介護の基本
問題20
Gさん(68 歳,女性,要介護2 )は、小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは, 3 年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。夫は既に亡くなっており,長男(30 歳)と一緒に暮らしている。週に2 回通所介護(デイサービス)に通い,レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は,近所の人や民生委員,小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し,話し相手になっている。
最近,Gさんは食事をとることを忘れていたり,トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。
介護福祉職が,Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と,ICF
(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は,「心身機能・身体構造」にあたる。
2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは,「参加」にあたる。
3 近所の人や民生委員,小学校の教え子は,「個人因子」にあたる。
4 小学校の教員をしていたことは,「環境因子」にあたる。
5 トイレの場所がわからなくなることは,「健康状態」にあたる。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
解答と解説
問題20
ICFの構成要素を選ぶ問題です。
答えは、「2」です。
要素を覚えるだけでなく、実際の事例に合わせて、その人物の情報を、どの要素で把握するのか考える問題でした。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は,「心身機能・身体構造」にあたる。
【×】アルツハイマー型認知症は疾患なので、「健康状態」にあたります。
2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは,「参加」にあたる。
【○】選択肢のとおり、生活・人生場面へのかかわりである「参加」にあたります。
3 近所の人や民生委員,小学校の教え子は,「個人因子」にあたる。
【×】近所の人や民生委員、小学校の教え子は「背景因子(環境因子)」にあたります。
4 小学校の教員をしていたことは,「環境因子」にあたる。
【×】小学校の教員をしていたことは、個人の人生や生活の特別な背景ですので、「背景因子(個人因子)」にあたります。
5 トイレの場所がわからなくなることは,「健康状態」にあたる。
【×】トイレの場所がわからなくなることは、「心身機能・身体構造」にあたります。
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