてきふり
たとえば
  • 運動麻痺うんどうまひ → 機能障害きのうしょうがい
  • 日常生活動作にちじょうせいかつどうさ(ADL)が 難むずかしい → 能力障害のうりょくしょうがい
  • 職場復帰しょくばふっきが 難むずかしい → 社会的不利しゃかいてきふり
ICF(国際生活機能分類こくさいせいかつきのうぶんるい)では

ICFでは、 「できないこと」だけを見みません。

「できること」や 周まわりの環境かんきょうも 含ふくめて、 その人ひとの 生活全体せいかつぜんたいを 考かんがえます。

心身機能しんしんきのう・ 身体構造しんたいこうぞう 体からだや 心こころの 働はたらき、 体からだのつくり
活動かつどう その人ひとがすること
参加さんか 生活せいかつ・ 人生場面じんせいばめんへのかかわり
環境因子かんきょういんし
本人ほんにんのまわりにあるもの
個人因子こじんいんし
本人自身ほんにんじしんの 特徴とくちょうや 背景はいけい
健康状態けんこうじょうたい、 生活機能せいかつきのう、 環境因子かんきょういんし、 個人因子こじんいんしは、 相互作用そうごさよう (おたがいに影響えいきょうしあうこと) していると考かんがえます。
ICFとICIDHを比くらべてみよう
ICIDH ICF
考かんがえ方かた 障害しょうがいの マイナスの面めんを 中心ちゅうしんに 考かんがえる 生活機能せいかつきのうと 障害しょうがいの 両方りょうほうを 考かんがえる
主おもな言葉ことば 機能障害きのうしょうがい → 能力障害のうりょくしょうがい → 社会的不利しゃかいてきふり 心身機能しんしんきのう・ 身体構造しんたいこうぞう、 活動かつどう、 参加さんか
見みるポイント 障害しょうがいによって、 何なにができなくなったかを 見みる できること、できないこと、 周まわりの 環境かんきょうなどを 一緒いっしょに見みる
関係かんけい 機能障害きのうしょうがいから 社会的不利しゃかいてきふりへと 進すすむ 流ながれで考かんがえる それぞれが 相互作用そうごさよう していると考かんがえる
覚おぼえるポイント

ICIDH = 「何なにができなくなったか」を 中心ちゅうしんに 考かんがえる

ICF = 「できること」や 「周まわりの環境かんきょう」も 含ふくめて、 その人ひとの 生活全体せいかつぜんたいを 考かんがえる

試験しけんでは、ここを確認かくにんしよう

ICFの問題もんだいでは、 事例じれいを読よんで、 「これはどの項目こうもくにあたるか」を 整理せいりすることが大切たいせつです。

① 病気びょうきやけがについて書かいてある?

例れい:

  • アルツハイマー型認知症がたにんちしょう
  • パーキンソン病びょう
  • 骨折こっせつ
→ 健康状態けんこうじょうたい
② 体からだや心こころの 働はたらき、または体からだの 部分ぶぶんについて書かいてある?

心身機能しんしんきのうの例れい:

  • 手足てあしを動うごかす
  • 見みる・聞きく
  • 覚おぼえる・考かんがえる

身体構造しんたいこうぞうの例れい:

  • 脳のう
  • 目め・耳みみ
  • 手て・足あし
→ 心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう
③ 本人ほんにんがすることについて書かいてある?

例れい:

  • 食たべる
  • 歩あるく
  • 着替きがえる
  • 買物かいものをする
→ 活動かつどう
④ 生活せいかつや社会しゃかいとの 関かかわりについて書かいてある?

例れい:

  • 仕事しごと
  • 地域活動ちいきかつどう
  • 交流こうりゅう
  • 役割やくわりを持もつ
→ 参加さんか
⑤ 本人ほんにんのまわりにあるものについて書かいてある?

例れい:

  • 家族かぞく
  • 介護職かいごしょく
  • 福祉用具ふくしようぐ
  • 建物たてもの・道路どうろ
  • 制度せいど
→ 環境因子かんきょういんし
⑥ 本人自身ほんにんじしんの 特徴とくちょうや 生活せいかつの背景はいけいについて書かいてある?

