生活支援技術
問題35
次の記述のうち,介護福祉職が行う利用者の生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
2 利用者の全体像をとらえて支援する。
3 利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
4 利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
5 利用者に同情する気持ちで寄り添う。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題35(解答と解説)
介護福祉職が行う生活支援の基本的な考え方に関する問題です。
答えは、「2」です。
1 利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
【×】誤りです。できないことをすべて代わりに行うと、利用者の自立を低下させてしまいます。
2 利用者の全体像をとらえて支援する。
【○】正しい選択肢です。利用者の全体像をとらえて支援するとは、生活支援の基本のことで、身体・心・生活環境などを総合的に見て支援することです。一部だけでなく、人として全体を理解することが重要です。
3 利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
【×】誤りです。すべてを一人でできるようにするのは理想ですが、無理をさせることは適切ではありません。
4 利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
【×】誤りです。効率だけを重視すると、利用者の気持ちに寄り添うことや生活の質(QOL)を保つことが難しくなります。
5 利用者に同情する気持ちで寄り添う。
【×】誤りです。同情とは、相手をかわいそうだと思う気持ちです。同情だけで関わると、対等な関係がくずれてしまいます。同情ではなく、尊重や共感が大切です。
問題36
介護老人福祉施設における,快適な室内環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 風の通り道をつくって,換気を行う。
2 手すりは,壁紙と同じ色を使う。
3 ベッドライトの光源は,利用者の目に直接あたるように調整する。
4 カビの発生を予防するために,湿度は高く保つ。
5 靴音を小さくするために,硬い床材にする。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題36(解答と解説)
介護老人福祉施設における快適で安全な室内環境づくりに関する問題です。
答えは、「1」です。
高齢者が安全で快適に過ごすには、換気・温度・湿度・照明・安全性に配慮することが大切です。
1 風の通り道をつくって,換気を行う。
【○】正しい選択肢です。換気とは、室内の空気を入れ替えることです。風の通り道をつくって換気を行うと、室内の空気が効率的に入れ替わり、二酸化炭素やにおい、ウイルスなどがたまりにくくなります。
2 手すりは,壁紙と同じ色を使う。
【×】誤りです。手すりは利用者が見つけやすい色にすることが大切です。壁紙と同じ色にすると、手すりが見えにくくなり、すぐにつかまることができません。転倒の危険が高くなります。
3 ベッドライトの光源は,利用者の目に直接あたるように調整する。
【×】誤りです。ベッドライトの光が利用者の目に直接あたると、まぶしく感じたり、眠れないなど睡眠障害の原因になったりします。照明は、目に直接光があたらないように調整することが大切です。
4 カビの発生を予防するために,湿度は高く保つ。
【×】誤りです。カビとは、湿気の多い場所に発生する菌の一種です。カビの発生を防ぐためには、湿度を高くしすぎないことが重要です。
5 靴音を小さくするために,硬い床材にする。
【×】誤りです。硬い床材は、足音や靴音が響きやすくなります。また、転倒したときの衝撃も大きくなります。高齢者施設では、音や安全性に配慮した床材を使用することが望ましいです。
問題37
パーキンソン病(Parkinson disease)の人の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 玄関の段差には,スロープを設置する。
2 廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける。
3 リビングの床には,大きさの違うカーペットを重ねて敷く。
4 移動空間が狭くなるように,家具を配置する。
5 リビングは1階,浴室は2階にして,階段で行き来する。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題37(解答と解説)
パーキンソン病の人が安全に生活するための住環境整備に関する問題です。
答えは、「2」です。
パーキンソン病は、脳の中の「ドーパミン」という物質が少なくなることで起こる病気です。手や足がふるえたり、筋肉がかたくなったり、動きがゆっくりになったりします。
パーキンソン病では、歩こうとしても足が前に出ないで、一時的に動けなくなる「すくみ足」や小刻み歩行などが見られるため、歩きやすい環境を整えることが大切です。
1 玄関の段差には,スロープを設置する。
【×】誤りです。スロープとは、段差をなくすためのゆるやかな坂のことです。スロープは車いす利用者には有効ですが、パーキンソン病の人は、歩行が不安定になるため、適切ではありません。
2 廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける。
【○】正しい選択肢です。パーキンソン病の人は、歩幅が小さくなったり、足が止まってしまったりすることがあります。そのため、廊下の床に歩幅に合わせた目印をつけることで、歩き出しや歩行がしやすくなることがあります。
3 リビングの床には,大きさの違うカーペットを重ねて敷く。
【×】誤りです。カーペットを重ねて敷くと、段差ができてつまずきやすくなります。
4 移動空間が狭くなるように,家具を配置する。
【×】誤りです。移動するスペースが狭いと、歩行や方向転換が難しくなり、転倒の危険が高くなります。
5 リビングは1階,浴室は2階にして,階段で行き来する。
【×】誤りです。パーキンソン病では、階段の昇り降りが負担になったり、転倒の危険が高くなったりします。
問題38
次の記述のうち,歩行が不安定になり,移動の意欲が低下している利用者に対する介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉用具の使用は避けて,自力での歩行を目指すように促す。
2 移動の目的を伝えるよりも,歩行機能の改善を優先する。
3 成功体験を積み重ねることができるように,達成可能な歩行の目標距離を設定する。
4 歩行の不安定さに合わせて,移動範囲を縮小する。
5 本人が希望しなくても,介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
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問題38(解答と解説)
歩行が不安定になり、移動への意欲が低下している利用者への適切な介護に関する問題です。
答えは、「3」です。
意欲が低下している利用者には、利用者が「できた」という経験(成功体験)を積み重ね、自信と意欲を高めるよう介護をすることが大切です。
1 福祉用具の使用は避けて,自力での歩行を目指すように促す。
【×】誤りです。福祉用具とは、利用者の生活や移動を助けるための用具のことです。歩行器や杖、車いすなどがあります。歩行が不安定な利用者に対しては、福祉用具を適切に活用しながら、安全に移動できるように支援します。自立歩行を目指すのではなく、利用者の残っている力を活かす支援を目指します。
2 移動の目的を伝えるよりも,歩行機能の改善を優先する。
【×】誤りです。歩行訓練を行うときは、 「なぜ歩くのか」「どこへ行くのか」という移動の目的を本人が理解すると、自信や意欲の向上につながります。
3 成功体験を積み重ねることができるように,達成可能な歩行の目標距離を設定する。
【○】正しい選択肢です。成功体験とは、自分でできたという経験を積み重ねることです。歩行が不安定な利用者には、達成できる目標を設定し、「できた」という経験を重ねることで、自信や意欲の向上につながります。
4 歩行の不安定さに合わせて,移動範囲を縮小する。
【×】誤りです。歩行が不安定だからといって移動範囲を必要以上に狭くすると、身体機能や意欲の低下につながってしまいます。安全に配慮をしながら、できる活動を維持できるようにします。
5 本人が希望しなくても,介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
【×】誤りです。介護では、利用者本人の意思や希望を尊重することが基本です。介護福祉職の判断で目標を決めることは適切ではありません。
問題39
次の記述のうち,右片麻痺のある利用者に対する,仰臥位(背臥位)から車いすへの移乗の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者に右側臥位になって起き上がるように促す。
2 端座位になった利用者の左側に立つ。
3 端座位になった利用者の右側に,車いすを置く。
4 車いすのフットサポートは下げておく。
5 移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題39(解答と解説)
右片麻痺のある利用者の移乗介助に関する問題です。
答えは、「5」です。
片麻痺のある利用者の移乗では、利用者の動かしやすい側(健側)を活用し、安全な姿勢で移乗することがポイントです。
1 利用者に右側臥位になって起き上がるように促す。
【×】誤りです。右側臥位とは、体の右側を下にして横になる姿勢のことです。右片麻痺の利用者は、右側の手足が動かしにくいので、麻痺のある右側を使って体を起こすことは適切ではありません。
2 端座位になった利用者の左側に立つ。
【×】誤りです。端座位とは、ベッドの端に座り、足を床につけた姿勢のことです。右片麻痺の利用者では、麻痺のある右側を支援できる位置に立つことが基本です。
3 端座位になった利用者の右側に,車いすを置く。
【×】誤りです。車いすは、利用者が動かしやすい側(健側)に置くことが基本です。右片麻痺の利用者では、車いすは左側に置きます。
4 車いすのフットサポートは下げておく。
【×】誤りです。フットサポートとは、車いすの足を乗せる部分のことです。移乗時にフットサポートを下げたままにすると、利用者の足が引っかかり、転倒する危険があります。
5 移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す。
【○】正しい選択肢です。前傾姿勢とは、体を少し前に倒した姿勢のことです。移乗するときは、利用者に前傾姿勢をとってもらうことで、重心が前に移動し、立ち上がりやすくなります。