例れい:

  • 年齢ねんれい
  • 性格せいかく
  • 生活歴せいかつれき
  • 職歴しょくれき
  • 価値観かちかん
→ 個人因子こじんいんし
注意ちゅうい: 実際じっさいの事例じれいでは、 1つの文章ぶんしょうの中なかに 複数ふくすうのICFの項目こうもくが 含ふくまれることがあります。
問題もんだいで「何なにについて聞きかれているか」を 確認かくにんして考かんがえましょう。
試験しけんでよく出でる言葉ことばをまとめよう

ICFの問題もんだいでよく使つかわれる 言葉ことばと、やさしい意味いみを 確認かくにんしましょう。

試験しけんで使つかわれる言葉ことば やさしい意味いみ
生活機能せいかつきのう 心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう、 活動かつどう、 参加さんかをまとめたもの
心身機能しんしんきのう 体からだや心こころの働はたらき
身体構造しんたいこうぞう 体からだをつくっている部分ぶぶん
活動かつどう 課題かだいや行為こういを 本人ほんにんが行おこなうこと
活動制限かつどうせいげん 活動かつどうをするときの難むずかしさ
参加さんか 生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり
参加制約さんかせいやく 生活せいかつ・人生場面じんせいばめんに かかわるときの難むずかしさ
背景因子はいけいいんし 環境因子かんきょういんしと 個人因子こじんいんし
環境因子かんきょういんし 本人ほんにんのまわりにある 人ひと・物もの・社会しゃかい・ 制度せいどなど
個人因子こじんいんし 本人自身ほんにんじしんの 特徴とくちょうや、 人生じんせい・生活せいかつの 背景はいけい
相互作用そうごさよう おたがいに影響えいきょうし合あうこと
促進因子そくしんいんし 活動かつどうや参加さんかを しやすくする環境かんきょう
阻害因子そがいいんし 活動かつどうや参加さんかを 難むずかしくする環境かんきょう
生活機能せいかつきのう

心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう、 活動かつどう、 参加さんかをまとめたもの

心身機能しんしんきのう

体からだや心こころの働はたらき

身体構造しんたいこうぞう

体からだをつくっている部分ぶぶん

活動かつどう

課題かだいや行為こういを 本人ほんにんが行おこなうこと

活動制限かつどうせいげん

活動かつどうをするときの難むずかしさ

参加さんか

生活せいかつ・人生場面じんせいばめんへのかかわり

参加制約さんかせいやく

生活せいかつ・人生場面じんせいばめんに かかわるときの難むずかしさ

背景因子はいけいいんし

環境因子かんきょういんしと 個人因子こじんいんし

環境因子かんきょういんし

本人ほんにんのまわりにある 人ひと・物もの・社会しゃかい・ 制度せいどなど

個人因子こじんいんし

本人自身ほんにんじしんの 特徴とくちょうや、 人生じんせい・生活せいかつの 背景はいけい

相互作用そうごさよう

おたがいに影響えいきょうし合あうこと

促進因子そくしんいんし

活動かつどうや参加さんかを しやすくする環境かんきょう

阻害因子そがいいんし

活動かつどうや参加さんかを 難むずかしくする環境かんきょう

覚おぼえ方かたのポイント: 言葉ことばだけを暗記あんきするのではなく、 事例じれいの中なかで 「これはどの項目こうもくか」を 考かんがえながら覚おぼえましょう。
ICFのポイントを確認かくにんしよう

ICFで特とくに大切たいせつなポイントを、 最後さいごに確認かくにんしましょう。

覚おぼえておきたい基本きほんポイント
  • 生活機能せいかつきのうは、 心身機能しんしんきのう・身体構造しんたいこうぞう、 活動かつどう、 参加さんかから考かんがえる
  • 背景因子はいけいいんしには、 環境因子かんきょういんしと 個人因子こじんいんしがある
  • 病気びょうきやけがは、 健康状態けんこうじょうたいとして考かんがえる
  • 活動かつどうが難むずかしい状態じょうたいを、 活動制限かつどうせいげんという
  • 参加さんかが難むずかしい状態じょうたいを、 参加制約さんかせいやくという
  • ICFのそれぞれは、 相互作用そうごさよう (おたがいに影響えいきょうし合あうこと)している
  • 本人ほんにんだけでなく、 環境因子かんきょういんしに働はたらきかける ことも大切たいせつ
事例問題じれいもんだいでは、この3つを考かんがえよう

問題文もんだいぶんを読よんだら、 次つぎの3つを確認かくにんしてみましょう。

1

これはどの項目こうもく?

健康状態けんこうじょうたい、 活動かつどう、 参加さんか、 環境因子かんきょういんしなど、 どこにあたるかを考かんがえます。

2

何なにが原因げんいんになっている?

活動かつどうや参加さんかを 難むずかしくしているものが何なにかを 考かんがえます。

3

何なにに働はたらきかけている?

本人ほんにんへの支援しえんなのか、 環境因子かんきょういんしへの働はたらきかけなのかを 確認かくにんします。

実際じっさいの過去問かこもんに挑戦ちょうせんしよう

ICFの基本きほんがわかったら、 実際じっさいの介護福祉士国家試験かいごふくししこっかしけんの 問題もんだいで確認かくにんしてみましょう。

ICFの過去問かこもんに挑戦ちょうせんする