問題40
視覚障害者の歩行時の誘導に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職は,利用者の半歩後ろで背中を支えながら歩く。
2 介護福祉職は, 白杖に触れながら歩く。
3 狭い通路では,介護福祉職は利用者の後ろを歩く。
4 階段利用時は,介護福祉職は階段の前で声かけして止まる。
5 介護福祉職は,利用者が握っている上肢を振って歩く。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題40(解答と解説)
視覚障害者の歩行介助(誘導方法)に関する問題です。
答えは、「4」です。
視覚障害者の歩行介助で大切なのは、介護福祉職が周囲の状況を言葉で伝えながら、安全に誘導することです。
1 介護福祉職は,利用者の半歩後ろで背中を支えながら歩く。
【×】誤りです。介護福祉職は、利用者の半歩前を歩き、利用者が介護福祉職の肘や腕を持って歩くことが基本です。
2 介護福祉職は, 白杖に触れながら歩く。
【×】誤りです。白杖とは、視覚障害者が歩行時に周囲の状況を確認するために使う白い杖のことです。介護福祉職が白杖に触れながら誘導することはありません。
3 狭い通路では,介護福祉職は利用者の後ろを歩く。
【×】誤りです。狭い通路では、利用者は介護福祉職の後ろに回り、介護福祉職は前を歩きます。
4 階段利用時は,介護福祉職は階段の前で声かけして止まる。
【○】正しい選択肢です。階段を利用するときは、介護福祉職は階段の前で一度止まり、「これから階段を上ります」「下ります」などと声をかけてから誘導します。
5 介護福祉職は,利用者が握っている上肢を振って歩く。
【×】誤りです。視覚障害者の歩行介助では、利用者が介護福祉職の腕や肘を軽く持って歩くため、上肢を振ると、利用者がバランスを崩したり、不安を感じたりする危険があります。
♯視覚障害者 ♯歩行介助
問題41
身じたくの目的に関する次の記述のうち,国際生活機能分類(ICF)における「心身機能・身体構造」の観点が考えられるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体温を調整する。
2 身体を清潔に保つ。
3 セルフケアを行う。
4 自分を表現する。
5 周囲との人間関係を調整する。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題41(解答と解説)
国際生活機能分類(ICF)の「心身機能・身体構造」の考え方に関する問題です。
答えは、「1」です。
ICF(国際生活機能分類)は、心や体の状態だけでなく、生活のしやすさや社会との関わりをふくめた生活機能モデルで、人の健康や障害をとらえる国際的な考え方です。
体の働きそのものに関する内容を「心身機能・身体構造」に分類します。
1 体温を調整する。
【○】正しい選択肢です。体温を一定に保つ働きは、身体の機能そのものなので、「心身機能・身体構造」の観点になります。
2 身体を清潔に保つ。
【×】誤りです。「身体を清潔に保つ」は日常生活動作を表わしているので、「活動」の観点になります。
3 セルフケアを行う。
【×】誤りです。セルフケアとは、自分自身の身の回りのことを行うことです。「活動」の観点になります。
4 自分を表現する。
【×】誤りです。「自分を表現する」とは、人との関わりや社会参加に関係する内容です。「活動」「参加」の観点になります。
5 周囲との人間関係を調整する。
【×】誤りです。「周囲との人間関係を調整する」は、社会生活や人との関わりを表しています。「参加」の観点になります。
♯国際生活機能分類 ♯ICF
問題42
次の記述のうち,介護が必要な利用者への口腔ケアとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 仰臥位(背臥位)で行う。
2 歯垢を除去するためにうがいをしてもらう。
3 歯ブラシで歯を1,2本ずつ磨く。
4 スポンジブラシは乾いた状態で使用する。
5 部分床義歯(局部床義歯)はつけたまま行う。
解答(かいとう)と解説(かいせつ)を確認(かくにん)する
問題42(解答と解説)
介護が必要な利用者への口腔ケアの基本的な方法に関する問題です。
答えは、「3」です。
1 仰臥位(背臥位)で行う。
【×】誤りです。仰臥位とは、あお向けに寝た姿勢のことです。口腔ケアを仰臥位で行うと、唾液や汚れがのどに流れ込みやすくなり、誤嚥の危険が高くなります。座位や、上半身を起こした姿勢で行うことが基本です。
2 歯垢を除去するためにうがいをしてもらう。
【×】誤りです。歯垢とは、歯の表面につく細菌のかたまり(プラーク)のことです。うがいでは、歯垢を十分に除去することはできません。
3 歯ブラシで歯を1,2本ずつ磨く。
【○】正しい選択肢です。口腔ケアでは、歯ブラシで1~2本ずつ丁寧に磨くことが基本です。
4 スポンジブラシは乾いた状態で使用する。
【×】誤りです。スポンジブラシとは、口の中の汚れや痰などをやさしく取り除くための口腔ケア用品です。スポンジブラシを乾いたまま使用すると、口の中の粘膜を傷つけることがあるため、水などで湿らせてから使用します。
5 部分床義歯(局部床義歯)はつけたまま行う。
【×】誤りです。部分床義歯とは、一部の歯がないときに使う取り外し式の入れ歯のこと(部分入れ歯)です。部分床義歯をつけたままでは、義歯の周囲の汚れが十分に取れず、口腔内の衛生状態が悪くなることがあります。外して口腔ケアを行います。